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貧しい子どもたちを、ぼくらの育てた野菜で助けたい!小学生の兄妹が始めたオーガニック野菜づくり「Oliver’s Garden Project」

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オリバーくんと妹のパイパーちゃん

カナダ、オンタリオ州にあるハミルトンという街に住む、9歳のOliver Allen-Cillis(以下、オリバーくん)は、至ってふつうの男の子。そんな彼が自宅の裏庭で始めたことが、今、多くの人々に勇気を与えています。

2010年に、オリバーくんが妹のパイパーちゃんと裏庭で始めたのは、なんとオーガニックの野菜づくり。お父さんとお母さんの協力を得て生まれた家庭菜園は「Oliver’s Garden Project」と名付けられ、トマトを中心に、トウモロコシ、にんじん、ピーマン、いちご、バジル、オレガノなどの夏野菜を栽培しています。
 
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お父さんと一緒に裏庭で作業中のオリバーくん

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トマトだけでも、実に17種類も育てているそうです。

収穫された野菜は、オリバーくん自身が自宅の玄関前で販売しています。心を込めて育てられたオーガニック野菜は、たちまちご近所さんのあいだで評判になり、オリバーくんの後を追うように自宅の裏庭で野菜を育てる家族が急増しているそう。
 
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自宅の玄関前で野菜を販売するオリバーくんと、パイパーちゃん。

2012年には自宅での活動から飛び出し、野菜づくりの経験が無い家族に対して、オーガニックガーデンづくりをサポートする「The OGP Army」をスタート。

さらに最近では、二人が通う学校内に無農薬野菜を栽培する畑をつくる「グリーンハウスプロジェクト」や、地元の食品会社「The Wandering Locavore」とのコラボレーションも生まれ、収穫したトマトを加工したジャムの販売まで実現させました。

働かなければ暮らせない子どもを助けたい!

このように、とても精力的な活動がつづく、Oliver’s Garden Project。実は、オリバーくんが活動をはじめたきっかけは、「働かなければ暮らせない子どもを助けたい!」という思いにありました。

ある日近くのスーパーで、偶然ゴミ箱から青いボトルを拾っている子ども2人をみかけた、オリバーくん。お母さんに「どうして、あの子どもはゴミ箱の中からボトルを拾っているの?」と質問すると「あつめたブルー色のボトルを売って、食べ物や洋服を買うお金に換えるのよ」という答えが返ってきました。

「なぜ彼らは働かなければならないのだろう?」と思ったオリバーくんは、子どもたちを助ける方法として、「裏庭で育てた野菜を販売し、そのお金をチャリティー団体に寄付して地域の子どもを助けよう」というアイデアを思いつきます。それが、Oliver’s Garden Projectの始まりだったのです。
 
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いまや、ふたりと同世代の子どもたちも多く巻き込んでいる様子。

「オリバーは、9歳。パイパーは8歳になりました。彼らは、これからも子どもたちのために、野菜をつくりをつづけていきたいと言っています」と話すのは、二人のお母さんであるステイシーさん。

今後は冬野菜づくりにもトライしたり、誰でも気軽に無農薬野菜をつくれるキットの販売も考えているそうです。

オリバーくんの「自分ができることで人を助けたい」という真っ直ぐな気持ちと行動をサポートしてくれたご近所さん、そしてお母さんとお父さん。多くの人々の思いを胸に、今日も元気にオリバーくんとパイパーちゃんは裏庭で野菜を育てつづけています。
 

[via Nature’s path organic,Oliver’s garden project]