大正建築の傑作で味わう料理の美!
綱町三井倶楽部での夕食に招待される機会があった。
ここは大正2年三井家の迎賓館として鹿鳴館の設計者として知られるジョサイア・コンドル博士の設計により建てられたもの。西洋建築の傑作といわれていて、中には重厚な家具調度品、室内装飾、名画があり目を見張るものがある。
あまりに素敵なお庭が目の前に広がっているのでつい外へ出てみた。一瞬都心にいることを忘れてしまいそうになる優雅な静寂に圧倒される。人工的といえば人工的だが手入れの行き届いた完璧なお庭はそれなりに心安らぐものである。
ついうちのみじめな庭が一瞬頭をよぎる。管理人さんがみるに見かねて最近草取りをして下さった我がお庭。今度花も植えてくれるというが……。
ここでのお料理は期待通り美しいものだった。肉なしで用意していただいたのでお魚がメインだったが、3種類の魚が違う形で調理され、ボリュームもバッチリ。
味付けも丁度よい加減だし、シャンパンやワインもおいしく、私は普段アルコール類は戴かないのにおしゃべりしながら一口、二口飲んでいたら気がついた時には自分のグラスが空になっていたから驚いた。私も案外いけるクチだったということね。
- 彩り豊かなお料理は目にもおいしい!
- お腹はいっぱいでもデザートにはついつい手が伸びる
マクロビオティックの人に限らず、あれはだめ、これは少しだけ、とか言って自分で注文しておきながら折角のお料理を平然と食べ残す人がいる。私も普段は自分が調理する立場上、食べ物にも作り手にも失礼だと思うことは避けるが、慣れないものを調子に乗って食べ過ぎると体調をくずしかねない。次の仕事が控えている時は折角のお勧めを断り、無難な方を選んで後悔することもある。
ただ経験から言わせていただくと素材がしっかりしたもので調味料に添加物などない場合は大概少々食べ過ぎても大事には至らない。
食にこだわりを持つのもいいが時と場合に応じてまわりに不快感を与えないような食事のマナーと食事を愉しむ心と体のゆとりが必要である。