2011年1月から大規模な反政府デモが行われ、緊張が続いていたエジプトは、2月11日、ついに、ムバラク大統領が辞任し、約30年にわたる長期独裁政権にピリオドが打たれました。一連の反政府デモでは、治安当局との武力衝突なども発生し、日本ではとかく、この面ばかりがセンセーショナルに伝えられていますが、この一方で、大規模デモの舞台となったタハリール広場(Tahrir Square)周辺では、一般市民が、ボランティアで清掃活動に取り組んでいたそうです。
以下の動画は、「TheDailyNewsEgypt」が報じたもの。大規模デモの後、ゴミや瓦礫、石などが散乱し、すっかり荒れてしまった街で、多くの市民が、道を水でキレイに洗い流しています。洋服に「To Keep Egypt Clean(エジプトをキレイな国に)」というメッセージをつけて、キレイな街づくりを訴えながら、ゴミをひとつひとつ、丁寧に拾って歩く人々の姿も見られます。
清掃活動に参加した市民の一人は、取材インタビューで、こう語っています。
私たちは、自分の国エジプトを「掃除」しているんです。だって、この国は、誰のものでもない、自分たちのものなのですから。
自国への誇りとともに、「自分たちの国を、自分たちの力でよりよいものにしていこう」という意識の高まりが、荒れた街を自主的に掃除するというボランティアアクションへと導いたのでしょう。ゴミだらけになった街が次第にキレイになっていくように、一人ひとりの取り組みが、やがてよりよい社会へとつながる…。そんなポジティブな未来を予感させてくれるニュースですね。
[via GOOD]