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なぜ、greenz.jpは「いかしあうつながり」という言葉に行き着いたのか? そのルーツをたどる、ソーヤー海さん × 鈴木菜央対談(前編)

いかしあうつながり

そう言われて、ピンと来る人は少ないかもしれません。
実のところ、greenz.jpの記事をつくっている私たちにも、”いかしあうつながり”とはどんなものなのか、まだはっきりとは見えていない部分もあります。

そこで、読者のみなさんといっしょに考えていきたいとスタートしたのが、特集「いかしあうつながり」ってなんだろう?です。

greenz.jpが、「社会はデザインできる」という考え方である「ソーシャルデザイン」という言葉を使い始めたのは2009年ごろのことでした。この数年の間に、「ソーシャルデザイン」という概念が世の中に広まったという手応えを私たちは感じています。ところが

実践者が増えてきたこと自体は大変喜ばしいことですし、僕は彼らの活動を心から応援しています。けれどそのなかで主に4つの点から、徐々に危機感をおぼえ始めているのです。

と編集長の鈴木菜央は言います。

ひとつめは、ソーシャルデザインの実践者たち自身の、心にまつわる話です。

ソーシャルデザイン領域で何かを成し遂げる人は、つい家族と自分をないがしろにして、社会課題の解決や目指す未来づくりへ邁進する人が多い印象です。僕はこれを「幸せのドーナツ化現象」と呼んでいます。僕がまさにそれでした。

ふたつ目は、ソーシャルデザインが、一部の人のものにとどまっている現状の限界です。

「ソーシャルデザインに取り組むのは、余裕がある人。僕にはできない」「ソーシャルデザインには、凄まじい努力が必要。ましてやそれで食べていこうなんて、恵まれた人か、超人じゃないと無理」などのコメントを年に数回以上はもらいます。いつのまにか、ソーシャルデザインは一部の人のものになってしまったのかもしれません。

3つ目は、「対症療法的ソーシャルデザインの限界」です。

多くのソーシャルデザインがとるアプローチは、社会構造の中に現れている「問題」を取り出し、その問題に対して最短距離で解決策を見出すというものです。それは確かに短期的には効果を出しやすいし、目の前で困っている人がいれば、なんとかすることは当然必要です。でも、ぐーっと引いて、社会全体をマクロの視点で見たときには、そのソーシャルデザインは、対症療法的対応に追われ、「本当の」問題解決につながっていないことも多いのではないでしょうか。

4つ目は、社会、環境問題の進化、深化、複雑化するスピードが、問題解決のスピードよりも大幅に早いという事実です。

greenz.jpでは毎日毎日さまざまな事例を取材し、記事にさせてもらっていますが、日本と世界の現状を見るにつけ、これだけ頑張っている人がいるのに、社会が一向にいい方向に向かない徒労感、絶望感に襲われることも多いです。そして残念ながら、これからはさらに課題が大きく、複雑になっていくでしょう。

そんな問題意識から私たちがたどり着いたのが、「いかしあうつながり」という言葉でした。

イラストレーション:川村若菜

とはいえ、最初にも告白した通り、私たちもまだ”いかしあうつながり“をはっきりとは掴みきれていません。

そこで、その手がかりを読者のみなさんと見つけるべく、鈴木菜央が会いたい人のところへ行って、語り合ってみることにしました。いろんな人との対話を通して、”いかしあうつながり”を浮き彫りにしていこうというのです。

今回ご登場いただくのは、共生革命家のソーヤー海さん
鈴木菜央いわく、”いかしあうつながり”という言葉にたどり着いたのは、ソーヤー海さんからの影響が大きかったとのこと。

それでは、“いかしあうつながり”をめぐる旅に、どうぞおつき合いください。

ソーヤー海(そーやー・かい)
コスタリカでのジャングル生活中にパーマカルチャーと出会い、アメリカでのパーマカルチャー研修を経て「東京アーバンパーマカルチャー」を主催。著書に『都会からはじまる 新しい生き方のデザインURBAN PERMA-CULTURE GUIDE』がある。

戦うのは疲れるし、楽しくない。どうやって人を巻き込んで、仕組みを変えていくか

菜央 今日は「いかしあうつながり」ということを考えていきたいんだけど、greenz.jpとしてこのテーマを追い求めるといいんじゃないかと思ったのは、 実は海くんとの出会いが大きいんだよね。

海くんにパーマカルチャーとの関わりを話してもらえると、「いかしあうつながり」がどんな感じのものか、みんなにも伝わるかと思って。

海さん そうね。パーマカルチャーのことをはじめて知ったのは学生時代。僕は日本とハワイで育ったんだけど、カリフォルニアの大学に入るときに、9.11のテロがあったのね。

菜央 あ、ちょうど9月入学で9.11だったんだ。

海さん そう。そこで自分の価値観が一気に崩れたんだよね。世の中は平和で、みんな中流階級で、それなりにいい暮らしをしているんじゃないかっていう世界観が崩れて、生きることって何なんだろうとか、自分の役割や生きる意味って何なんだろうとか考えるようになった。

やがて反戦運動に参加しはじめ、学生が立ち上げた持続可能な社会づくりの授業に関わるようになって、そこで有機農業と出合い、さらに日本の自然農について勉強し始めたのね。その流れで、有機農業や自然農とつながりのある”パーマカルチャー”っていうのもチラチラ聞くようになった。

菜央 その頃、パーマカルチャーについてはどんな印象だったの?

海さん パーマカルチャーっていう言葉を使う人はすごくパッションがあって、ワクワクしているっていうのが最初の印象だったね。ただ、当時僕はすでに有機農業をやっていたし、次に取り組むとしたらパーマカルチャーじゃなくて自然農かな、って思ってたね。

菜央 そうなんだ。

海さん それから大学を卒業して、持続可能な社会づくりとか生き方をテーマにした授業を僕が運営する側になって。

菜央 大学がつくった授業じゃなくて、自分たちで?

海さん そう。学生が自分たちでお金を集めて、自分たちで構成を練って、ネットワークをつくっていくの。大学の理事会にも入って人間関係を築いて、大学のカリキュラムの中にちゃんと単位を出せる授業をつくっちゃったんだよね。

この活動に関わる学生たちは、協力しあって、どんどん仕組みを変えていこうっていう認識で活動していた。”関係性をデザイン”していたんだよね。その当時、サスティナビリティをテーマにして活動している人たちは「戦うのは疲れるし、楽しくない。だから、どうやって人を巻き込んで、仕組みを変えていくか」っていうことを考えてた。そのプログラムの延長で、大学の電力の契約を変えることにも成功したんだよ。

菜央 大学の電力って巨大だよね。そんなに簡単にできることじゃないでしょ?

海さん 自分たちの授業料を3ドルくらい値上げしていいから、100%自然エネルギー化してくれっていうキャンペーンを数年かけてやった。結果として、2006〜2007年の間に100%自然エネルギー化を実現させたの。関係性をデザインし直すことによって、不可能だったことが可能になって、立場が弱い学生たちも実はすごくパワフルなことができるということが分かるよね。

かつては、権力構造があって、権力の側には資源もお金も武力もあるけど、人数を集めればそれを倒せるっていうパラダイムだった。でも、ごく少人数でも、デザインや仕組み、システムを理解している人たちが上手にテコ入れをすると、仕組み全体が変わっていって、結果として大人数と権力構造が変わっていくっていうことが実際に体験できたんだよね。

自分のOSを”生態系ベース”に変える

海さん それからすごく忙しくなってしまって、持続可能な社会とか生活の授業とかをやっているのに、自分はいつもパソコンの前だったり、ミーティングに追われていたり。いいことをやっているはずなのに、心と体がどんどん疲弊していって、喜びが全然増えない。どこかで根本的にズレてるなというのは感じていたんだけど、何がズレてるのか分からなかった。

かなり活発に活動していて、かなりすごい成果も挙げられるようになっていたけど、その先には何も答えがないっていうのに気づいたんだよね。

当時、授業を受けていた学生のお父さんが、コスタリカのジャングルで農場をやっていて、ガーデンのマネージャーを探しているという話があって、それでコスタリカに行くことになったの。とはいえ、当時、サステナビリティについての知識はたくさんあったけど、ジャングルで暮らせるような知識も技術もない状態で。でも、まあなんとかガーデンくらいはできるかなって。そんなレベルで、大きなリュック1つと小さなリュック1つ、ゴミ袋4つ分の荷物を抱えて、コスタリカのジャングルまで乗り込んだのね。

ジャングルの中には、ガスも電気もないから、料理は薪か太陽光。トイレは森だからどこでしてもいい。それが植物の栄養になって、やがて自分の食べ物になる。そういう自然のサイクルが見えるようになった。それで、自分のOSが変わったんだよね。

菜央 「自分のOSが変わる」ってどういうことだろう?

海さん 僕はそれまで、地球がどういう仕組みなのか知らなかった。人間界については、資本主義の仕組みや、上手にいい成績をとる方法なんかもよく分かっていたけど、”地球”について理解したことはなかったのね。それが、地球ってこういう場所なんだって腑に落ちた。

今までは個別の要素を見ていたけれど、全体のシステムの仕組みを見るようになったって感じかな。”生態系ベースのOS”に変わった。

ジャングルの中で野生のサルと一緒に自然のサイクルで暮らしているようなときに、Bill Mollison(ビル・モリソン)の『Permaculture: A Designers’ Manual(パーマカルチャー―農的暮らしの永久デザイン)』っていう本を読んだの。

何百ページもあるかなりヘビーな本で、パラパラと読むよりは、教科書を読み込む感じ。その本は地球の仕組みについてと、それをどう上手に自分の暮らしに生かすかっていう内容だったんだよね。

物事がどういうデザインになっているのかっていうのをとらえる章もあれば、どうやって雨水を溜めて浄化させていくかとか、どういう果樹をどのように植えると一番いいかが書かれている章もある。そういう生きるために必要なことについて、徹底的に分かりやすい形で教えてくれる本だった。

コスタリカのジャングルで生きながらその本を読んで、「もうパーマカルチャーしかない!」って思ったのが、本当の意味での僕のパーマカルチャーとの出会いだね。

菜央 なるほど。”生態系ベースのOS”って話が出たけど、どうすれば、そこにたどり着けるんだろうか?

海さん 自分のOSを変えるっていっても、自分では気づいていない部分がいっぱいあるから、ひとりで変えるのは難しい。共同体をつくって、ちょっとずつ自分たちの心のなかで、意識を育てていくしかないと思う。

そのための仕組みはいくつかある。エコビレッジとか、ガンディーみたいに非暴力を追求するとか、そういう”心”を育てる仕組みだね。

僕は日々マインドフルネスを実践しているんだけど、マインドフルネスは、自分が個じゃないって感覚になりやすい。今吸っている酸素は森からもらっていて、それが肺の中に入って、だから僕はいま生きているっていう感覚。自分の中に親のクセなんかがDNAとともに入ってきていて、彼らの課題と彼らのギフトが入ってきてる。ああ、つながっているんだな、と思う。そういう、つながりを実感できる仕組みを日々の生活に取り入れてみるといいんじゃないかな。

僕の尊敬する先生には、学生と一緒に瞑想する時間をとる人がいる。非暴力コミュニケーションをやっている仲間たちは、今この瞬間どういう気持ちなのか、どんな悩みがあって、どういう喜びがあるかっていうのをシェアしてから、作業に入る。

菜央 なるほど、いいね。

海さん ただ、そういうのはマンネリ化しやすい。途中で単なる作業になってしまう場合もある。だから常に思い出すことだよね。うちらは何を目的として今ここにいるのかって思い出すこと。

“それをやるって決めたからやる”のではなくて、”今その意図をちゃんと明確にしてからやる”ってことはすごく大事。僕らが今しようとしている大事なことを思い出してからやろうっていうふうに、仕組みをつねにフレッシュにするってことは、活動していてすごく大事だなって思う。

やることがいっぱいあるから、やらないといけないこと以外、やる時間がないってマインドセットになるともう終わりだよね。でも、それが大半の人のOSなんだと思う。

深い幸せは関係性のなかにある

海さん 自分のOSを生態系ベースのものに変えていくと、自然に対して感謝の気持ちが湧いてくるんだよね。畑をやることで、雨が降るから植物が育つことに気づいたり、小鳥のさえずりやカエルの鳴き声のすばらしさに気づいたりもする。それらには経済価値がないけど、無限の喜びが生まれる。

自分は孤立した存在ではなく、壮大な自然の一員として生きていて、自分も美しい花や甘い果物みたいに、世の中に”喜び”として存在したいっていう気持ちになると思う。それが”満たされた状態”なんじゃないかな。今の経済と社会はそれが足りない状態で動いているよね。

菜央 僕は庭にいるとき、一番幸せを感じるな。

海さん 僕もそう。

菜央 どんなに小さくても、”自然とつながる幸せ”はある。プランターとかさ。台所で育てる豆苗とかね。

海さん ニンジンを切って水にさらすだけで芽が出るとかね。

菜央 そうそう。チョキチョキ切ってサラダにしたり。やっぱり、都会の人も結構植物を身の回りに置いているんだよね。どこか自然とつながりたいという感覚は失われない部分だと思うのね。

菜央 僕は“深い幸せ”って関係性のなかにあると思う。庭に虫がいて、それを食べる動物がいて、たまに動物の死骸が落ちていたりして、それを微生物が分解して。そういう大きなつながり。

季節によって違う太陽の角度とか、いろんな雨が降ったり、風が湿っているとか湿っていないとか、そういうことを全部含めて、”庭”という空間が宇宙みたいだなと思う。宇宙とつながっているというか、もっと言えば宇宙そのものなんだと思うけど、本当に豊かだよね。

生態系と生態系がつながる暮らしをするってこと。あとはコミュニティではじめるってこと。いつも目的を忘れない。人との関係において、この関係を大事にしたいってことを自分にもみんなにも伝える。そんな事が大事なんだね。

金融経済が破綻しても生きていけるけれど、生態系が破綻したらみんな死ぬ

海さん ギフトエコノミーとかエコロジーの話をするとき、本間フィル・キャッシュマンは「We are family forever」って言うのね。weのWは”water”で、areのAは”air”、familyのFは”food”。人間が生きていくうえで、水と酸素と食べ物は絶対必要だよね。foreverのFは”friends”。「人間が生きていくときに大事なのは、水と酸素と食べ物と友だち」ってこと。そこにお金は必要ない。

インスピレーションとかビジョンとか希望とかに向かって動くときは、お金って関係ないんだよね。なんとしてもそれをやりたいっていうパワーから動き始めて、自分が持っている壮大なネットワークから必要なものを集めてきて、活動をしていく。

菜央 お金の存在感も大きいって思っちゃうけど、よく観察すると、お金じゃない領域の方がはるかに大きいことに気づく。

海さん 金融経済が破綻しても、うちらは生きていける。でも生態系が破綻したら全員死ぬ。やっぱり生態系っていうのはすべての命を支えているシステムで、お金っていうシステムは、金融経済ベースのやりとりを効率よくしている次元の話だから、そのレベルの違いをとらえると、お金に依存する必要はない。都会にいるとそれが見えにくいんだよ。

菜央 どうしたらいいのかね。同じ意識を持っている人たちで仲間をつくったり、学びたいって人を呼びながら、生態系とつながることにチャレンジしていったり、そういうことなんだろうか。

海さん 僕は深い自然のなかで一年のうちの何日かを過ごすってことが大事だと思う。別に説明しなくても感じるものがあるから。人間以外の自然界ではお金のやりとりは一切存在しないことに気づくはず。

菜央 個人的に、お金との関係性というか、お金に影響される自分の心の状態に難しさを感じていて。アジア学院に在籍していたとき、太陽からの距離がちょうどよくて、なぜか命が生まれて生態系が発展している、奇跡みたいな状況が”地球”っていう星にあって、すべての命がつながっていて、そこで生きている深い幸せを感じたのね。

お金なんかなくたって生きていけるんだってことを強く感じた。それを家族と住みながらやりたいって思って、やれることは色々やってきたつもり。だから、そこに向かって歩いている感じはあるんだけど、家族がいながら、お金に依存しない暮らしをチャレンジするむずかしさをとても感じている、もっとラディカルに、そういう方向に行きたいなって思うんだけど、なかなかむずかしい。

海さん まあ長い旅だね。うちらもお金をいっぱい使うシステムのなかで暮らしていて、その中で暮らす限りはお金をどこからか得ないといけないから。お金をどのくらい、いつまで使いつづけるのかってことと、お金の出入りをどこまで工夫できるか。でも、どこかで限界がくると思うんだよ。

僕もどのくらいお金が入って来るか常に不明確な暮らしをしていて、一人ならいろいろ実験できるけど、子供が生まれて家族というユニットになってからは、安定した収入が家族の安心につながったり、未来のプランを立てるベースになったりするから、ハードルが上がってきた。

パートナーと自分とか、会社も組織とかもそうだと思うんだけど、自分以外の、より大きな複数の人を含めた時のデザインはなかなか難しい。同意が得られなかったり、同じ現実を共有してなかったりすることが多いから。

生態系から学んだ新しい文明をつくるっていう試みを、みんなで楽しんでやれるといい

菜央 家族ということでいうと、子どもって大人以上に社会的な存在で、つながりの中でしか生きられないから、自分たちが持っている考えだけで育てられない。やっぱり小学校に行けば、その場のつながりの中で、多分に影響を受けていくし。だから、子どもがいる家庭が、まわりの人たちとつながって、どうやってお金に依存しない豊かさのある場所に行けるかっていうのは、まあ、旅だよね。

海さん うん、旅。でも、すごく面白い冒険だと思う。人類がより豊かな方向に変わるためには、そこに一番の答えがあると思う。

菜央 古代から一回も近代化したことのない人たちが、持続可能で自然と調和した形で暮らしているというのは事例があると思うんだけど、一度文明が隅々までいきわたってから、再び生態系に調和した状態をみんなでつくっていくってことは、今までの人類の歴史で、もしかするとはじめてかもしれない。

この200年くらいのうちの最後の50年ぐらいで、関係性っていうところに注目が集まって、生態系を観察した結果、生態系から学んだ新しい文明をつくるっていう試みを、みんなで楽しんでやれるといいかなって思うけどね。

海さん かつては生態系のデザインのなかで暮らしていたのが、人間と自然は切り離せるもので、自然は人間が支配して経済活動の為に搾取するものだという発想が流行ってしまった。

とそんな社会への疑問を感じている人たちが、パーマカルチャーとかエコビレッジとか、トランジションタウンというような実験を世界中で取組んでいる。工業成長型社会の先には答えがないんだって多くの人が気づきはじめて、違うところに目を向けて、違うシステムを開拓しはじめた。それが、サブカルチャーからカルチャーにシフトしようとしているのが今の段階だと思う。

でも、その動きが分散しているから、どのくらいの巨大なムーブメントなのか見えにくいんだよね。今は、生態系から切り離された人たちが、少しずつ意識するようになって、生態系ベースに戻ろうとしている。ある意味”大きな頭”で戻ろうとしているんだよね。

そこで大事なのが、どうやってハートとのつながりを育てるか、っていうのが僕の中ではすごくこれから深めていきたい部分で。やっぱり頭で解決できる問題じゃないから。思いやりがないと、苦しんでいる人なんかどうでもいいもん。だからどうやって自分のなかや社会のなかで思いやりを育てるかが、原動力と発想力につながっていくと思うんだよね。

(対談ここまで)

”関係性のデザイン”によって、不可能だったことが可能になって、立場の弱い人たちも実はすごくパワフルなことができる。そんな話題からはじまり、”生態系ベースのOS”のこと、深い幸せについて、そして、お金の話。全体を通して、”関係性“というキーワードが浮かび上がってきました。

明日公開の後編では、なぜ人間の社会では活かし合う関係性が少ないのか、そして私たちの心の問題にも踏み込んでいきます。お楽しみに!

(こちらは2018.7.16に公開された記事です)

– INFORMATION –

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