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ECOlonie/フランス

ECOlonieって、どんなとこ?

現在、大学4年生の永井藍子さんは、2005年10月から半年間、大学を休学して、フランス、スイス、イタリア、ドイツ、計4か国8か所のエコビレッジで生活していました。彼女の目を通した、“持続可能な社会”を目指すエコビレッジの実情を毎週ご紹介します。

私が最初に訪れたエコビレッジは、フランス北東部にある「ECOlonie」。『環境goo』というサイトで、日本人女性のECOlonie訪問体験記を読み、ここなら大丈夫だろうと選んだのだ。ちなみに、その後の予定は、『EUROTOPIA』というガイドブックに目を通した程度で、ほとんど立っていなかった。

パリから列車に揺られて数時間、ヴィッテル(Vittel)というミネラルウォーターで有名な街に到着。駅にはECOlonie代表のヘンキョンさん(オランダ人)が迎えに来てくれていた。車で田舎道を抜けて、“ECOlonie”という看板が立つ門をくぐると、カラフルな建物が見えてきた。

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緑豊かなECOlonie

1989年に設立されたECOlonieの前身は、炭鉱で働く人々やその家族が宿泊するための施設。そこへ生態系に配慮したシンプルな生活に関心をもった人たちが集まり、長い間放置されていた古い建物を修復して住み始めたのだ。意外にも、中心となったのは、フランス人ではなく、オランダ人。「オランダは狭すぎて、こういったことができない」というのが理由らしい。

もとの施設はフランス語で“Colonie de Vacances”と呼ばれていたため、彼らのコンセプトである“ECO”という言葉をつなぎ合わせ、「ECOlonie」と名づけた。「“ECO”はもともとギリシャ語で“Home”を意味する“Oikos”という言葉から派生してできた言葉で、“Ecology”とは、人々が家や自然の中で創造的な活動を発見すること。つまり、“ECOlonie”では伝導性のある雰囲気を作り出し、また多様な活動を提供することにより、多面的な人間たちが共存する夢の実現を目指しているんだ」とスタッフに教えてもらった。

敷地内には、“シャトー(城)”と呼ばれるゲストの宿泊棟、スタッフとボランティアが住む建物、ショップ、気功、ヨガ、精神世界といった本が読めるライブラリー、インターネットができる情報室、ビデオルーム、野菜畑、ハーブ畑、庭にはコンポストトイレ(排泄物を堆肥化させるトイレ)や池もある。

メンバーは10名で、畑担当、ゲストハウス担当、建物修理担当など、経歴や経験により役割担当が決まっている。ボランティアは年中受け入れているが仕事は少なく、メンバーたちが帰省する1月には、コミュニティは閉じられる。

(次回につづく)

宿泊棟の”シャトー”