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今こそ家で味噌づくり!混ぜよう、自分とつながる手前味噌。

お味噌汁を一口すすったときの安堵感。思わず「あ〜、ホッとする」と言葉にしたくなるあの気持ちは、きっと多くの方が共感してくれるのではないでしょうか。

味噌という発酵食品は、平安時代の書物にも登場するほど長く日本の食に存在していて、味噌の好みやこだわり、思い入れなども実に様々ですよね。数十年前までは遠く離れた土地から素材を運ぶことなどもせず、基本的には地元の素材が使われていたこともあって、地域ごとの特徴も色濃く残っています。

手前味噌(てまえみそ)」とは、自分で自分を褒めたり良く言うことを意味する表現で、自家製味噌のおいしさを競ったことが語源なんだとか。きっと昔の日本には「ウチの味噌の方がおいしいよ!」と話す自称・味噌名人がたくさんいたんだろうと想像すると、なんとも愛おしくなりますね。

みなさんの中には、味噌を「つくったことない」という方から、「毎年つくってるよ」という方まで幅広くいるでしょうし、さらにその中でも、どのくらいの量を、どんな風に、また、素材の種類は、割合は、季節は、といった具合に、とにかく手前味噌とは多様性があるものです。

仕込み自体が楽しいアクティビティであり、かつ、仕上がりは市販品の味噌とは全く異なる格別なおいしさ。初めての人はまずやってみることから、そして、味噌ベテランさんは違うつくり方をしてみるなど、あなたならではの手前味噌を楽しんでみましょう。

まずは事前準備

味噌について知る

基本的な材料は大豆、塩、麹です。麹の種類によって米味噌、麦味噌、豆味噌といった違いがあり、材料の割合によって甘口から辛口まで仕上がりは様々。地域に伝わる特徴や、海外の味噌など、まずは味噌の情報を深めることも楽しい第一歩です。

どんな味噌を、どのくらいの量つくるか決める

どんな材料の割合にしようか? また仕上がりの総量はどのくらいがほしいか? など計画してみましょう。

また、大豆を潰す前に、煮る時間がかかります。所要時間を逆算しながら予定を立てるといいでしょう。

必要な材料と道具を揃える

原材料はどこで買おうか、また、なるべく手持ちの道具でできるように、必要な道具を確認しておきましょう。

※下記は一例として、一般的な塩分濃度の味噌を仕上がり6キロ分つくる材料を記載しています。
(お味噌汁のお椀1杯に必要な味噌が平均15〜17gといわれているので、毎日1杯のお味噌汁を飲むとして16g×365日=5,840gの消費量。)

※参考:中辛の麹味噌 6キロ分の材料
・大豆 1300g
・麹 2000g(目安は大豆の1.5倍)
・塩 750g(目安は塩分濃度12〜13%)

※参考:準備する道具
・大豆を煮るための鍋や圧力鍋
・材料を混ぜるときの大きめのボウルや容器(大きいビニール袋で代用可能)、
・大豆をつぶすときのボウルやマッシャー、すり鉢、ミンサーなど(大きいビニール袋で代用可能。潰す力がかかるので漬物用などの厚手のものが良い)
・味噌を熟成させる(陶器、琺瑯、ガラスなど塩分に強い素材の)容器。
・熟成期間中の中蓋(熟成期間中、味噌が空気に触れないようにするもの。ラップ/和紙/酒粕/熟成味噌など、事前に調べて決めておく)や重し(漬物用の石やお皿などでも)
・その他ふきんやエプロンなど

前日にする準備

大豆を浸水させる

乾燥大豆は火を入れる前にお水につけて戻します。まずはお水の中で、軽くこすりあわせるようにして汚れを落とします(きれいに見えるのですが割と汚れがあるのでお水を替えながらきれいにしましょう)

大豆は水を吸うと3倍近くまで大きくなるので、たっぷりの水に浸します。目安としては16〜18時間。長いように思うかもしれませんが、このとき芯が残ったままだと火が通りにくくなるので、大豆を割ってみて芯まで水を吸っていることをチェックします。

当日の手順

さぁいよいよ手前味噌をつくりましょう。

1)大豆を煮る

新しいお水でひたひたにして火にかけます。大鍋でコトコト煮る場合、豆が水面から顔を出さないよう蒸発した分のお湯を足しながらする約3〜4時間(圧力鍋なら種類と量によって6〜7分)が目安。

大豆を親指と小指でつまんで力を入れなくても潰れるくらい柔らかく仕上がるまでしっかり火を入れるのが大事です。このときの煮汁は捨てずに取っておきましょう。

2)麹と塩を混ぜる

大きめの容器を使い、麹と塩を混ぜ合わせましょう。(この工程を塩きり、と言います)両手で軽く揉み込むようにして麹が少ししっとりするくらいが目安です。

3)大豆をつぶす

煮た大豆をザルなどでこして(煮汁は捨てない)マッシャーや豆ミンサーなど事前に用意した道具でつぶしましょう。厚手で丈夫なビニール袋を使う場合は、袋の上から麺棒やワインの空き瓶を転がしたり、袋の上から踏むなど好きな方法でOK。大豆の粒があまり大きいまま残らないようにします。

4)塩きり麹と大豆を混ぜ合わせる

ここまできたらもう一息! 2)の塩きり麹と 3)の大豆を満遍なく混ぜ合わせましょう。このとき大豆が硬くて混ざりにくい場合は、少しずつ煮汁を足して、耳たぶくらいのやわらかさにします。(柔らかさの目安は仕上がった味噌の柔らかさよりもちょっと固めくらい。塩分濃度が変わりすぎると保存性が変わるので煮汁の足しすぎには注意)

家族で一緒に仕込む場合はあっという間。また仲間と集まれるときを楽しみに。©Hiroshi Chandra Sugihara

5)団子状にまるめて保存容器に詰める

混ぜたものを一旦ボール状の団子にします。大人ならソフトボールくらいの大きさを目安に全量を丸め、保存容器の底をめがけてポンポン投げつけながら入れるのがポイント。長期熟成中にカビないよう、素材の中から空気を抜くためです。容器の一面に投げ入れたら手で平らにならしてから、また次の味噌団子を投げ入れます。容量には余裕を持たせつつ全てのを容器に収めましょう。

6)中蓋と重しをする

熟成味噌、酒粕、焼酎を含ませたガーゼや和紙など、中蓋は味噌の表面が空気に触れないようにしてカビを防ぎます。重しはなくてもできますが、あると「たまり」と呼ばれる水分が上がりやすくなり、水分があがることでさらにカビを防げますので、重しをするなら最大でも総量の3割くらいまでを目安に用意しましょう。

甕(かめ)に味噌を入れて表面をならし、前年の味噌を1cmほど被せて蓋をしてから、焼酎を染み込ませた和紙で空気を遮断。味噌の代わりに酒粕、和紙の代わりにラップなど、合うものを活用しよう。(画像提供:筆者)

7)容器の蓋をして熟成へ!

熟成期間は10ヶ月〜1年ほど、直射日光が当たらない場所で容器を保存しましょう。(途中で中身をひっくり返す「天地返し」はしなくてもおいしくできる)環境によっては虫などの侵入を防ぐために全体や蓋の周りと布や新聞紙で覆うなど工夫するのも大切です。

以上が一般的な味噌のつくり方でした。少ない量ならジップ袋で仕込む人もいるかもしれませんし、麹の分量を多めにした白味噌は熟成が早かったり、大豆ではなくヒヨコ豆を使う人は事前の準備時間も変わります。事前にどんな味噌をどうつくりたいかを計画しておきましょう。

同じ甕(かめ)の1年後。和紙や上の味噌を取り(これもおいしく食べられるので捨てずに活かそう)表面をなじませた後。フレッシュ感のある香ばしさ。(画像提供:筆者)

仕込み後のお楽しみ

・大豆の煮汁は、栄養やうまみが出たおいしいダシ汁です。この煮汁を使った水炊きなど鍋料理をすると最高においしく楽しめますよ。ただ、煮汁は傷みやすくもあるので翌日までには使いきりましょう。

・味噌は同じ材料でも熟成環境によって仕上がりの味が違うのもの。完成後、みんなで集まれる状況の場合は是非、それぞれの手前味噌を持ち寄って味わう会をしてみましょうか。キュウリやキャベツなど野菜につけたり、納豆に入れる醤油の代わりに生味噌を使うなど、まずは少しずつ生のまま味わってみましょう。

・手づくり味噌は、お椀の中で直接お湯で溶かしただけでおいしいお味噌汁になります。つまり究極のインスタント食品!長い歴史の中で継承されてきた食文化を、今こそ、実践してみましょう。

(画像提供: 藤井麗美)

(取材: NPO法人トランジション・ジャパン)