ドイツ、フライブルクが世界有数の環境都市といわれる所以は?
ドイツにある環境都市フライブルクで、リボーン主催の エコツアーに参加した野中愛さん。1週間という短い間に、日本では味わえない、目からウロコな貴重な経験をたくさんしたという彼女に、全4回にわたり、その感動体験を綴っていただきます。
環境都市ドイツ「フライブルク」。私はこのツアーに出会うまでフライブルクのことを全く知りませんでした。環境については少なからず意識があったものの、特に何かをしているわけではなく、ツアーのメンバーと初めて会った時に、「どんな思いでこのツアーに参加したのかな?」と、みんなの会話を耳をダンボにして聞いていたことが思い出されます。
- 街を見おろしながら休憩(磯野よう子さん提供)
では、まずは、フライブルクが環境都市といわれる所以からご紹介といきましょう。フライブルクに隣接した地域で原子力発電所の建設が予定された時に、町をあげて反対運動が起こり、建設を阻止したことがきっかけで、市民と行政での環境保護活動が積極的に取り組まれるようになったそうです。そして、フライブルクが各国から注目されるようになっていきました。
フライブルクの第一印象は、町の中の緑とあらゆる所に見られるソーラーパネルの多さ。緑といっても小さな植木や花ではなく、立派な大きな木が繁華街のど真ん中でも見ることができます。どうしたらこんな環境を作ることが可能なの?実は、木が中心の町作りが行われていたのです。町を開拓するために邪魔な木を切ってしまうのではなく、まず、木の位置を念頭におき、木の邪魔にならないように町が設計されていく。屋根の上にも緑化計画がされ、種が植えられています。地面もすべてをコンクリートにはせずに、雨水の浸透性を高めるような工夫も施されていました。
- 緑に囲まれた公園(斉藤玲子さん提供)
「フライブルク・サッカースタジアム」にも見学に行きました。このスタジアムの電力はソーラー、風力、水力によって作られています。1000?のスタジアムの屋根には、11年前、市民に出資を募り、ソーラーパネルが設置されました。市民たちはソーラーパネルがどれくらい電力発電されているかを、スタジアムに設置されたメーターで見ることもできます。しかし、ソーラーパネルがあまり知られていなかった11年前に、市民への出資以外にどうやって資金を調達したのでしょうか?それは人気の高かったサッカーと結びつけたマーケティング方法に秘策がありました。
当時購入が困難だった年間シートを増やしたり、共同購入を可能にすることで個人への出費を減らしたのです。また、チケットに当日の公共交通乗り放題券をつけて、集客へとつなげていきました。もちろん、これは、車の排気ガスによる環境汚染の防止にもつながっていき、一挙両得となったわけです。
ちなみに、ソーラーパネルは、ビルの壁、駐車場の壁と屋根、住宅地の屋根など、いろんな所で目にすることができます。フライブルクの町を歩いているだけで、人々の環境に対する関心の高さを実感しました。(つづく)
- ソーラーパネルのビル群(斉藤玲子さん提供)
【最新エコツアー情報】
ロハスな暮らしと自然を体験する旅
“ニュージーランド体験エコツアー5日間”
南半球の「白く長い雲のたなびく国」ニュージーランドでロハスな体験をしませんか。
●旅行期間:8月23日(水)〜27日(日)、9月13日(水)〜17日(日)の5日間
●旅行代金:7月148,000円、8・9月178,000円
●募集人数:15名(最少催行人数 6名)
●協力:環境goo /大手町カフェ/ NPO法人アースデイマネー・アソシエーション/グリーンピースジャパン
●賛同:ニュージーランド政府観光局/ニュージーランド航空
第3回 「リンカランの森」植林体験ツアー
インドネシアは1997〜98年大森林火災に襲われました。九州と四国を足した面積以上の熱帯林が消失し、オランウータンなどの動物たちは住み処を失ったのです。そんな中、2004年から植林を通じて、「リンカランの森」づくりがスタートしました。オランウータンや野生生物の保護だけに留まらず、森林再生のきっかけになることを願っています。
●旅行期間:2006年9月2日(土)〜6日(水)5日間
●旅行代金:178,000円
●募集人数:15名(最少催行人数8名)
●協力:(株)ソニー・マガジンズ/(株)ビーボ・コーポレーション/ NPOエコロジー・オンライン/NPOアジア植林友好協会/ NPOボルネオ・オランウータン・サバイバル・ファウンデーション日本
第4回 マレーシア ボルネオ島体験エコツアー<ホームステイ・プログラム>
このプログラムは、河川の流域付近の一般的に不毛で価値の低いと思われている湿地帯周辺に植林を行うことで、豊かな自然を観光資源とした地元住民の経済的自立・環境保全を目的とした今までにはないツアーです。ホームステイプログラムは、地元少数民族の伝統的なライフスタイルを体験したり、豊かな自然・動植物の美しさを堪能しながら地元に利益を還元できる、最も分かりやすいエコツアーです。
●旅行期間:2006年9月15日(金)〜22日(木)8日間 (予定)
●旅行代金:170,000円
●募集人数:30名(最少催行人数 15名)
●協力:WWF世界自然保護基金 (マレーシア・日本)
第2回 中国雲南省エコツアー2006
〜エネルギーの「懐かしい未来」に向けて〜
中国雲南省の農村部では、家畜の糞尿を発酵させ“バイオガス”として利用する農家が150万軒あり、バイオガスの利用によって衛生状態の改善、エネルギーの自給、有機肥料の活用ができるなど農家に大きな利益をもたらしています。そしてこのたび、このような農村部の様子に新たな魅力を感じた自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)が、日本の人々にもこうした現実を体感してもらおうとツアーを企画しました。
●旅行期間:2006年10月17日(火)〜23日(月)7日間
●参加費:会員195,000円(同行人数20名以上の場合は割引あり)/非会員198,000円
ドイツ・フライブルク 体験エコツアー
ドイツの環境首都といわれるフライブルクはエコライフの先端都市として、新しい驚きと発見を体験させてくれます。古き良き日本にあった生活の匂いをほのかに嗅ぎ、人にやさしい暮らしの残像を垣間見ることがあります。都市と農村のふたつの暮らしを体験することで、目の覚めるような感動を味わうことができるでしょう。
●旅行期間:2006年11月1日(水)〜11月7日(火) 7日間
●旅行代金:310,000円 (現地集合の場合 200,000円 )
●募集人数:15名(最少催行人数8名)
●協力:NPOエコロジーオンライン
エコツアーに関するお問い合わせやお申し込みはリボーンまで。