マクロビオティック啓蒙者の来日
6月14日にアメリカから、マクロビオティックの長年の啓蒙者であり「アンバーウェイブス(遺伝子組み換えに反対するNPO)」
「プラネタリーヘルス(環境と食を考える会)」代表でもあるジャーナリストのアレックスジャック氏を日本へ迎えた。
- アレックス・ジャック氏
彼の父親は平和運動の指導者だった。彼は11歳の時、長崎と広島で平和会議に参加する父親に同行して日本に来たのが最初の日本訪問であり、これがマクロビオティックに目覚めるきっかけとなる。当時、同じくらいの年頃の子供たちが、白血病やリンパの癌、骨肉種などで苦しんでいるのを目の当たりにし、原爆投下から2週間後の8月21日生まれの彼は、更に平和活動にも開眼した。
マクロビオティック食に欠かせない味噌汁や納豆、豆腐、梅干、のり、漬物などの日本食に、彼が初めて出会ったのはその時だった。それからインドへ留学したりベトナムでは禅宗の高僧に出会ったり、またダライラマ氏や久司道夫氏に会って直接彼らの影響を受けながら、宗教学やマクロビオティックへの勉強を重ねることになる。
BeGood Cafe福岡の講演会に出るため、私とアレックスは福岡を訪れた。福岡は彼にとっても私にとっても初めての訪問だったので、ふたりで楽しみにしていた。空港からホテルへ向かう車の中からも、つい街並みをキョロキョロと見てしまう。大都会としては整然とした、秩序とエネルギーに溢れた町、という感じだ。もっといろいろ見て回りたかったが、BeGoodの方とおいしいおそばをお昼にいただき大満足のあと、早速私とアレックスはホテルにこもり明日の準備に入る。
- おいしく、きれいな料理
夜は、BeGoodの方に「エヴァダイニング」というマクロビオティックレストランへご招待いただいた。すべてのお料理は手がかかっていてきれいに、しかもおいしく、九州ならではの美しい焼き物のお皿に盛り付けてあり、アレックスも大変満足したようだった。
公演会当日は、会場ではマクロビオティックベースのナチュラル志向のお弁当屋さんやパン屋さん、本や服などの出店もあり、賑わっていた。興味深かったのは、太陽光線を集めて玄米が炊けるというソーラーシステムの組み立てキット。これからの安全でクリーンなエネルギー源として、ソーラーは見逃せないもの。太陽光線を集めて炊いた玄米の味がどんなものかアレックスは興味津々。
熱源が食材に与える影響は大きいので、マクロではIHや電子レンジの使用はお勧めしていない。そのため、今後の代替エネルギー源として、こんなに手軽なソーラー利用法が一般化されたら素晴らしい。食事をいただくということは、単に食物でお腹を満たすことだけでなくエネルギーをいただくんだ、という捉え方をするのは本来健全な自然食のあり方であると思う。
- 雑穀パン
- 無添加・無農薬のお弁当
講演会には100人弱の方にお集まりいただいた。スライドショーを使っての欧米の食の変化、問題点などを中心とした講演だった。最近の欧米の食の大きな変化を知ることにより、どうすべきなのかを自分の頭で考え、出来ることから行動を起こすきっかけになっていただければ有難い。時間の関係で、それぞれのトピックに深く突っ込んだ説明ができなかったのが残念だった。
- レクチャー
- 会場内風景