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“何もできない”無力感を救いたい。アメリカ発、人びとによる人びとのための地域課題解決プロジェクト「The People’s Campaign」

無差別殺人やテロ、人種や性別による差別…。

現代では日常的に、世界中で起こる悲劇がニュースに流れています。

特に多国籍国家アメリカでは、人種差別などから起こってしまう非人道的事件が頻繁に報道されています。白人警察官による黒人の射殺は「BLACK LIVES MATTER」ムーブメントを生み出し、最近は某航空会社のオーバーブッキングが炎上したばかり。しかし、そんな不当な事件に対し、当事者やコミュニティは何もできない無力感に襲われているのが現状。

今回は、そんな無力感を抱いてる人々の力になり、関心が薄れてしまった社会問題に光を当てるために、アメリカでは「The People’s Campaign」が発足しました。

実際に事件が起こった場所を訪れ、その地域の課題を解決する」という目標を掲げる「The People’s Campaign」。プロジェクトメンバーが訪れるのは、白人警官による黒人殺害が起きた地域、財政危機がきっかけで水道汚染が起きた地域、などのさまざまな社会課題の犠牲者がいる15の州。

訪れる州と犠牲になった人々の名前は公式サイトで発表されています

「The People’s Campaign」は、以下4つを活動の軸としています。

1. 現地の課題を解決する活動に参加すること。
2. 市民が参加できるイベントを開催すること。
3. 緊急の課題を抱えているコミュニティには、1万ドルの寄付をすること。
4. 課題に対する関心を集めるためにデジタルコンテンツを発信すること。

これら4つの軸のうち、デジタルコンテンツの発信はYouTubeですでにスタート。プロジェクトには、作家・詩人・音楽家・役者・パフォーマーなど7人のアーティストが参加しているので、今後も多くの情報発信が期待されます。


カナダ出身のラッパーDrakeの曲を歌う女性に、白人警官に射殺された黒人のニュース映像がコラージュされたもの。現代アメリカ社会における黒人の精神に照明を当てることが狙いなのだとか

そして現在、「GoFundMe」でクラウドファンディングに挑戦中。目標金額は10万ドルで、開始から1ヶ月あまりで1万ドルほどが、アメリカ人だけでなく世界中から寄せられている様子。

プロジェクトに参加しているアーティストたち

ハッシュタグ「SOMEDAYMUSTCOME」を用いて、プロジェクトを多くの人に知ってもらうことを試みている

プロジェクトの主催者は、アメリカ人アーティストのCyrus Aaron(以下、サイルスさん)。彼は、後を絶たない不当な事件がアメリカで起こり続けていることに対し、無力感や危機感を抱いています。

「The People’s Campaign」以前にも、人種問題を扱った戯曲を発表。社会課題に対し人々と対話を行いました。しかし、それだけでは不十分だと痛感した経験から、実際の解決に向け行動に移す必要があると考えたのです。

課題に対して社会が常に関心を持ち続けるのは難い状況の中、サイルスさんはプロジェクトへの思いを語っています。

誰かが苦しんでいるときに、それを単なるニュースとして終わらすことはやめましょう。「もし、その誰かが自分の家族だったなら」と考えてみてください。私たちは悲劇が起きた社会が変わるまで、事件に対し関心を持ち続けてほしいと思っています。

サイルスさん

日本でも全国的な事件や災害は起こっていますが、時間とともに忘れ去られてしまうこともあります。しかし、忘れられた問題が解決しているとは限りません。

みなさんの心に残っている悲劇は、今どんな状況でしょうか? この機会に調べてみるだけでも、大きな意味があるはずです。

[via The People’s CampaignThe Huffington PostAFPNewsweek, Top Photo Some rights reserved by Workers4America]

(Text: 菅原沙妃)