原宿と渋谷のあいだ明治通り沿いの「東洋ビル」に、「ほんとに必要なものだけを」という力強いメッセージが突如出現した。うすうす感づいた方も多いだろう。東京の秋の恒例となったデザインイベントのひとつ、「DesignTide」のメイン会場である。
10月上旬の強雨の中、まだ施工途中のビルの中で、「treasured trash」のミーティングが行われた。
今日集まったのは、gift_の池田さん、ASYL CRACKの西さん、そして「retired weapons」もてがけるアートディレクターの徳田祐司さんだ。
この日は、ポール・デイビスによるゆるいタイトルドローイングやアジールがデザインしたロゴのラフ案、ガスアズインターフェイスの「The New Shoppingbag」などあれこれ持ち寄って、「treasured trash」が当日どんな見え方になるのかワイワイ話し合うミーティングだった。
- ポール・デイビスのドローイング
- アートディレクターの徳田祐司さん
ミーティングに参加した徳田さんも、今回個人で作品を提供している。そのキーワードは「SEE YOU AGAIN!」。ゴミ箱が資源回収ステーションとなる今回のメイン会場で、ゴミを捨てる行為をどうすればもっと身近になるのか、ゴミ箱とのまったく新しいコミュニケーションについての楽しげな提案だった。
以下、徳田さんにちょっとだけお話を伺った。
兼松:
treasured trashの企画に参加する経緯を教えてください。最初に聞いたときにどう感じられましたか?
徳田:
ゴミの問題をデザインから提案しませんかと誘われました。デザインには、新しいコミュニケーションをつくりだす可能性がまだまだたくさんあります。しかし世の中でその可能性はまだまだ生かしきれていないし、生かしてもらうデザイナー側からのプレゼンテーションも足りない。今回はそのプレゼンテーションができる意義のある機会だと感じました。
兼松:
何よりも「SEE YOU AGAIN!」のコピーが、言い得て妙だなと感銘しました。どうやってこのコトバに辿り着いたのでしょうか?
徳田:
人とゴミとの新しい関係をつくりたいと思ったんです。捨てるという行為は、最後のお別れではない。それを感じてもらうためにひとつセリフを用意してはどうかと考えました。おまけにそれがポジティブなコミュニケーションになるといいなと。結局ゴミ問題は、ひとりひとりのモラルに頼るしか無い。そのモラルに働きかけたいと思いました。
兼松:
ちなみに、電通での普段の仕事との違いはあったりしますか?あるとすればどのような点でしょうか?
徳田:普段は広告を中心に仕事をしていますが、クリエーティブはいつでも提案することが大切だと思っています。その点において何も変わりません。アムステルダムのケッセルスクラマーで仕事をしていた時もクリエーティブの役割は何も変わりませんでした。
兼松:
お忙しいところありがとうございました!当日楽しみにしています!
10月25日にはいよいよサイトオープン!直前となる次回のレポートでは、とっておきの見所を紹介します。お楽しみに!