12/21(木) green drinks Shibuya「ご近所づきあい2.0」を考える

greenz people ロゴ

あたたかい木のぬくもりに触れよう。
東北の山が育んだフェアウッドでつくる「森の食器」ワークショップ

01

震災からの復興に取り組む岩手、宮城、福島を”フェアウッド”で応援したいという想いから始まった、「フェアウッド東北支援シリーズ」。フェアウッドとは、伐採地の森林環境や地域社会に配慮した木材・木材製品のことですが、今回は、東北の山が育んだこのフェアウッドを使った親子のワークショップをレポートします。

港区立エコプラザで開催された「森のワークショップ 親子でつくろう森の食器」イベントは、東北のフェアウッドである国産広葉樹で木の皿とバターナイフをつくるワークショップ。講師は、福島県の南会津町の雪深い山間で、良質な木製品を作り続ける「きこりの店」の小椋淳美さん。サンドペーパーがけをし、オイルを塗って木の皿とバターナイフを仕上げるというこのワークショップには、小学校2〜4年生と保護者の方25組ほどが参加しました。

東北の森と、世界の森についてのお話

いよいよワークショップが始まって、まずフェアウッドカフェの三上雄己さんから、日本の森やフェアウッドについてのお話がありました。

日本は、国土の70%が森林に覆われた国だって知っていましたか?木っていうのは、いろんなところにあるんですよね。ところが、その木が国内で使われているのは30%くらい。どういうことかというと、伐採しているのに、海外からの木材のほうが安かったりするので、使われないまま森に放っておかれているんです。日本だけではなくて、世界中でそんなことが起こっています。

森には、動物たちがたくさん住んでいる。先住民が暮らす森もある。動物や先住民たちの“家”が、どんどんなくなっているんですね。森を壊さないように伐採された木をちゃんと使いましょう、動物や先住民たちの“家”を奪わないようにしましょう、という考え方を「フェアウッド」と呼んでいるんです。

さらに、お話は続きます。

これはちょっと頭の片隅に入れておいて欲しいのですが、森を壊さないように、動物や先住民の“家”を壊さないようにつくられた製品を認証する動きがあります。私たちの身の回りには椅子やテーブルなど、身近なところにたくさんの木材製品がありますが、こうしたものに認証があるかどうか、いつか自分で買うようになったときには、思い出してくださいね。

フェアトレードは聞いたことがあっても、フェアウッドって聞いたことがないよね?と語りかける三上さん(写真提供:フェアウッド・パートナーズ)

フェアトレードは聞いたことがあっても、フェアウッドって聞いたことがないよね?と語りかける三上さん(写真提供:フェアウッド・パートナーズ)

それでは、実際に木工のしごとをしている方のお話も聞いてみましょう。福島県、宮城県、岩手県の三県の木工の盛んな地域で、森とともに暮らし、そこから出てくる木材を使って丁寧に木の食器やカトラリーを作り続けている人々を取材したときのビデオです。

あたたかい木のぬくもりを感じながら、お皿とバターナイフづくり

講師を務める小椋淳美さんから、今回のワークショップで使われる木についての説明がありました。

講師の小椋さん(写真提供:フェアウッド・パートナーズ)

講師の小椋さん(写真提供:フェアウッド・パートナーズ)

今日のワークショップで使うのは、福島県にある南会津町の広葉樹「桂(かつら)」です。彫刻や囲碁の盤として使われる木の種類ですが、桂の木は近年希少で、名人が使うような高価な囲碁盤は一台1,000万円になるものもあります。柔らかいので、囲碁をうったときにいい音がなることから、昔からよく使われてきました。

1,000万円という金額には、参加された大人たちもびっくりした様子。子どもたちは、目の前に置かれたお皿とバターナイフになる木片を触って、木の感触を楽しんでいました。

さて、いよいよ制作スタートです。

サンドペーパーでお皿やバターナイフを一生懸命こする子どもたち

サンドペーパーでお皿やバターナイフを一生懸命こする子どもたち

大人たちも真剣な表情で、黙々と作業をしています

大人たちも真剣な表情で、黙々と作業をしています

木の種類ってこんなにたくさんあるんだ!と目を輝かせる子どもたち。触ったり、匂いをかいでみたり(写真提供:フェアウッド・パートナーズ)

木の種類ってこんなにたくさんあるんだ!と目を輝かせる子どもたち。触ったり、匂いをかいでみたり(写真提供:フェアウッド・パートナーズ)

最後に、蜜蝋とエゴマ油でできたオイルを塗って完成!上手にできたかな?

最後に、蜜蝋とエゴマ油でできたオイルを塗って完成!上手にできたかな?

講師の小椋さんから、木についてや、メンテナンス方法についてのお話がありました。

今みなさんが手に持っている桂の木は、広葉樹という種類なんですが、樹齢は100歳くらいなんです。もうひとつ、針葉樹という種類の木もありますが、針葉樹は40〜50歳くらいで切り出されるものが多いです。森のなかで木が育つには、とても時間のかかることなんです。

また、木によっていろいろな特徴があります。針葉樹のほうが軽くて、柔らかい。広葉樹は固いので、削ったりするのも大変です。それから広葉樹は、中に水が多く入っているので、木工製品をつくるときは、その中の水を乾かさないといけないんです。3cmの厚みの木材を使えるような状態まで乾かすのに1年かかります。そしてさらに人工乾燥機にかける。だから、ここまで来るのに、とても長い年月がかかっているんです。

さらに、木の食器のメンテナンス方法についても。

木には弱点があります。それは、水と日光。木のお皿は、濡れたままにせず洗ってすぐに拭くのがいいですね。日光をたくさん浴びると、形が変わったり色が変わったりすることもあります。ぜひ長く使ってくださいね。

子どもたちに木の説明をしながら、作業を見守る小椋さん

子どもたちに木の説明をしながら、作業を見守る小椋さん

東北3県の木工職人さんたちの手で丁寧に作られた木工品の展示販売も

東北3県の木工職人さんたちの手で丁寧に作られた木工品の展示販売も

木のあたたかみにたくさん触れた1時間半ほどのワークショップ。参加した子どもたちはもちろん、大人たちも、実際に木を削ってみることで、木のぬくもりを感じ、木を理解することにつながったようです。

また長く使うことで木の味わいが増すことも魅力の一つ。みなさんもまずはお持ちのものから見つめ直してみませんか。