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備えは万全? いざという時に役立つ「湯せん調理」のポイント

台風15号など、2019年の夏もまた各地で災害が起きてしまいました。greenz peopleや読者にも被害にあわれた方、停電や断水など不便な思いをされた方、被災地への支援活動などに関わられた方もいらっしゃるかと思います。

いつどこで起きるかわからない自然災害。世界中で気候変動の危機とその対策を求めた声が大きくなる中、ご自宅における緊急時対策は十分にされていますか?

今回は、料理家であり、ご自身も1995年の阪神・淡路大震災で被災経験のある防災クッキングアドバイザーの鈴木佳世子さんに災害時の食についてうかがいました。

備蓄の目安は一週間分。

 
備蓄量の目安は「家族が一週間食べられる量」と話す鈴木さん。缶詰やレトルトを買っておくことだけでなく、普段の食事にも防災食にも活かせる食材を買い置きするのがポイントだとか。

一番のオススメは「乾物」で、お米や餅や乾麺のほか、切り干し大根、お麩、雑穀、クスクス、海藻、椎茸といった常温で長期保存ができ、栄養が摂れて、そのままでも食べられるもの。味噌や醤油といった発酵調味料も同じですね。これらを日頃から活用することで、万が一被災した場合も食べ慣れている食材で一週間は困らないことを目安に確保しておきましょう。

また「温かいものを食べることで精神的に落ち着く」と鈴木さんが教えてくれたのが、湯せん調理。電気やガスが止まっても、カセットコンロなどでお湯が沸かせる場合に有効的です。

「湯せん調理」で食事をつくる

緊急時を想定し、そのとき自宅にあるものだけを使って、湯せん調理だけで食事をつくる練習をしておきましょう。

ビニール袋の耐熱温度をチェック

環境活動のため普段からプラスチックフリーを心掛ける方も多いかもしれませんが、緊急時においては、衛生面や食品分配など何かと役立つのが厚手のビニール袋です。特に湯せん調理では高温のお湯に浸けるので耐熱温度110〜140度ほどのものを避難バッグに入れておきましょう。(口にジップがあるプラスチック袋は意外にも耐熱性がないことが多いので要チェックです)

まずはご飯。

炊きたてのご飯は心を落ち着かせてくれるものです。ビニール袋に米1合と水200ccを入れ、袋の空気を抜いてから、やや上のほうをしっかり閉じます。計量カップがない場合は、お米の量の1〜2割増が水量の目安と覚えておきましょう。炊飯時間は熱湯の中に約20分、火を止めてお湯の中でもう20分寝かせればOK。

袋の中に具を入れたり、水分に出汁や醤油、トマトジュースやお茶を活用して炊くことも可能。残りご飯は袋ごとおにぎりにするなど。

おかずの具は火の通り方を考える。

湯せん調理は途中で開けて具材の様子を見ることがむつかしいため、具材はサイズを揃えたり、若干小さめに切るなどし、火が均等に入る工夫を。この日は鯖の水煮缶を使いましたが、魚や豆などの缶詰をうまく活用すると食にボリュームが出ます。ご飯と同様に空気を抜いてビニール袋を熱湯に沈めたら、加熱の目安は15〜20分ほど。

この日は鯖とじゃがいもの煮物。じゃがいもは小さめに切り、水煮缶の煮汁ごと袋に入れ、醤油、みりん、刻み生姜などを加えて袋の中でよく和える。空気を抜いて閉じたら熱湯の中へ。ハンバーグやオムライスなどをつくる場合もビニール袋の中で混ぜたら袋の中で成形し、熱湯へ。

ビニール袋が鍋に触れないように要注意

耐熱温度が高いとはいえ、熱湯がぐらつく鍋にそのままビニール袋も沈めると加熱中に溶けだします。必ず鍋底に耐熱のお皿やシリコン容器など、耐熱のものを使って、ビニール袋が鍋底や鍋肌に触れて加熱されないように工夫しましょう。

保温機能のあるアイテムを活用

食材によっては余熱を活かして、鍋ごと保温バッグや発泡スチロールに入れたり、フリースジャケットや毛布で包むなどして余熱を利用しましょう。また、保温効果の高い水筒やスープジャーも大変便利です。豆や米を入れて熱湯を注いで蓋をし、毛布で包むなど外気からの保温もしっかりしておくと、お米は2〜3時間でお粥に、豆なら一晩(7〜8時間)で煮豆ができます。

湯せん調理はビニール袋をしっかり閉じることで、飲料用には適さない水しかない場合でも、調理自体を可能にします。予想しづらい自然災害だからこそ、各自が意識し、いざという時は助け合う。平時のうちから家族や身近な人たちと共に備えておきましょう。