今はエコビレッジとは縁もゆかりもないけれど、将来はエコビレッジ的な場所に住みたいなぁ、とかエコビレッジをつくってみたいなぁ、なんて夢想した経験がある方も多いのではないでしょうか。少なくとも、私はあります。
そんなエコビレッジを夢みる方々に、エコビレッジの作り方について体系的に答えてくれるのが、エコビレッジデザイン教育(Ecovillage Design Education=EDE)です。エコビレッジデザイン教育は、まさにエコビレッジの理念と実践について教えてくれるカリキュラム。その中身を手っ取り早く知るにはガイアエデュケーションというエコビレッジの教育者たちが集まって作った国際的な協会が作った教科書が最適です。
エコビレッジデザイン教育(EDE)は、持続可能なコミュニティをどうつくるか、どう実現させていくのかについて学ぶものです。EDEで学ぶ分野は「社会」「経済」「環境」「世界観」の大きく分けて4つです。4つの分野を学びながら、エコビレッジというコミュニティをつくっていくことはどういうことなのかを学んでいきます。
上記の教科書を読み進めていくと、エコビレッジが単純にいわゆる「エコ」な住まい方や暮らし方のことではないことがわかってきます。教育について、自然について、コミュニティについて、人間生活の様々な場面を問い直すことで、より持続可能で尊厳のある生活をつくっていけるのだというメッセージが織り込まれています。
エコビレッジ・デザイン・エデュケーションについてのセッション中に流れたビデオの中でグローバル・エコビレッジ・ネットワークとガイア・エデュケーションで活動するメイ・イースト女史は
「Place based solution(土地に根ざした解決方法)」
という言葉を使っていました。EDEで学べるのは、まさにそれぞれの地域やコミュニティで、ひとのつながりを作り、課題を解決していくために必要な知恵です。
日本でも、2009年からこのエコビレッジデザイン教育(EDE)のカリキュラムに沿って、エコビレッジデザインについて学ぶプログラムがはじまりました。2010年も、この9月から来年5月までの9ヶ月で学ぶプログラム「エコビレッジ・デザイン・エデュケーション〜未来につづく暮らしの学び〜」がアジア学院那須セミナーハウスを主な舞台にして行われます。
すでに自分のコミュニティを持っている方にも、これからコミュニティを育てていこうという方にも、エコビレッジデザインから学べることは多いはずです。エコビレッジ・デザイン教育の教科書を読んで、日々の暮らしに活かすのでも充分に価値がありますし、さらに踏み込んだ内容を学びたいと思った方は、実践プログラムを受講してみてもいいかもしれません。
エコビレッジ・デザイン・エデュケーションの日本版教科書(PDF)を読む。
この教科書は、英語だけではなく、現在ではドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、日本語、フィンランド語でも読むことができます。日本語版は、エコビレッジ推進プロジェクト(JEPP)のメンバーの皆さんが完全ボランティアで翻訳しました。
エコビレッジ・デザイン・エデュケーションを受講する。