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忙しい毎日でも、本を手に取ってほしい。中国の国立図書館が地下鉄で展開した”動く図書館”の仕組みとは?

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みなさんは、電車に乗っているときは何をして過ごしていますか?

本や雑誌を読んだり、スマホでニュースや動画を見たり、音楽を聴いたり、はたまた広告を見ながら空想にふけったり。きっと様々な過ごし方をしているかと思います。

最近は日本の電車の中には小さな画面が設置されていて、天気予報やちょっとした気になる話題をみることができますが、中国北京の地下鉄には図書館が出現したといいます! でも、どこに図書館なんかつくれるのでしょうか?
 
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今回ご紹介するのは、中国国立図書館北京地下鉄(BJMTR)が共同してつくりあげた「M-Subway Library」。その利用方法は、とってもシンプル。電車内に貼られたポスターに掲載されているQRコードを、携帯やタブレットで読み取るだけ。簡単な登録をするだけで、無料で電子書籍として読むことができるのです!

取り上げている本は、古典からサイエンスフィクション、ノンフィクションに至るまで、国立図書館の蔵書、7万冊の中から選ばれた、10冊の本です。これらの本には、一貫したテーマがあり、地下鉄の利用頻度の高い学生や若いサラリーマンに役に立つような日々の生活や仕事に関する本もリストアップされています。

たとえば、第一回目のテーマは「私たちの文字」。中国で現在も使われている、およそ30種の民族文字の継承の歴史や文化的な意味を学ぶことができます。

このテーマは1か月ごとに変わっていくので、1年間利用し続けた人は12回分のテーマの本を読むことができることになります。なかなか本を読む習慣がない人でも、これを機に継続して本を読むことができそうですね!

実際に利用した人からは、「自分の国の文化を知れることは、とても興味深い」、「長い間座っていて少し退屈しているときに、すぐに本を読むことができる」などと、非常に満足している反応が届いているといいます。

これからも、電車内やプラットフォームにQRコード付きのポスターを増やしていく予定ですが、北京の地下鉄は日本の電車と同様、ラッシュ時刻は満員電車のためプラットフォームの設置は混乱をまねく恐れがあるため検討中だそう。
 
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北京地下鉄と国立図書館の公共スペースで月々のテーマを取り上げたイベントを開催するなど、読書以外での活動展開も始めているという「M-Subway Library」。このプロジェクトの企画をしたLee Honglinさんは、こう語っています。

いまや、携帯を使えばいつでもどこでも簡単に情報が手に入り、ワンタッチで物を買うことも可能なこの時代。

わたしたちは、この優れた機械を使って、効率的で魅力ある学びの方法を考えました。忙しい毎日の中で、人々が携帯を通してでもいいので、図書館を利用してくれる機会がもっと増えればいいなと思います。

みなさんも、たまにはいつもとちょっと違うアイテムを持って電車に乗ってみてはどうですか? 毎日の通勤時間が新鮮に感じられ、いろいろな気づきを得られるかもしれません。

[via FAST COMPANY,psfk,GOOD Magazine]
(Text: 山川七海)