普段パソコンやスマートフォンの画面を眺めているとき、ついつい表情が固まっている方も多いかもしれません。表情をほぐして笑顔になるだけで、周りの人も自分もハッピーになれるはず!
今回は、そんな思いでつくられた素敵なメディアアート作品をご紹介します。
ロンドンの美大生である、David Hedberg(以下、デイビッドさん)は、とってもユニークな(普段使いは難しい?)テレビをつくりました。その名も「Smile TV」。
白いレトロなブラウン管のテレビに映るのは、今はあまり見られなくなった、テレビの「ザァーザァー」という電波障害の砂嵐。実はこのテレビ、観ているひとが笑顔になった瞬間はきれいに映りますが、真顔に戻るとすぐに砂嵐の画面になってしまうのです。
テレビには「観るためには笑え」という文字が。実は”O”に笑顔認識センサーが埋め込まれています。
テレビ画面にはアニメやプロレス、映画『サウンド・オブ・ミュージック』などが流れています。「映像自体が特に面白いわけではないけれど、断続的に流れる映像によって、観ている人の想像力が掻き立てられる」というのが、デイビッドさんの狙いなのだとか。
昔はみんなの家にアンテナが付いていて、接触が悪いと自分で屋根に上って直していました。
今は良くも悪くも情報に恵まれた社会になり、欲しい情報を自分から取りに行くことも普通になりましたが、こんなときにこそ、ひとりひとりが心にアンテナを持って受信することが大切なのかもしれません。
と、デイビッドさんはこのSmile TVに隠された思いを語っています。
デイビッドさん
「でも、無理やり人を笑顔にさせるのってちょっとどうなの?」なんて思う方もいるかもしれません。実はα波という、笑顔になると発生する脳波はストレスを軽減すると、科学的にも認められているのです。
このα波は、心で笑っていなくても、口角を上げてニッコリさせるだけで効果があるそう。「面白いから笑う」のではなく「疲れているときにこそ笑って、心を軽くする」というのもいいのかもしれませんね。
日本でもデジカメの「スマイルシャッター」や、「笑顔スキャン」などが登場するなど、センサー技術の発達によってさまざまな可能性が広がっています。
今後は笑顔だけでなく、さまざまな表情を認識する技術が発展することで、私たちを楽しませてくれる新しい道具がどんどん生まれていきそうですね。みなさんは、表情を使ってどんな道具をつくってみたいですか?