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目の前に食べられない子どもがいるのに、食べ物が捨てられている。アメリカ発、小学校が非営利団体とタッグを組んで配り始めた食のバックパックとは?

まだ食べられるのに、食品が廃棄されてしまう「フードロス」。
日本でどれくらいの食べものが廃棄されているか、あなたは知っていますか?

政府広報オンラインによると、なんとその量年間632万トン!

この量は、実は世界の食料援助量320万トンの約2倍にものぼります。 世界中で援助された食料の2倍の量を日本国内だけで廃棄しているんですね。

食べられない人がいるのに、その一方でたくさんの食べものが捨てられている。私たちはどうしたらいいのでしょう?

このギャップをうめるために始まっている活動を今日はご紹介したいと思います。

活動の舞台は、アメリカのインディアナ州にあるElkhart Community SchoolsWoodland Elementary。この学校は、地域の非営利団体「Cultivate」と協力して、学校のカフェテリアで残った料理を、恵まれない生徒たちのために、パッケージにして配ることをはじめたのです。

この学校で学生サービスとして働く、Natalie Bickel(以下、ナタリーさん)は言います。

ナタリーさん Elkhart Community Schoolsで、私たちはたくさんの食べものを無駄にしていました。そんななか、「Cultivate」は週に3回学校にやって来て、食べものを救ったんです。

学校では、カフェテリアで朝食と昼食が生徒たちに提供されています。そのカフェテリアでは、余った食品がたくさん廃棄されていました。その一方で、家庭の事情で、週末に家で食べるものがほとんどない生徒たちがいたのです。

そこで「Cultivate」は、週3回、学校のカフェテリアで余ってしまった食料を受け取ることに。食材はシェフ、地元の仕出し業者、病院、企業から「救出」してきたほかの食べものと栄養バランスを考えて組み合わせて、鮮度を保つために冷凍して、週末食べるための8食分の食事をバックパックにつめるのです。

スタッフとボランティアのグループが「救出」された食事を栄養バランスを考えてまとめます。使われているのは、リサイクル可能な容器なのだそう!

8食分の冷凍された食べ物がつまったバックパックを背負う生徒たち。重そうですね。

凍った食事でいっぱいのバックパックを受け取った20人の生徒は、週末には朝食にフレンチトーストや赤いベルベットマカデミアナッツパンケーキ、ランチには、骨付きの肉とホットドッグを食べることができました。

ナタリーさん このプログラムを始めることをカフェテリアのスタッフに発表したとき、彼らは立ちあがって拍手しました。

残りものは彼らが毎日処分してきたものです。彼らにとって空腹の子どもたちを見ているのに、余分な食べ物をたくさん捨てていることは本当につらいことだったのです。

「Cultivate」の取り組みは、他の学校にも広がっています。すでに、インディアナ州サウスベンドにある「Madison STEAM Academy」で、学校給食プログラムを開始し、地元のイベントスペースやケータリングサービス、大学などと協力し、100人の学生に週末の食事を提供しています。

「Cultivate」代表のJim Conklin(以下、ジムさん)はこう話します。

ジムさん 私たちの目標は、おなかがすいている子どもたちを養うことです。学業、行動、または出席率にかかわらず、学校の業績が向上することを望んでいます。

こうしたフードロスを解決するための活動は、日本でも広がり始めていますが、高温多湿で食べ物が傷みやすい日本において、「Elkhart Community Schools」のようなプロジェクトを行うには、食中毒など衛生的に壁はあるかもしれません。

けれど、日本でできることはきっとまだあるはず。なぜなら、日本のフードロスのおよそ半数は、家庭で発生していると言われているからです。私たちに今できることは、自分たちの毎日の食事をもう一度見つめなおしてみることかもしれませんね。

[via WAM NET, good is, washingtonpost, foxnews, tanksgoodnews, ethical-leaf.com, doggybag-japan]

(Text: 荒田詩乃)