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オープンなコミュニティとソーシャル・キャピタルが成長を可能にする。「ツクルバ」中村真広さんが実践してきた会社づくりのコツ。

greenz.jpではこれまで、「ソーシャルデザインのはじめかた」について、実践されている様々な方に話を聞いて発信してきました。しかし、それを継続し、さらに広げていくためのノウハウを伝えるような記事はあまりありませんでした。

マイプロジェクトとして始めたソーシャルデザインを続けて広げていく一つの方法、それは“ソーシャルな会社”をつくること、そしてその会社を育てていくことです。今、そうやってソーシャルな会社をつくることはやりやすくなってきているし、会社にすることでやりたいことを思いっきりやれるようにもなってきています。

この連載「ソーシャルな会社のつくりかた」は、そんなことを伝え、読者のみなさんと一緒に考え、学び、ともに成長していきたいという思いで展開しています。

今回は、ソーシャルな会社をつくるために必要なノウハウや組織の考えかたについて、「株式会社ツクルバ」CCOの中村真広さんとグリーンズ事業統括理事・プロデューサーの小野裕之とで話し合いました。

中村真広(なかむら・まさひろ)

中村真広(なかむら・まさひろ)

株式会社ツクルバ 代表取締役 CCO/エグゼクティブ・プロデューサー
1984年生まれ。東京工業大学大学院建築学専攻修了。不動産ディベロッパー、展示デザイン業界を経て、2011年、実空間と情報空間を横断した場づくりを実践する、場の発明カンパニー「株式会社ツクルバ」を共同創業。デザイン・ビジネス・テクノロジーを掛け合わせた場のデザインを行っている。2015年4月から、建築とその周辺産業の発展に寄与するべく、一般社団法人HEAD研究会の理事に就任。昭和女子大学非常勤講師。著書に「場のデザインを仕事にする」(学芸出版社/2017)。

ツクルバのつくりかた

小野 co-ba shibuyaができたのは2011年…?

中村さん はい、2011年の12月ですね。共同代表の村上と2人で立ち上げました。

小野 最初の資金は融資を受けたそうですが、借金することに恐怖心はなかったんですか?

中村さん なかったですね。借金って言っても2人で400万円とかだし、最悪コンビニとかでアルバイトすれば返せる金額だと思ったので。

co-ba shibuyaはコワーキングスペースのさきがけ的存在として2011年にオープン。クラウドファンディングで最初の会員を募集し、会員数は数ヶ月で80人を突破。増床のため翌年5月に同ビルの別フロアに「co-ba library」をオープンした。

小野 co-ba shibuyaの物件のオーナーさんとはどうやって知り合ったんですか?

中村さん 普通に物件情報を調べて見つけただけなんですけど、小さい個人オーナー会社が持ってるビルで、オーナーさんがすごく面倒見がいい人で。

普通、突然25歳くらいの若造が結構な広さのオフィスを貸してくださいって言ってもなかなか貸してくれないじゃないですか。でもこういうコワーキングスペースっていうのをやりたいんだって説明したら、本とか買って勉強してくれて。

それで収支計画を持って行ったり、何回かやり取りをして、「ここまで考えてるならいいよ」って貸してもらえたんです。オーナーさんには恵まれましたね。co-baができた後もたまに様子見に来てくれたりして。

小野 最初は完全に2人で? そこからスタッフはどうやって増やしていったんですか?

中村さん 最初は完全に2人でしたね。その後参加してもらった2人は知り合いで、まだ雇う雇われるみたいな仕組みもないし、お金もないので、ボランティアで手伝ってもらうみたいな感じでした。

いまだにネタで言うんですけど、ツクルバ1人目の社員“のんたん”(現在はツクルバを卒業)の「初任給」は1万円。彼は大学院で「シェア」の研究をしていて、交通費だけでほとんど毎日手伝いに来てもらってました。

小野 そこから、どうやって現在の会社としての仕組みをつくっていったんですか?

中村さん co-baを始めたら、そこから派生して空間プロデュースや不動産系の仕事が来て、それを受けるためにメンバーを増やしていって10人弱くらいになったんですね。ただ、co-ba以外は受託の仕事だったので、来期どうなるかわからないし、なかなかメンバーを増やせなかったんです。

それで、自社事業中心に切り替えようと思って、「cowcamo(カウカモ)」を始めたんです。そのタイミングで資金も調達して、経費精算や給与の仕組みなども整えて会社らしくなっていきました。それが2年半くらい前ですね。

cowcamoはリノベーション住宅の流通プラットフォーム。物件一つ一つにキャッチフレーズをつけ、周辺環境や売り主の声も含めた紹介記事を掲載するメディア運営、売り手と買い手をつなぐ不動産仲介業、リノベーション事業者向けのコンサルティングサービスを行っている。

小野 今の役員陣を見ると、結構多様な人たちがいますけど、こういう方たちにはどうやって参加してもらったんですか?

中村さん 成長させていくモデルを考えた時に、0→1をつくるのと1→10と10→100とでスキルがまったく違うんですよね。創業者はゼロイチが好きですし得意で、10手前くらいまではなんとかできますが、そこから拡大していくのは、もっと得意な人がいます。

だから、そういう人に仲間になってもらわないと成長していけないと思って、先輩経営者に仲間づくりの相談をして、「そのタイミングではこういう人が居るといい」といったアドバイスをしてもらっていました。

弱みの共有がチームのつながりを生む

小野 村上くん(共同創業者の村上浩輝さん)と経営の悩みとか話し合ったりするんですか?

中村さん 今も2人で週に1回、モーニングMTGを必ずしてるんですけど、そこが2人の頭の中をチューニングする時間で、お互い悩みはあってもそこで解消するようにしています。

中村さんと村上さん

小野 グリーンズも今、常勤の理事は菜央さんと僕の2人なんですが、隔週金曜日の朝2人で話すことにしていて、すごくいい関係になってます。3人以上だと議論になっちゃうんだけど、2人だと弱みを見せやすいんですよね。

自分の弱みにちゃんと向き合わないと事業って成長していかない。でも、その弱みは克服しなきゃいけないのか、それとも手放すべきなのかって自分ひとりだとなかなか決められないじゃないですか。

その時に「こうじゃない」って近い人に言われたほうがいいし、その弱みを引き取ってくれる相手がいたほうがいい。それができるようになりました。

中村さん 確かに僕も、「ここは任せたい」っていう弱さを吐き出せるようになってからは、「だったら俺やろうか」みたいに手を差し伸べてくれる人が出てきました。カウカモを始めてから自分より年上の人がツクルバに入ってくれることが多くなって、弱いところも見せられるし完全に頼れるようになりましたね。

小野 弱みって指摘しないにしても認知しておくと、チームのつながりが強くなりますよね。強みでつながっているチームは会社というよりプロジェクトチームっぽくなる。チームがつながってる理由は弱みの共有にあって、その上で強みを活かし合えると継続できる。

中村さん 最近、組織改革系の勉強会に出て、そこで「関係の質が変わると思考の質が変わって、思考の質が変わると行動の質が変わって、行動の質が変わると結果の質が変わる」というのを聞いて。普通は行動と結果しか見てないけど、実はその裏側の関係の質と思考の質がチームビルディングにおいては大事だと。

会社組織においては、まず関係の質ありきなんだってことを改めて思ってます。

社外を巻き込んだコミュニティとクレドの明文化

小野 関係の質という意味で、社内のコミュニティをつくる上で大事にしていることはありますか?

中村さん 「ツクルバコミュニティ」のポリシーについては、入社時のオリエンテーションで必ず伝えていますし、それ以外の色々な場面で話しています。

森にたとえて、人工林だと多様性がなくて単一樹種で弱いから人間が手を入れないといけない、それに対して自然林は動的平衡が保たれていて多様性もある。人事部が管理しなければいけない組織は人工林ですけど、ツクルバが目指すのは落ちた種が勝手に育っていくような自然林。

それは、一人一人がモチベーション高く活動家であって、コミュニティにぶら下がるのではなくて寄与するような状態にあるということです、と。

小野 そういうコミュニティをつくるためのノウハウみたいなものはあるんですか?

中村さん co-baをやっていてよかったのはコミュニティのつくりかたのノウハウをそこで学べたことです。オフィスのデザインもそうだし、社内だけで閉じないイベントをやることもそうだし。

社内で閉じないというのは重要で、業務の上でも、リソースが足りなくなってしまったら社外にお願いしたり、別のパートナーと組んでやることもあるわけです。でも、その時に発注者然とするのではなくて、ツクルバコミュニティの一員になってもらうように、初回のミーティングで同じ方向を向けるようにするとか、その辺りは気を使ってますね。

それは、ブラックボックスから出てきたものを返すだけよりも、上流を知ってもらったほうがやりやすいという理由もあります。だから、全部は難しいですけど、企画の初めからグラデーションを付けて極力オープンにしていくようにはしています。

小野 僕は昔ウェブの制作会社にいたんですが、代理店さんとの仕事は、すごいブラックボックスですよね。「ちょっとこの資料このタイミングで渡していいか上司に確認します」みたいな。

中村さん しかも相手側もブラックボックスじゃないですか。「3案出してください」って言われて出して、「持ち帰ります」って言われて、「C案になりました」「え、なんで?」みたいな。あれ嫌ですよね。

何が嫌かって、ブラックボックスがあると信頼されていないように思えてこっちも信頼できないし突っ込めないから、関係の質が上がらないですよね。

小野 普段の仕事ではコミュニティを重視するにしても、会社の方向性を決めるような場合には、どうするんですか?

中村さん 新しい種をつくるときには、村上と2人でディスカッションします。カウカモをつくったときも、週3回くらい時間をブロックしてブレストをして、3ヶ月くらいでつくりました。

同時にその頃、お互いの脳内シェアみたいにミッション・ビジョン・クレドを制定したんです。それを憲法みたいにしたんですが、あれはいいタイミングでつくったな、と。

ツクルバのクレド(経営理念)

小野 ミッション・ビジョン・クレドの言語化って結構大きいですよね。憲法は誰にとっても平等で、平等なものが明文化されて管理されてると、スタッフはその鏡に写ってる姿で評価されるので、会社としても健全なかたちになります。

グリーンズは、greenz.jpのポリシーはあるんですけどNPOのビジョン・ミッションが全然言語化されていなくて、去年の年末から1年かけてゆっくりつくろうとしているんです。なぜ今なのかというと、greenz.jpのテイストが決まり、何で稼ぐかがようやく定まってきて、それらを内包するビジョン・ミッションを言語化するパーツが揃ったから。

今まで、それを言語化しないことによってスタッフの成長の機会を奪ってしまっていると感じることがすごくあったんです。憲法がないと経営者の顔色をうかがうような振る舞いになっちゃって、それはフェアじゃないなって。

中村さん 一つの事業から枝葉が伸びていくようなときも、サービスの根幹にあるミッションをみんなが共有できていれば、どこまでなら逸れても許されるか共通認識ができる。でも、ミッションが共有できていないと変なところに枝葉を伸ばして切られてしまうようなことがありますよね。

なので、会社全体だけでなくサービスにしても、メタな言葉で表現するというのは大切にしてますね。そこからみんなが拡大解釈や再解釈することで、同じミッション・ビジョンで息長く続けることができる気がします。

ツクルバのオフィスエントランス、入ってすぐ下駄箱があり土足厳禁。

手段が目的化してしまわないために
マネージャーが気をつけるべきこと

小野 ソーシャルと言われる領域の企業や団体って、手段が目的化してしまいがちだと思うんです。

たとえば、「川をきれいにするために掃除をしています」という団体があったとして、本来の目的は川をきれいにすることでそのためには汚す要因を取り除くことが第一なんだけど、いつの間にか掃除をすること自体が目的化してしまう。

実際は目的も成長するので、一つの手段でそれを達成することは難しくなるんですけど、それに気づかない。

中村さん そうですね。ただその時にリフレーミングをするには、一歩引いたメタの視点を持っている必要があって、それを現場の人に持ってもらうというのは難しいと思うんです。

だから経営者がリフレーミングを行ってそれを現場に伝えることができないといけない。目的も変化するし、課題も変化するしという中で、それは経営者がしっかりやらなきゃいけない部分だと思います。

最近は、部長クラスのメンバーも含めて経営会議をやって、そこでしっかり意思決定の枠組みをつくって、各事業部やチーム単位でもその相似形をつくろうとしています。

いわゆるツリー的な組織構造ですが、これまでの社会が実践してきた形にもよくできてる部分は多々あるので、食わず嫌いをせずに導入するものを選んでいます。もちろんそれを補完するようなオルタナティブなルールもつくるのですが。

小野 それはわかりますね。会社というものは、その仕組みができた目的どおり使われてたら非常にいいものですよね。現場の人は現場に集中する必要があるからあまり長期的な視点を持ちすぎない方がいいし、かと言ってそこに居続けても飽きちゃうから、一つ上のステップが用意されていた方がいいしって。

中村さん ただ、いわゆるプレイヤーからマネージャーになるのが幸せじゃない場合もありますよね。人によっては、ずっとデザイナーでいたいとか、現場でお客さんと接していたいという人もいる。

だからツクルバでは、適正や希望に応じて期待する役割とキャリアステップのルートを分けて、現場が大好きで突き詰めてやりたいという人は、それを全うし続けられるような制度をつくっています。

小野 それで給料に差が出ないならいいですよね。一般的にマネジメントをやったほうが給料が高いっていうのが今の時代に合っていないと思っていて。「現場を捨てたほうがいい」ということがキャリアパスの一択になってしまうと、みんなが幸せになれる働きかたを提供できないですよね。

中村さん 世の中的にも変形されつつあるとは聞きますね。プロフェッショナル職の超凄腕デザイナーとか研究者が経営層より高い給料をもらってるとか。そういう転換をツクルバでもやりたいと思っています。

ソーシャル・キャピタルが大きければ
キャピタルも生み出せる

小野 会社を成長させてきて、今後、何らかの形で上場とかもありうると思いますが、成長していく中で“ソーシャル”であることに対して考えていることってありますか。

中村さん 株式会社で外部資本も入っているので利潤も追求するんですが、全体で言うとキャピタルよりもソーシャル・キャピタルが大きくいたいとは思ってます。ソーシャル・キャピタルはキャピタルに変換できると思っているので、大きなソーシャル・キャピタルを持つことで、より世の中に対して大きな価値を提供できるようになることを目指しています。

たとえばco-baは、完全にキャピタルよりソーシャル・キャピタルのほうが大きいんです。フランチャイズフィーを月何万円とかもらってるんですけど、日本全国どこに行っても知り合いがいて、その人を介せば地元のいろいろな人とつながれるというのは、数万円よりはるかな大きな価値がありますよね。

co-baはフランチャイズ展開し、現在は全国17ヶ所

中村 カウカモはキャピタル的な側面が目立ちやすい事業ではありますけど、生活者との関係をずっとつないでいけるとしたら、その人たちに別のバリューを提供できるかもしれない。そういう意味で、ただマンションを売るのではなくて、生活者との関係をつくることが重要なんです。

小野 ビジネスにおいても、以前は短期的なお客さんだけが仲間だったのが、もう短期決戦のマーケットなんて日本にはなくなってしまった。どれだけ長期的にいい関係を築けるかというのが結局経済的な利益を最大化するために重要になってきてますよね。

中村 だから「カウカモ(=買うかも)」なんですよ。今までの不動産屋さんは「買うぞ」で、購買意欲がホットになった人しかお客さんにしてこなかった。でも、僕らは「買うかも」くらいの人もお客さんですよって言って、暮らしに関わるワークショップ等を提供しています。

今は「買うわけ無いじゃん」という人でも、たとえばアプリをダウンロードしてもらってリノベーション物件に触れ合ってもらう、たとえば暮らしに関わるワークショップに遊びに来てもらって自分の生活へのまなざしを変えていってもらう。そうすれば、数年後に買ってくれるかもしれないという考えかたでやっています。

小野 ソーシャル・キャピタルなのか、マネー的なキャピタルなのかその境界が曖昧なんですよね、中村くんって。

中村さん ソーシャルなものが非ソーシャルなキャピタルを生み出すための一つの要素として合理性を持ってるなっていう感覚はあります。

利潤だけを追求してる会社って本当に合理的なのか、リーマンショックみたいにいつかマーケット崩れたら一気に崩壊するんじゃないか。それよりもコミュニティがあったほうが柔軟で変化に対応できると思っている節はありますね。

5年我慢してやってみる

小野 そういう長期的目線を持つために、ある程度のキャピタルは必要だと思うんですが、その部分で何かアドバイスはありますか?

中村さん 今は集めやすい時代になってるんじゃないですかね。ベンチャー周りでは、かつての起業家が投資家になり若手をサポートしたり、ベンチャーキャピタルの業界も発展し、資金調達はしやすくなっています。キャピタルはないけどソーシャル・キャピタルを持ってる人や共感を生み出すプロジェクトであれば、クラウドファンディングなどの資金調達もできるようになってきていますね。

小野 そうですね、それで5年くらいちゃんと腰据えてやれば形にできるよというのがツクルバを見ていればわかりますよね。3年でやろうと思ったら急いで変な感じになっちゃうし、7年とか10年だと手を付けようと思わなくなっちゃうし、5年くらいだとリアリティあるんじゃないかな。

中村さん 確かに5年なら5年と決めて何がなんでもやってみる、本当に信じてるんだったらなんとかして生き残るというのが重要ですね。

小野 細く長く続けていくのは本当に大事ですよ。成果が出ないことへの焦りってやっぱりあって、無理に成果出そうとしてバランスが崩れてしまうことってありますよね。

でも、もともとは成果が出なくてもいいから始めたはずなので、「成果が出るまで我慢する」という選択肢があることに気づければ、無理する必要もなくなると思う。

時間投資って考えかたもありますよね。IT化が進んでるからお金をかけなくても仲間の時間かき集めるとか自分の時間をかけ続けるとかすれば、細い火を継続することはできる。

中村さん co-baも最初は自社展開で30ヶ所くらいつくるぞって言ってたんですけど、2年くらい渋谷しかやってなかったですからね。そしたらなんか世の中が「コワーキングだ」ってなって。手を上げてくれる人に、どうぞどうぞって言ってたらフランチャイズ的な展開になって。

それで今になって、カウカモ的なビジネススキルを持って、改めてco-baを考えてみたら、「でっかく仕掛ける」ということもスキームとしてありえるんじゃないかって。メガco-baみたいなものをつくろうとか、直営を増やしていこうとか。長くやっていけば、自社の中でもそういうグッドプラクティスの循環が起こったりすることってありますね。

小野 僕もそういうことが起きることを期待して、個人的に経営する会社を増やしてるというのはあるんです。単独の事業を単独の力で伸ばすっていうのは限界があって、さっきの人工林と自然林じゃないけど、自然に育っていくためには関係性は薄そうに見えても複数事業をやることで育つものってあると思う。

中村さん 個人でもそうですよね。ツクルバでも「活動家申請」という制度を始めました。サブでやりたいマイプロジェクトを持っている人は申請してもらって、そのポリシーや活動の内容が最低限のルールに則っていれば副業OKにしますって。

そこで重要なのは、キャピタルが主目的ではなくて、社外に自分のネットワークをつくることの意義を認識して、そのためにやるということ。極端な話、ソーシャル・キャピタルが社外にたくさんあれば、今キャピタルをもらっている会社でだめになっても、どこか拾ってくれる時代だと思うんです。

小野 僕的には、ツクルバはクレドをつくるタイミングが計画的ではなかったにしろ、運命的に良かったんだろうなって感じました。

コミュニティ型で運営するというのを会社の中でも、他の会社との関係性でも徹底しているのもそうだし、ソーシャル・キャピタルを増やすための社外の活動を副業として認めるのだって、クレドに沿ったものという気がする。

それが徹底してるし、そこに時間を使うことが大事だと感じました。

(対談ここまで)

「会社をつくる」というと難しく聞こえますし、実際難しい部分もあるとは思いますが、今回の話を聞いていると、会社をつくることは、今つくっているコミュニティを拡大していくことであって、マイプロジェクトとやっていることにそれほどの違いはないと感じました。

自分がやりたいことをやり続ける中で、自分が苦手な部分が出てきたら、それを得意な人に渡す。そうやってそれぞれが自分にできることをやって、それで補い合うことができれば、そのコミュニティは強みを活かし合うものになることができて、さらに発展していける。

そう考えると、大切なのはまさしくソーシャル・キャピタルで、会社をつくるにしてもサラリーマンをやっていくにしても、人とのつながりこそが自分の資本になるということだなと感じました。

「グリーンズの学校」では11月より「ソーシャルな会社のつくりかた」クラスを開講しますが、それも学ぶ場であると同時に人とつながる場でもあります。中村さんも講師として参加予定。興味のある方は、ぜひ参加してみてください。

【ソーシャルな会社DATA】
社名:株式会社ツクルバ
設立:2011年8月
代表者:代表取締役CEO 村上浩輝 / 代表取締役CCO 中村真広
社員数:58名(2017年10月1日付)

事業内容:
中古住宅に特化した流通プラットフォームcowcamo(カウカモ)事業
シェアードワークプレイスco-ba(コーバ)事業
空間デザイン・プロデュースに関する調査分析・企画・設計デザイン・監理業務
不動産に関するプロパティマネジメント・賃貸 売買仲介・開発・再生プロデュース