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誰もが音楽を奏でることができる世の中をつくりたい!「Bare Conductive」が開発した、障がい者でも使えるデジタル楽器って?

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今年に入り、「Apple Music」や「LINE MUSIC」などの音楽ストリーミングサービスが相次いで発表され、誰もが手軽に音楽を聴くことができるようになりました。あまりの便利さに驚いたり、楽曲のラインナップに不満を抱きながら、既にそれらのサービスを利用している方も多いかもしれません。

このように音楽を聴くことが、より多くの人に開かれた一方で、音楽を奏でることはいかがでしょう? 楽器を演奏するためには練習やスキルが必要ですし、思ったように演奏できないと恥ずかしさを感じたり。まだまだ演奏するということが、一部の才能がある人や健常者の枠から広がっていないのではないでしょうか。

そこで今回は、「障がい者も含め、誰もが音楽を奏でることができる世の中をつくりたい!」というビジョンのもと、インクルーシブな楽器をつくっている会社「Bare Conductive」をご紹介します。

「Bare Conductive」は、ロンドンを拠点に活動するデザイン&エンジニアリングスタジオ。彼らは、障がい者でも使うことができるタッチ式のデジタル楽器を開発しました。この楽器は複雑な指使いも必要なく、ただ鍵盤に触れるだけで音を奏でることができます。

実際に、障がい者の方が演奏している様子をご覧ください!
 

一般的に楽器というと、健常者でないと使いこなすことが難しいものが多いですが、見ていただいた通り、彼らの楽器は身体的な制約があっても、誰でも奏でることができます。そして、音楽を奏でることの持つ癒しの力を、障がい者をふくめたすべての人々に教えてくれるのです。

では、この楽器にはどのようなテクノロジーが使われているのか説明します。

使われているテクノロジーは、クラウドファンディングサービス「Kickstarter」を賑わせたことで有名になった、「Bare Conductive」の「Touch Board」や「Electric Paint」というものです。

「Touch Board」は、導電材料でさえあれば、どんなものにでもインタラクティブ性をもたらす回路基板で、「Arduino」という初心者でも扱いやすいマイコンボードをもとにつくられています。

そして、導電材料をダウンロード可能なmp3ファイルやモーションセンサーにつなぐことが可能。例えばウォールアートに、前に立っている人の動きによって音楽を流す機能をつけることもできるのだとか。

今回開発された楽器が、強い指圧も複雑な指使いも必要なく演奏できるのには、こういった自社の技術が不可欠だったわけです。
 
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あえて商品化しない

実は、この音楽を奏でることを多くの人々に解放する楽器には、まだ名前がありません。そして商品として販売する予定もないのだとか。開発を担当した、Matt Johnsonさんはこう話します。

この楽器は、大量生産でつくることを目的に開発したものではありません。商品というよりも、我が社の「Touch Board」とコーディングの技術が何を実現することができるかを伝えるデモンストレーションです。

「Touch Board」は初心者でも扱いやすく設計されているので、これらの技術を使って人々が楽器づくりも楽しんでくれるといいなと思います。

「Bare Conductive」は、この楽器をつくるためのコーディングやデザインの技法をメーカーズ・コミュニティに公開しようと計画中。

その背景には「この新しいテクノロジーが音楽に対してもたらす自由の恩恵を、多くの人々にもたらしたい」、そして「音楽を演奏したいと思う全ての人に対して自由をもたらしたい」という思いがある様子です。
 
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楽器が弾けなくても、音楽理論を理解していなくても、音楽を奏でることが楽しめる未来。

そして障害があっても、誰もが自己表現をすることができる未来。

そんな未来を実現するために、私たちが取り組むべきことって何なのでしょうか。ぜひこの機会に、みんなで考えてみませんか?

[via Make:, Bare Conductive]