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「出会える、繋がる、広がる!」”関西の未来をつくる”アイデアをシェアする「第二回マイプロCAMP関西編!」 [イベントレポート]

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特集「マイプロSHOWCASE関西編」は、「関西をもっと元気に!」をテーマに、関西を拠点に活躍するソーシャルデザインの担い手を紹介していく、大阪ガスとの共同企画です。

社会が抱える課題を解決する「ソーシャルデザイン」。どんな大きな課題解決も、まずは“問いかけ”からはじまります。その“問いかけ”をみんなで楽しくシェアする場、それが「マイプロCAMP」という呑み会です。

大阪では昨年の5月に続き、第2回目となる「マイプロCAMP関西編」が2014年3月20日に開催。greenz.jp上で、事前告知情報が何と、約700シェアされる注目イベントになりました。

greenz.jpではこれまで大阪ガスと一緒に、関西でマイプロジェクト(自分ごとからはじまるソーシャルデザイン)に取り組む人々にフォーカスし、「マイプロSHOWCASE関西編」という連載を展開してきました。この日はその中から特に人気記事となったプロジェクトの主催者4組を、ゲストとしてご招待することに。

会場は、昨年オープンした大阪の新名所「グランフロント大阪」ナレッジキャピタルエリア内にある、大阪ガスの都市魅力研究室。イベント開催時刻の19時前から、学生や社会人など約40名が続々と詰めかけました。

イベントキックオフ!

いよいよ19時にイベントがスタート。まずは、大阪ガスの社会貢献推進室室長の江本雅朗さんからご挨拶を頂きました。

江本さん 大阪ガスはgreenz.jpさんと一緒に、一昨年から「マイプロSHOWCASE関西編」を行ってきました。その背景には、「関西が元気にならないと、大阪ガスも元気にならない。関西を元気にするソーシャルデザイナーのみなさんを応援したい」という思いがあります。

大阪ガスは来年で設立110年という、古い会社です。だからこそ、最先端の人たちと一緒に、新しい関西をつくっていきたいと思います。

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大阪ガス株式会社社会貢献推進室長の江本雅朗さん。会場となった都市魅力研究室は、新たな都市の魅力や価値を創造するための場として設けられました。

続いてgreenz.jp発行人の鈴木菜央より「マイプロCAMP」についての説明を行いました。

菜央 greenz.jpは2007年から定期的に「green drinks」というイベントを開催していますが、「マイプロCAMP」はその派生型。最初はゲストを招いて面白い話を聞く、ということをやっていましたが、みなさんの中におもしろいネタがいっぱいあることに気づき、誰もが主役になれるイベントをということではじめました。

「マイプロCAMP」の流れは次の通り。

・参加者の中から8名にお題(みんなに聞きたいこと)を発表してもらいます。
・8名は「なぜそれを聞きたいのか」を説明(1人1分ずつ)。
・8名以外の参加者は、どこの話し合いに参加するか決める。
・グループに分かれてディスカッション(30~40分)。
・話合いの成果を紙にまとめる。
・お題を発表した人は、1人1分ずつ話し合いの内容を発表して共有。

アイスブレイク!

説明の後は、大阪ガスの江本さんの発声による乾杯。みんなワンドリンクを片手に元気よく乾杯した後、隣の人2、3人と簡単な自己紹介を行いました。「なにしに来たの?」といった簡単なコミュニケーションですが、一瞬で場の空気がゆるみ、あちこちからはずんだ声が聞こえてきました。
 
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学生から社会人まで、実にさまざまな職種と立場の人たちが交流しました。

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会場では軽食とドリンクが用意されました。

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初めて会う人ともすぐに打ち解けてしまう雰囲気。1人で参加しても楽しめるムードです。

場がひとしきり暖まった後、会場から8人がお題を発表。そして約30分間のトークタイムに突入。一体どんな“問いかけ”が持ち寄られ、どのような話し合いになったのか、見てみましょう。

大学生が村留学したくなるには?
村木勇介さん/教育プログラム運営団体「PaKT

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green drinks Kyotoのオーガナイザーも務める村木勇介さん。

村木さん 「PaKT」という教育プログラム運営団体で、大学生が9日間村に留学するプログラムに取り組んでいます。留学が終わったあとも地域の人と関係を築いていくようにしたいのですが、村留学よりも、海外に行きたいという人が多い。どうしたら村留学を選んでもらえるかを聞きたいです。

「サバイバル×ギャップ」
携帯を持たずに村に放り込まれて、突然鳥をさばいて食べよう、という具合に、「サバイバル感を出してはどうか?」また、「フォトショップなど、ウェブの技術を村で学ぶような、ギャップのあるプログラムを組んだらどうか?」という話が出ました。

夢の病院は?
萩原雅美さん/NPO法人「チャイルド・ケモ・ハウス

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NPO法人「チャイルド・ケモ・ハウス」萩原雅美さん。

萩原さん 日本ではじめての小児がんの専門治療施設、「チャイルド・ケモ・ハウス」を建てました。自分の娘が小児がん(白血病)にかかり、苦労や葛藤、色んな想いを抱えながら過ごしたことが設立のきっかけです。「チャイケモ」のコンセプトは夢の病院。ですから今日はみなさんに、夢の病院はどんな病院かをお聞きしたいです。

健康であることと病気とを分けないで考える
地域で一番おいしいレストランが入っている病院など、もっと地域に開かれた、あるいはひとつの街のような病院があると聞きました。また、病気になってから病院にいくのではなく、「健康な状態のときから病院との何らかの関わりをもっていく」という話が出て参考になりました。

どうやったら林業を六次産業化できる?
廣瀬佑子さん/フリーランスデザイナー

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地域おこし協力隊として奈良に移住する廣瀬佑子さん。

廣瀬さん 4月から地域おこし協力隊として、日本有数の林業地域である奈良の吉野に移住します。林業は、儲からない、体力的にもきつい、危険、と言われがち。このような面を強調して林業の大切さを理解してもらうのではなく、新しい林業の六次産業化を考えたい。

林業×◯◯
そもそも「六次産業化ってなに?」という話が出ました。一次産業が加工(第二次)や流通(第三次)を掛け合わせるというのは、面倒くさい(笑)。林業×テーマパークとか、林業×恋(婚活)など、もっとおもしろいものを掛け合わせたり、アウトドア用品のブランドとも一緒に企画したりなど、おもしろいことができたらいいなという話になりました。

夢はありますか?
北岸博樹さん/フリーランスライター

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はっきりとした口調でプレゼンしてくれた北岸博樹さん。

北岸さん 学生への就職活動支援をしています。最近、学生と話をしていると「夢がない」と聞きます。一方、産業の側を考えると、林業や医療関係など様々な仕事があります。仕事の大切さがわかれば、この仕事をしてみたいと思ったり、未来を明るくすることにむけて、色んな人が育ったりするんじゃないかと思います。そこでみなさんの夢を聞いてみたいです。

好きなことを追究すると仕事になる
僕の家族や友人が癌で闘病したり亡くなったりしています。夢を持っているのに、生きられないといった姿を見てきました。働き方が難しい時代なのか、夢を持っている大人が少ないのか。そんな中で、今日お題を発表された「Oh!Bento Labo」の松本さんのように、好きなことを追究すると、それが仕事につながっていく可能性もあります。そういう先駆者の方にもっとお会いしたいと思いました。

あなたの心に残るお弁当は?
松本希子さん/「Oh!Bento Labo

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「みなさんお弁当にはひとネタあるはず」と語る松本希子さん。

松本さん フェイスブックのコミュニティで「Oh!Bento Labo」を主催しています。日本の食文化の中でお弁当をいかに楽しめるか、をテーマにしています。今日は「あなたの心にのこるお弁当って何ですか?」という話をきかせてもらいたいなと思います。

日本独自のコミュニケーションツール
お弁当を理由にお母さんとケンカしたり、お母さんの代わりに、妹さんがお弁当を作ってくれたり、など、お弁当にまつわる思い出をお聞きしました。日本ではおなじみですが、海外ではお弁当そのものがありません。これは日本ならではの食文化。お弁当を介して、もっと家族の思いなどを感じてもらえたらいいなと思います。

写真で奈良をおもしろく!
山本あつしさん/クリエイティブ・イントロデューサー

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クリエイティブ・イントロデューサーの山本あつしさん(写真中央)。

山本さん 写真を通して、奈良のおもしろさを発信したいなと思います。みなさん、奈良って聞くと何を思いうかべますか? 鹿とか、大仏とかだと思うのです。でも実は南に行けば行くほど、おもしろいものがあったりするんです。というわけで、写真で奈良をおもしろくする方法を皆さんで考えたいなと思います。

そもそも誰に伝える?
まず、「色んな情報が埋もれてるよね」という話から始まりました。あと、隣で話をしていた「森の案内人」の三浦さんは、FBで18,000も “いいね!”がついている。そこからヒントをもらって、「毎日写真をアップすることって大事だね」という話も出ました。

さらに、例えば修学旅行生などにカメラを渡して、「もっと多くの人と一緒に写真をアップしたらどうだろう?」という話も。でも、大前提として、そもそも誰に伝えるのか。まず「奈良の人が奈良の良さに気づくことが大事だよね」という話になりました。

あなたにとって母とは何ですか?
恵夕喜子さん/NPO法人「ママの働き方応援隊

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参加者に熱心に問いかける恵夕喜子さん(写真右から2番目)。

恵さん ビジネスシーンでは赤ちゃんがいるとハンディキャップになると考えられがちですが、逆転の発想で「赤ちゃんがいることが仕事になる」という「赤ちゃん先生プロジェクト」に取り組んでいます。いじめ、自殺、虐待などを、赤ちゃんの力を使って解決することと、母親の働き方の革命を着地点としています。

先日読んだ「母という病」という本の中に「恋愛関係や対人関係はすべて母との関係に根付いている」とありました。そこで今日はみなさんにとっての母は何か、を聞かせてもらえたらと思います。

母との関係は育児で変えられる
「反面教師」「生きる道しるべ」などが出ました。赤ちゃんにとって母親に認めてもらえるかは、その子の人生に大きな影響を与えます。もし過去に母との関係で傷つく出来事があっても、自分が子育てをするときに、解消できるんです。独身の人にも、そのことをもっと知ってもらえたらと思いました。

街と森がどうしたらうまく混ざるんだろう?
三浦豊さん/「森の案内人

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「森の案内人」の三浦豊さん(写真中央)。

三浦さん 北海道から沖縄まで、色んな人と色んな森を歩いています。僕、違う同士が結びつくってすごいクリエイティブやと思うんです。そこで「街と森が出会ったら、最高ちゃうん?」と思ってます。日本って森がこんなにすばらしいのに、街にいてそれが感じられないのはすごく淋しい。もっと街と森が混ざったら、すごく素敵なことが起こるんじゃないかなと思います。

“これから生まれる森”を共有したい
森を損なわれた存在と思うか、これから生まれてくると思うかで、まるで変わってくるんじゃないかって思っています。僕はこれから生まれてくるものとして感じたい。はっきりとした結論は出ませんでしたが、こういうテーマを色んな人と共有していきたいなと思います。

参加者の方からは「自分が参加したトーク以外にも、全ての議題が自分の生活につながっている。何かしら関わっていきたい」といったとてもポジティブな感想が寄せられました。22時のイベント終了時刻になっても、その場を立ち去りがたいほどの大盛況。

これを書く私も、実は「マイプロCAMP」は初参加。その醍醐味は、話し合いの結論を導き出すことよりも、むしろ“問いかけ”を多くの人と分かち合うこと、解決のための“道”そのものを楽しむことでは?と感じました。

日頃様々な活動に取り組んでいる方は、是非遊びにきて下さい。プロジェクトを前に進めるための、新たな仲間に出会えるかもしれません。