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答えはすべて自然のなかにある

答えはすべて自然のなかにある

7月からはじまった一連の仕事で、ワケがわからなくなっていた。しかし、そんなある日、朝3時に起床し午前中で仕事を片付け、伊豆へ釣りに出かけた。僕は昔から仕事で頭のバランスが崩れると自然のなかに答えを求めるようにしてきた。

深い原生林のなかを、小さなバックパックに最小の装備と食料を持ってあてもなく彷徨う。あるいは、海岸線から独りシーカヤックを漕ぎ出し、目的もなく沖へ沖へとでかけ帰ってくる。たったそれだけで数日間の休暇をとったようになるから不思議だ。

人というより男は、なぜ、アウトドアあるいは野生といった言葉に魅かれるのだろうか? 一般的に言えば「少々、野蛮な環境では女性にくらべ肉体的に向いているから」といわれるが、それだけではないと思う。人間がこの地球上で二足歩行を始めた数百万年前から、男たちは家族や兄弟すべての命を背負っていたからかも知れない。

原野の中で野宿をしながら獣を追いかけ、粗末な小船で海原のなかで翻弄され魚を捕り、その自然から得られる尊い命を糧として分け与える。繰り返し繰り返し訪れる毎日は「生き残るために」というただひとつのわかりやすい目的のためにあったわけだ。

今、自分たちのまわりをよく見わたしてみると、自分たちの周囲にはあまりにも多くの言葉や物質に取りかこまれていること気づく。そのなかで、何をパラダイム(規範)として生きていいのか、まったくわからなくなることがある。そんな時こそ「学ぶのは地球、自然のなかからだけでいい」と思うようにしている。

僕らは 実は自らが生み出した文明という洪水の中で溺れかけているのかも知れない。太古の時代から自然のなかで、長い時間をかけて身体細胞に刻み込んだ本当の知恵は喪失してしまっており、ひょっとすると、すでに自分たちは知識という言葉のガラクタのなかに埋没してしまっているのかも知れない。

都市を捨てろ、文明を捨てろというのではない。自然と人間との間にある、気の遠くなるほど多くの道具や言葉をチョイスしようというのだ。この都市文明の「何を残し、何を捨て、新しく何を創るのか」を学ぶべきにはアウトドアライフのプリミティブさが最適だと思う。
 生き方に迷ってしまったら地球に聞いてみればいい。困ったことがあったら自然の声に耳をすませばいい。アウトドアこそ僕たちに知恵をさずける最高の教師なのだと思う。

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