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自分の心を楽しく整える。アメリカの製薬会社が開発した、うつ病のモヤモヤを晴らしてくれるアプリ「Moodivator」

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みなさんのまわりに、「うつ病」の悩みを抱えている方はいませんか?

ストレスの多い現代社会。厚生労働省によると、日本でも、300万人以上の方が、精神疾患により医療機関にかかっているとのこと。「心の病」は、もはや社会現象といえるでしょう。

2011年、映画にもなった、細川貂々のベストセラーコミックエッセイ『ツレがうつになりまして。』でも、ごく普通の夫婦がうつ病と闘う様子が、私たちに身近なシーンの中で描かれています。

そんな、うつ病に悩む人たちに手をさしのべるべく誕生したのが、「Moodivator」というモバイルアプリ。楽しく、おしゃれに、そしてシンプルに、自分の心をコントロールする手助けをしてくれる、救世主なのです!
 
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「Moodivator」は、アメリカのApp Storeから誰でも無料で入手可能

うつ病治療のパイオニアでもあるアメリカの製薬会社「Pfizer」が開発した「Moodivator」は、「App Store」から無料でダウンロードできます(アメリカのApp Storeからのみ)。

使い方はいたってシンプル。「Goal Setting(目標設定)」と「Mood Tracking(感情の記録)」をその都度入力し、「Progress Reports(進捗レポート)」を、担当医とオンラインで共有するだけ。それぞれの機能を、詳しく見てみましょう。

まずは、Goal Setting(目標設定)。

健康、仕事、家庭、人間関係などのカテゴリごとに、達成したい目標を設定します。例えば、「友人ともっとつながる」、「自分の感情を、人前でもっと表に出す」など。そして、なぜその目標が自分にとって大切なのか、詳細をメモします。「友人とつながれば、孤独感から抜け出すことができるから」といった具合です。

そして、その目標を達成するためのアクションプランをさらに入力していきます。例えば、「友人のジョンにメッセージを送り、会う時間を確保する」。そして、設定したアクションプランの達成期限を、1週間、2週間…と設けます。
 
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つづいて、Mood Tracking(感情の記録)。「悪い気分」「とても良い気分」など、シンプルに6段階程度で表現できる感情を、その変化があるごとに記録します。なぜその感情が沸いたのか? 可能な限り、詳細をメモすることが大切です。
 
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そして最後に、Progress Reports(進捗レポート)。アクションプランの達成度合いと、感情の起伏のデータが、数日~数カ月単位で要約されたレポートを、自分の担当医とメールで共有することができます。

ちなみに、蓄積されたデータは匿名で「Pfizer」社とも共有され、新薬の開発に役立てられます。これは企業にとって、とても有効で貴重な財産。だから、アプリの無料提供が実現しているのです。
 
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このアプリが開発されたアメリカでは、15人にひとりの割合で、1年に1回以上、深く落ち込みうつ状態になっていると言われています。そして、2014年の調査によると、それらうつ病患者の約70%が、モバイルアプリを活用して、自身の精神状態のコントロールをしたい、と希望していたのです。

「Moodivator」を開発した、ヴァージニア・コモンウェルズ大学の教授、Susan Kornsteinさん(以下、スーザンさん)は、専門家の視点からこう語ります。

「Moodivator」は、実際に私がこれまでうつ病患者さんを診てきた経験をもとに、治療をシンプルに、効果的に、そして手軽に補完するツールとして開発しました。個人の目標を設定し、感情を記録し、分析する、というサイクルは、私がしばしば、実際に患者さんたちに対して用いている治療法です。

ただ注意しなければならないのは、このアプリを使うだけで病気が治るというわけではない、ということです。専門医とレポートを共有し、既存の治療と併用することが大切です。

Susan Kornstein, M.D.
開発者のスーザンさん

実は、海外で一人暮らしをする私自身、ものごとを深く考えすぎて、落ち込むことが良くあります。そんな時はいつも、自分の正直な気持ちや、短期的・長期的な目標をノートに書き出して、心の中を整理していました。

「Moodivator」は、スマホを使ってより手軽に、効果的に、そして客観的に、自分の心と対話することができる画期的なツール。いつでも持ち歩いているスマホへの入力なら、億劫になることもなく、すき間時間を使って、自分の感情の起伏や目標達成度合いの記録を、習慣づけられそうです。

うつ病は、誰もがかかりうる「心の風邪」ともいわれます。たとえこのアプリが無くても、小さな目標をコツコツと達成していくことを心がけたり、ふとした瞬間に自分の感情を客観視してみることは、「心の風邪」予防にきっと役立つはず。みなさんも、そんなプチ習慣を、今日から取り入れてみてはいかがでしょう?

[via 厚生労働省, ツレがうつになりまして。, psfk, Pfizer, PRISTIQ, GadgetFlow, Virginia Commonwealth University, Healio]

(Text: 松尾茜)