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「何もないなら作ればいい!」の精神で、鳥取の楽しめる田舎を作るプロジェクト「トリクミ」

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みなさんには田舎はありますか?地元から離れ、都会へと移り、時折故郷へと思いを馳せながら日々を過ごしているという人は多いのではないでしょうか。

「地域のために何かがしたい」「でも自分の地域には何もない」そんなことを考えて、二の足を踏んでしまっている人もいるかもしれません。ですが、ピンチをチャンスと捉え、「何もなければつくればいい!楽しい事はつくればいい!」をコンセプトに活動している人たちがいます。

全国で最も人口の少ない県・鳥取県で活動している「トリクミ」は、小学校・中学校の同級生たちで、何か地元のためにできることはないだろうか、と考えた人たちが集って始めたプロジェクトです。

鳥取と東京をつなぐ「トリクミ」

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トリクミの活動の根幹は、鳥取と東京をつなぐこと。地元の農家や商品を作っている人たちと組み、マルシェを開催したり、地域のおみやげも一緒に作ったりしているそうです。

トリクミの活動について、古田琢也さんにお話を伺いました。

トリクミ 古田さん
「トリクミ」代表の古田琢也さん

トリクミでは鳥取を楽しく元気にするべく、商品企画から商品販売、情報発信やイベント活動などさまざまな活動を実施しています。

今後は、さらに活動の幅を広げていき、地元・鳥取を元気にすることはもちろん、地域関連のプロジェクトのモデルケースになっていきたい!と考えています。

トリクミのみなさん トリクミのみなさん

トリクミの活動をスタートさせた当初、具体的に何をするのかは決まっていなかったそうです。

まずは想いだけがあって、何をするのかは固まっていませんでした。”地域づくり”のようなものかな、と考えていたのですが、”地域おこし”や”地域づくり”という言葉に違和感を持っていました。

田舎に住んでいる人たちの、自分たちの生活に対する満足度は案外高いんです。それを「盛り上げよう!」と言うのは、自分たちのような都会経験者や都会から来た人たち。主役はあくまでその地域に暮らす人たち。自分たちがやりたいことを発信するよりも、地域の人たちがやりたいことをアシストする存在になりたいと考えて活動しています。

田舎をエンターテイメントに!

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地域づくり自体がネガティブな言葉なのでは、と古田さん。「盛り上がっている」の基準を、都会に合わせるのは、田舎を東京など都会に近づけることです。田舎は田舎の特色を持った状態でいいはず。トリクミでは「地域づくり」などとは違う捉え方を模索していました。

田舎に行くこと、暮らすことを楽しめるものにしたいと考え、「田舎エンターテイメント」という言葉を使うようになりました。アウトドアって、「アウトドア」という定義がなかったら、ただ外で寝たりすることになってしまって苦痛ですよね(笑)

田舎にこれまでもあったものを発見して、再定義し、発信することで、レジャー感覚的なものにできないかと考えたんです。田舎に関する事を再定義すること、意味付けをすることで、5年後、10年後には無理なく、楽しめる田舎になっているのではないでしょうか。

トリクミがこの「田舎をエンターテイメントに」という考え方を思いつくきっかけがありました。それは、地域の人たちからのコミュニティ施設を作りたいという相談を受けたこと。

馬鹿っぽいけどなんか面白そうじゃん、というキーワードがほしかったんです。「田舎エンターテイメント」という言葉はそれにぴったりでした。

地域のコミュニティ施設を

トリクミが活動しているのは人口が750人ほどの小さな地域。彼らはこの地に暮らすシニア層の人たちから「地域のコミュニティ施設を作りたいと思っています。一緒にやりませんか?」と声をかけられました。

小さいけれど自分たちが生まれた町。その町に対して何かやろう、そう考えたトリクミは地域の人たちとともに地域のコミュニティ施設を作るプロジェクトをスタートさせます。

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自分たちが育った街ですし、ぜひとも挑戦したいと思いました。鳥取に暮らすトリクミのメンバーはカフェを運営したりもします。

農業をずっとやってきた地域なので、飲食とコミュニティスペースの他に、農業支援のスペースにしようと思っています。農業について何かわからないことがあれば聞くことができる農業を伝承する場所としても機能させたいと考えています。

農業に触れる場所を

ゴールはまだ明確ではない、と古田さんは語ります。まだ明確ではないものの、小さいけれどそのコミュニティ内で経済を回したい、そう考えているそうです。

鳥取に関連して何かすることで、地元に残っている同級生や下の世代を元気づけたいと思っています。まちが好きな人と自分も何かまちのやってみようと思える人を増やしたい。交流する場所を作り、志を同じくする仲間を見つけやすくなれば、その土地の若者もやる気が出るのではないでしょうか。

トリクミによるコミュニティ施設を作るためのプロジェクトは、本日よりクラウドファンディングサイト「Readyfor?」で資金集めを開始しています。

出身地域に関係なく、地元に対して何かしたいと考えている人にはぜひ私たちのプロジェクトを見てほしいですね。

地域のために何かをしたい、そう考えている方はぜひチェックしてみてください!