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出会い系アプリが必要なのは人間だけじゃない? 牛のためのマッチングアプリ「Tudder」がイギリスで広がっている!!

デート相手や恋人を探すマッチングアプリとして世界中で使われている、「Tinder」。

「理想の相手をアプリで探すこと」に抵抗がなくなってきた近年、他の業界でもこの仕組みは応用され、求人業界のTinder「“Teamable”」、 ビジネス業界のTinder「“yenta”」などが生まれています。

そんななか、ついに(?)アニマル界のTinderが現れました。その名も、「Tudder」。

イギリスのHectare Agritech(ヘクタール・アグリテック)社によって、2019年2月14日のバレンタインデーに合わせてリリースされたこのアプリには、自分の家畜と繁殖をさせる牛を、簡単かつ豊富な情報をもって探すことができる機能があります。

使い方は、人間の「Tinder」とほぼ同じ。探しているのがオスかメスかを選んだら、牛の写真と情報を見て「はい」「いいえ」で仕分けをしていく簡単な仕組みです。情報の欄では、その牛の体格や血統、乳牛であればミルクの量やタンパク質の量などを見ることができます。

「はい」と右にスワイプすると、「モウ〜っ」と牛の鳴き声が。遊び心に親近感が持てます。

ポップな見た目でおちゃめな仕掛けもある「Tudder」ですが、実は畜産農家の効率化に大きく貢献しているのです。その理由は、「Tudder」で気に入った牛を見つけたら、実際に購入できる仕組みにあります。

「Tudder」を開発したHectare Agritech社は、家畜の売買を行えるプラットフォーム「SellMyLivestock」も運営しており、それと「Tudder」を連携させています。そのため理想の牛を探すところから購入まで、ウェブ上で行うことができるのです。

家畜の売買ができる「SellMyLivestock」。イギリス国内の農家およそ5万弱に利用されています

従来、畜産において繁殖雌牛と雄をマッチングさせる作業には、非常に時間と労力がかかっていました。市場に牛を運び、気になる牛を一頭一頭見て回ることが必要だったのです。それは長距離移動のため牛たちへのストレスもかかりますし、何より畜産農家たちは何日間も牧場を離れないといけないのだと言います。

「Tudder」を使っている畜産農家のJames Bridgerさんは、「Tudder」によって牛と農家のストレスは軽減するだろうと語ります。

市場で牛たちを見て回る時に、「Tudder」で見られるほどの情報を手に入れることは難しいです。それにアプリ上で見る牛たちの写真は、牧場やいつもの生息地にいてリラックスしており、貨物車で運ばれてきた牛たちの状態より自然だし、本当の姿と言えると思います。

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既存サービスの応用が地域課題を解決していく?

すでに、イギリス国内では4万2千もの農場で導入されている「Tudder」。

「Tudder」がここまで多くの農家に受け入れられるアプリとなった要因は、既存サービスの応用と、畜産農家の課題を解決したいという想いにあるような気がします。その結果、世代やテクノロジーのハードルを超えて、課題解決のためのツールとして受け入れられたのです。

こういった例は、実は日本でも見られます。例えば、「Airbnb」などに始まったシェアリングサービスの仕組み。これらは「TIMES CAR PLUS」などのカーシェアリングサービスに発展し、さらに地域の課題解決へも活用されています。

宮城県石巻で日本カーシェアリング協会によって行われている「コミュニティ・カーシェアリング」は、運転ができなくなったお年寄りが買い物や通院に困るという課題に対し、運転のできる住民がチームを組み、1台の車をシェアしながらお年寄りをサポートするというもの。「複数の人で車をシェアする」という仕組みを応用し、車依存度の高い地域の課題解決ツールとして受け入れられているのです。

多くの人を巻き込んでいるサービスやモノには、人々の課題に対してのアプローチがあるはず。そのアプローチの中にある仕組みにフォーカスを当ててみると、他の分野に応用できるヒントが隠されているかもしれませんね。

あなたの使っているサービスも、ひょっとしたら他の産業や地域にある課題を解決するアイデアに応用できるかもしれませんよ。

[via the guardian, huffington post]

(Text: 森野日菜子)