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街を走る自転車利用者に「頭を使わせる」、ヘルメット普及キャンペーン「NUTCASE OUTDOOR FITTING ROOM」[Cannes Lions2013]

NUTCASE'SOUTDOORFITTINGROOM2

連載でお届けしているカンヌ2013のソーシャルグッドな受賞作、今日はデンマークからの受賞作をお届けします。

コペンハーゲンは坂が少なく、自転車道が整備されていることもあり、自転車がビュンビュン走っています。市民ひとりあたりが1台という数で普及している自転車は、ちょっとした用事のために乗るものではなく、もはや主要な交通機関と言えるでしょう。

そんなに自転車が普及している割に、サッパリなのがヘルメットの利用。ヘルメットをかぶって自転車に乗るのはカッコ悪い、という風潮が、その普及を妨げているんですね。そこで、無防備な頭で走り回る人たちにヘルメットを試してもらおうと、ヘルメットブランド「Nutcase」が、街中にユニークな「試着室」をつくりました。

「Nutcase」が活用したのは、自転車道の標識。標識のポールがボコッと凹んでいて、そこにスタイリッシュなヘルメットがはまっているのです。

わっ、何これ。と思ってヘルメットの内側を見ると「頭を使おう。そしてNutcaseのヘルメットを使おう」というメッセージが書かれています。

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ポールにはまったヘルメットに頭を入れた写真をソーシャルメディアに投稿するとヘルメットが当たるというプレゼントキャンペーンなども合わせて行ったとこから、ソーシャルメディア上ではヘルメットをかぶった人たちの写真があふれることに。

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なんと17万人もが参加したこのキャンペーンは、たくさん人に、そういえば頭を守るって大事かも、ヘルメットもオシャレなものを選べば悪くないかも、と思わせることに成功しました。

安全のためのヘルメットなどは、積極的にお店に行って試してみようとは思いません。なので、逆に街に出て行ってたくさんの人に試してもおう、という風に発想を逆転させたんですね。そして、自転車に乗る人じゃなくても目を見張るような表現。すばらしく「頭を使った」キャンペーンですね。

カンヌライオンズ受賞作の連載はまだまだ続きます!引き続きお楽しみに。

(翻訳協力:モリジュンヤ