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「完璧な人はいないから、互いに助け合えるように」U2plusが描く、うつ病のひとを支えるためのコミュニティ「airpit」 [CAMPFIRE]

Some rights reserved by Mohammed Alnaser

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うつ病についての知識、みなさんはどれくらい持っていますか?うつ病とは、不安、焦燥、精神活動の低下。食欲も低下しますし、不眠症なども特徴とする精神疾患です。WHOの調べでは、世界全体では約1億2千万人のうつ病患者がおり、日本だけでも100万人を超えるうつ病患者が存在します。

以前、greenz.jpで紹介した「U2plus」は、そんなうつ病患者の方が生きやすい社会、うつ病を患ってしまう人がいなくなるような社会づくりを目指して活動を行なっています。今回はU2plus代表の東藤さんにインタビューを行い、U2plusの活動についてお話を伺いました。

airpit
U2plus 東藤さん

元気だと思っていたのに、急にうつ病になってしまった、だけど治療法はわからない。知り合いがうつ病になってしまったけれど、どう接したらいいのかわからない。うつ病だと判明すると、社会からの目が冷たくなる。そんな声がうつ病患者やその関係者の方から、そんな話をよく耳にすると、東藤さんはおっしゃいます。

うつ病患者の症状を軽くするためのサービス

東藤さんがまず立ち上げたのが、現在でもメインサービスである「U2plus」。うつ病の患者にとって、うつ病治療にカウンセリングを受けに行くことはまだ一般的ではないため、インターネットを用いて低価格、かつ集団認知行動療法を施そうというアプローチをしています。

u2plus

うつ病の知識を伝えるための知識箱

うつ病には治療法以外にも、うつ病に対する人々の知識、理解が不足しているという問題もあります。その問題を解決するために作られたサービスが「うつペディア」。

うつペディア

うつペディアは、みんなで作るうつ情報wiki事典。自立支援や傷病手当の情報、恋人とのつきあいや気分がひどく沈んでしまった際の対処法などをワンストップで調べることができます。その名前の通り、Wikipediaのように誰でも編集できるようになっているので、誰でも書き込むことが可能です。

うつ病を支える人をサポートしたい

うつ病患者を支援するサービス、うつ病の知識を伝えるためのサービスを作ってきたU2plus。次はうつ病患者を支える家族や恋人、友人の人々を支えるためのサポートコミュニティを作ろうとしています。

現在、CAMPFIREでプロジェクトを掲載しており、資金調達を行なっています。このサービスの説明に関してはこちらの映像をご覧ください。

現代は、うつ病の人が大変暮らしにくい社会となっています。私たちは、微力ながらうつ病の人が生きやすい社会をつくろうと活動を行なっています。うつ病の人が暮らしやすい社会は、患者以外の方にとって暮らしやすい社会、人が弱っているときに手を差し伸べ支えあう社会になるはずです。人は決して完璧ではありません。どこかに弱さがあり、それは受容されるべきなのではないでしょうか。

これは甘えていいというわけではありません。自ら選んだ道であれば、障害があろうとそれを乗り越えるために立ち向かわなくてはいけないと私は思います。ただ、個人ではどうしようもない規模の困難が身に降り掛かったとき、その困難には個人だけではなく、支えあって乗り越えていくべきだと思います。

airpit2

弱まっているとき、困難な状況に直面することは誰しもあります。そんなとき、相手に完璧さを求めすぎず、互いに互いに助け合い、支えあっていくこと。それがうつ病を減らしていくためには必要なことなのではないでしょうか。

都市に暮らす人びとの関係の希薄さが問題視され、コミュニティが見直されたり、シェアハウスやコワーキングスペースなどが注目を集めていることと同じ文脈で、うつ病という問題も捉えることができるかもしれません。

うつ病に対して、どう関わっていけばいいのかわからないという方は、まず身近にいる人との関係を見つめなおし、紡いでいくことを大切にしてほしいと思います。

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