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「当たり前の風景」を見つめ直したら世界はますますおもしろくなる!「Raubdruckerin」に学ぶ、街の新たな魅力の見つけ方

なんでもないと思っていた人や街の風景が、いきなり魅力的に見えたことはありませんか? 相手や環境が変わったことで起こる変化もありますが、同じくらい、自分の視点の変化も新しい世界をもたらしてくれるもの。

今回は、視点を変えることのおもしろさに気づかせてくれるプロジェクト「Raubdruckerin」をご紹介します。

「Raubdruckerin」とは「印刷する海賊たち」という意味。Tシャツやカバンに模様をプリントするプロジェクトで、ベルリンを拠点として、アムステルダムやパリなど、ヨーロッパで拡がっています。

それの何がおもしろいの? と、不思議に思うかもしれませんが、実はこれ、街中にあるマンホールや排水管などをつかってプリントされているんです!

印刷はすべて手作業で、その場で刷られます。この手法のおかげで、道行く人たちはものづくりのプロセスを見学でき、製作者は話しかけられることも多いとか。

定期的なワークショップやお祭り、ご近所さんとのパーティも開催されており、道路での製作を通してたくさんのコミュニケーションが生まれています。

参加者たちのバックグラウンドや年齢は様々。「NuArt Festival」で開催されたストリートプリンティングワークショップ

「Raubdruckerin」が大切にしているのは、持続可能な活動であること。

そのコンセプトどおり、Tシャツはオーガニックコットン100%、トレーナーに使われているポリエステル部分はリサイクルされたもの。さらにプリントには、石油不使用の水性インクが使用されています。印刷板や印刷スクリーン、印刷機も必要なく、材料も最小限に抑えることができているんです。

時間や天気、季節に左右されることや、一度に少ししかつくれないことも、このプロジェクトを温かいものにしている大切な要素。大量生産に対する代替案を提供したい、という想いも込められているそうです。

では、ヨーロッパに広がるプロジェクトの様子を、のぞいてみましょう!

ノルウェーのお祭り「NuArt Festival」でのワークショップ。「美しさは何気ない道の上にあり」

アムステルダム

ベルリン。お土産としても販売されている作品は爆発的な人気で、すぐに売り切れてしまうそう!

高度な技術も大きな道具も必要なく誰にでもできる「Raubdruckerin」を始めたのは、ベルリンに住むEmma-France Raffさん。

Raubdruckerinを始めたEmmaさん

Tシャツやカバンを持って街を歩くことで、人々自身もプロジェクトの一部となります。

街への見方を変えて、誰も期待していないものの中に隠れている、美しさや魅力に敏感になる。それがこのプロジェクトのゴールなんです。

作品を身につける人々も、アートの一部になるのがこのプロジェクトの面白いところ。自分の街に新しい命を吹き込んでいく

将来は、世界で最もマンホールが高価だと言われている日本にも来たいとか。日本にも、まだまだ私たちが気づいていない魅力がありそうです。

街にも、あなたにも、そしてちょっと苦手なあの人にも。ただ見過ごしているだけで、魅力がたくさん眠っているかもしれません。いつもの視点や意見を少し脇において、目の前の世界を探険してみませんか?

[via raubdruckerin, Pictastar, Facebook, psfk ]

(Text: ひだみき)

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