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胸をはって、保育士が街に出る社会へ。「asobi基地」が提案する新プロジェクト「保育士マーク」がいよいよスタート!

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asobi基地のキャストのみなさん

子育てをしていると、ちょっと誰かに訊きたいことが出てきたり、手助けがほしくなったりする瞬間がありますよね。

「地下鉄に乗ると絶対泣くんだけど、どうあやせば泣かなくなるんだろう?」
「今トイレに行く一瞬だけでも子どもを見ててもらえると助かるのにな……」

家で、街で、ちょっと困ったそんなとき、保育士さんが近くにいたらどうでしょう? 保育園や子育てセンターだけではなく、いつでもどこでも子どもの専門家と話すことができれば、子育てはもっと楽しくなるのではないでしょうか。

そんな未来を予感させるプロジェクトが、クラウドファンディング「READYFOR?」で見事成立しました。子どもも大人も平等な場所を提供する「asobi基地」の新プロジェクト「保育士マーク」です。

「保育士マーク」とは?

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黄色いタンポポと白い綿毛が真っ青な空に映える、さわやかな印象のデザイン。これが、生まれたての保育士マーク。

保育士、幼稚園教諭、小学校教諭など「保育者」のみなさんが、このマークのキーホルダーを身に付けて出歩くことで、街行くお父さん・お母さんたちが声をかけやすくする仕組みづくりを目指し、開発されました。

このマーク、よく見ると緑の茎と葉は「ほ」の形をしていて、綿毛はハートが重なっています。「男女問わず、進んで持ちたくなるようなものに」と、asobi基地によく参加してくれるお父さんがデザインを担当したのだとか。

相原さん 私たち保育士はタンポポのようだね、と保育士のメンバーで話をしました。タンポポってどんなに踏まれても咲き誇る強さがあって、日本全国どこにでも咲いていますよね。

保育士の資格保持者は約57万人。杉並区の人口と同程度いるんです。保育士の専門性を綿毛のようにいろいろなところに飛ばし、強く綺麗な花を咲かせてもらえたら、という願いをこめています。

今回のプロジェクトのリーダー、asobi基地東京支部代表・相原里紗さんの想いです。
 
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相原里紗さん

さらに、プロモーション用に作成したステッカーには「ちいさないのち みんなで大きく育てよう」という言葉が添えられています。

相原さん はじめはもっと保育士のできることを語るものを考えていたのですが、お母さんたちに「もっと、どどんと社会的なことをやる決意を語ろうよ!」と言われて、このフレーズに決まりました。

お母さんたちの意気込みを受けて、保育士マークは「どどん!」と社会にデビューしました。現在は完成したキーホルダーを、asobi基地のメンバーが信頼できると確信した保育士に配布する準備をしています。

マークに先駆けて、プロモーション用ステッカーを「KURASOU.」「がっこうの縁側」など、asobi基地が協賛するイベントで配布しはじめました。

受け取った人がノートPCや水筒などに貼っていると「そのかわいいマーク、いいね。なあに?」と聞かれることもあるのだとか。一歩ずつ、でも着実に、保育士マークは広がってきています。

もっとママたちに、手をさしのべたい

保育士マークはどのようにつくられたのでしょう。相原さんと、asobi基地の代表・小笠原舞さんにお話を聞きました。
 
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相原さん(左)と小笠原さん(右)

小笠原さん asobi基地の保育士が、ある日こんな話をしてくれました。「電車で赤ちゃんが泣いてお母さんはとても困っていたのに、声をかけられなかった。“保育士なんですよ、私。何かお手伝いしましょうか?”と言えたらよかった」と。

そこで妊婦マークみたいに、保育士ということをPRできるものがあればいいんじゃないか、とピンときました。

相原さん マークをつけている人は街の中で、どんどん声をかけていってもらえたらいいですね。それがマーク自体の認知や意味を広げていくので。

たとえば、どうしても病院へ行くために電車に乗らならなければいけないときもありますよね。子どもが泣いているときに、お母さんと私たちが話すことができたら、少しでも安心して電車に乗っていられるのではないかと思います。

さらに保育士マークには、お父さん・お母さんたちにとってうれしい、こんなメリットも。

相原さん 保育士がどうやって子どもに声をかけているのか、声のかけ方を見て、どうやって声をかければ泣き止むかなどのコツにも、気づいてもらえると嬉しいです。

子どもの専門家が子どもをあやす様子を見る機会は、なかなかないはず。保育士マークは、お父さん・お母さんの困りごとを助けてくれるだけじゃなく、子育てに関する新たな気づきを生みだすきっかけも与えてくれそうです。

保育士達が街に出ることで、子育てしやすい社会へ

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asobi基地の一コマ

子育て中のお母さん・お父さんにはありがたい保育士マーク。実は、保育士のみなさんにとっても、得られるものがあるようです。

相原さん 一歩踏み出す勇気が出ます。

退勤しても、保育士はやっぱり子どもが好きだから、子どもが困っていると気になるんですよ。でも控えめで優しい人が多くて、街に出ると自分からはなかなか声をかけづらいんですよね。だからこそ、このマークが後押しになればと思います。

さらに相原さんは、「保育士の意識向上にもつながる」と言います。

相原さん 「私は保育士です!」と鞄などにつけて外に出ることができたら、自分たちの役割について改めて知り、保育園以外での役立ち方も見つけられると思うんです。

待機児童問題などは、園の中にいると事態の大きさが分からないこともあります。自分の所属する市町村はどれくらい待機児童がいるのか、対策はどうなっているのか。マークを持つことで、自分たちの業界・分野での社会の情報をきちんと仕入れて向上していこう、という気持ちになるといいな、とも考えています。

「“このマークが欲しい!”と、マーク自体がモチベーションになるのもアリ」と話すのは、小笠原さん。

小笠原さん ゆくゆくは、このマークを持っていることで責任ある立場を任されるようになったり、たとえば給与にプラス一万円を加算されたりと、保育園の中にもいい影響を与えられるといいですね。

さらに小笠原さんは、保育士マークをきっかけに、保育士の新しい活躍の場を生み出すことも考えています。

小笠原さん 保育士は素晴らしいお仕事ですが、潜在保育士が多いのも事実。もし、保育園以外での雇用があれば、もっともっと子育てしやすい社会がつくれるのではないかと考えています。

たとえば、駅ビルの授乳室で一日4時間くらいのバイトがあったら、元保育士さんは勤めやすいかもしれないですよね。子育て中の人も、保育士さんがそこにいたら、授乳ついでに育児相談にでも行ってみようかな、と思うのではないでしょうか。

保育園がない場所で経験値をおすそ分けしていく。その積み重ねで「社会を変えるなら、保育士だ!」と憧れられるようになったら最高です。

“社会を変える保育士”たちの登場を夢見て。ふたりの想いは、続いていきます。

人生最初のコミュニティは、家族

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保育士マークとasobi基地。どちらも子連れで外に出ることが楽しくなる仕組みですが、小笠原さんはどのような想いで取り組んでいるのでしょうか。

小笠原さん 親も子もなんでも話せる家族になるといいな、という願いがあります。

asobi基地は、大人も子どもも自分らしくいられて失敗もできる場であってほしいんです。保育士マークも、親が誰かを頼れる仕組み。親が「ママ失敗しちゃったよー」と言ってくれたら、子どもだって「ぼくも実は…」と話しやすいですよね。

失敗をちゃんと話せて、「がんばろうよ!」と励ましてもらえる。丸ごとありのままオッケーというのが家族本来の姿だし、役割なんだと思います。この世に生まれて、人生で初めて出会う最初のコミュニティは家族ですから。

子どもの専門家を探すと、子育て支援センター・園・学校など閉じた一定の世界にまとめられている現在。専門家がマークをつけて社会に散らばっていくことは、父親・母親の手助けや保育士の地位向上のみならず、社会の子育てへの考え方を変えていくことにもなりそうです。

社会とつながる保育士コミュニティへ

6月末、目標金額を大きく上回る金額でクラウドファウンディングを終えた「保育士マーク」プロジェクト。最後に、リーダーの相原さんに今後への想いを聞きました。

相原さん ここからがスタートだな、と思います。いただいた支援をどう還元するか。社会とつながる保育士のコミュニティをどうつくっていくか。

asobi基地をつくるキャストや来てくれる家族の方々がこの取り組みをSNSでたくさんシェアしてくれたことで、asobi基地を開催したことのない地方の人にも数多く応援してもらいました。

これほどまでに保育士が世に出るということが支持されたことに胸をはって、保育士の新しい立ち位置をつくっていきたいですね。

今後は、保育士マークをもつ子育ての専門家に向けた研修を行ったり、日々の活動を分かち合うSNSを軸にしたコミュニティをつくったり、といった方法で保育士マークの認知拡大に向けて動き、初回500個制作した保育士マークはセミナーやasobi基地などを通して、保育士や専門家に配布をしていく予定です。街で保育士マークを目にする日も遠くないかもしれません。

子育ては、親と先生だけでするものではなく、社会にいるみんなでするもの。このマークは、そんな未来を物語っているのではないでしょうか。もし街で保育士マークをつけた人を見かけたら、子育てや子どもについて、ちょっと話してみませんか?