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サポーターコミュニティプラットフォームが、継続的なプロジェクト、創作活動支援を可能にする

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人を魅了するコンテンツを作り出すクリエイターが、コンテンツを作り続けていくには、コンテンツを受け取る人々の支えが必要になります。

ソーシャルチッピングプラットフォームとしてサービスを提供していた「Grow!」がサービスをリニューアルし、クリエイターがサポーターコミュニティをつくることができるサービスにリニューアルしました。

サポーターコミュニティのプラットフォーム


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新しい『Grow!』では、サポーターを募りたい人がコミュニティを立ち上げることができます。この際コミュニティのオーナーとなる人は、サポーターになると得られる特典(コンテンツ)、月々のサポーターの会費を設定し、そのページ上でサポーターを募ることができます。

今回のリニューアルと、クリエイターを支援する体制に関して、Grow! Inc. CCOのカズワタベさんと、今年書籍『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック クリエイティブ・コモンズによる創造の循環(以下、フリーカルチャー)』を出版されたドミニク・チェンさんにお話を伺いました。

『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック』は、現代の著作権法の問題点、オープンカルチャーの様々な論点、オープンソースの歴史などを簡単に整理しながら、インターネットの歴史と現代におけるクリエイティビティのあり方、さらに社会の発展のためのヒントをわかりやすく解説した入門書です。

ドミニクさんは新しい著作権ルールの普及を目指す特定非営利活動法人「クリエイティブ・コモンズ・ジャパン」の理事でもあり、今回同団体でもGrow!のコミュニティを開設し、サポーターの募集を開始されています。

継続的なクリエイター支援を可能にする仕組み

ドミニクさん 前回話をしたときはまだボタン機能を提供していましたね。今回リニューアルして機能が変更されたわけですが、Grow!ボタンをやって気づいたことは何だったんですか?

ワタベさん 一番は継続性が不足しているということでした。クリエイターの作品単体の評価だけでなく、彼らの活動全体に対して支援したいという気持ちの方が需要があるんじゃないかと考え、その気持ちを目に見える形にしていくための仕組みを、より継続性に優れた形で提供したいと思ったんです。

ドミニクさん 応援したい気持ちは一過性じゃないってことですね。

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(左)カズワタベさん、(右)ドミニク・チェンさん

ワタベさん 人は誰かが生み出しているコンテンツだけではなく、他の側面からも魅力を感じて、応援したくなるんじゃないかと思います。たとえば、その人のライフスタイルであったり、発言であったり、容姿であったり。それに気づいて、コンテンツ単体を評価するという今までの仕組みは、支援者と被支援者、どちらにとっても少しハードルが高いものなんじゃないかと思うようになりました。

ドミニクさん ボタンではなく、サポーターコミュニティになったことによって、以前よりさらに気持ちよくお金を払えるようになりましたね。「応援してる」という気持ちを示しやすくなった。

ワタベさん Grow!でどこかのコミュニティのサポーターになることはJOIN(参加)という感覚に近いです。サポーターになると、当事者になった感覚がするんですよね。これは気持ちのいいお金の使い方ですよね。こういった血の通った体験がたくさん生まれるプラットフォームになったらいいなと思っています。

ストック型とフロー型の収入

ワタベさん ドミニクさんの著書『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック』の中に頻繁に書かれていましたが、クリエイターへのリスペクトは今後とても重要な要素になっていくと思います。多くのコンテンツが「フリー」に向かっていく中で、値段がつかなくなっても、価値はまごうことなく残っているからです。ただ、リスペクトだけでは食べていけない。それを実際のお金や、なにか目に見える形に落とし込む仕組みを持つことができれば、彼らはもっと創作を続けやすくなると思うんです。

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ドミニクさん 有名なミュージシャンでも、CDの売上だけで生活することが難しくなっている。それと同時に、好きなことを続けるためにどれくらいのお金が必要なのかもわかってきた。サポーターコミュニティという仕組みで、そのお金を集めようと思うと、サポーターの目標数も決まってくる。そのある程度明確になった目標をベースに、そこに向かって頑張っていく人が増えれば、サポーター獲得やコミュニティの維持に関するノウハウもたまって、後に続く人たちが継続的なお金を得やすくなっていくんじゃないのかな。

ワタベさん 音楽であれ、その他のことであれ、活動って継続していると、ある程度続けるのに必要なランニングコストが見えてきます。このコストは毎月かかる金額がある程度決まっているのに対して、多くの創作による収入はフロー型になっている。積み重ねることができる収入のない状態では「予算感」をなかなか持つことが出来ず、活動の継続に悪影響を及ぼします。定期的な収入が得られる仕組みは、活動を継続していくためには必要不可欠なんですよね。

継続した関係であれば応援に足る相手か判断しやすい

ドミニクさん 同じように、多くの人からお金を集める仕組みだと、Kickstarterのようなクラウドファンデングの仕組みがありますね。あの仕組みだと、プロジェクトを立ち上げている人がどれくらい長期的に本気なのかがわかりにくいという問題点があるんじゃないかと思っています。たとえば資金調達に成功したプロジェクトも、半年後も活動を継続できているかがわからない。

ワタベさん クラウドファンディングの仕組みではそこは担保しづらいですよね。一方で優秀な点もたくさんあって、期限や目標値の設定による支援者・被支援者双方のモチベートなどは参考になる点がたくさんあります。Grow!では継続的な活動を行なっている人を対象としつつ、クラウドファンディングの良い点を取り入れていければと思っています。

クリエイティブ・コモンズがコミュニティを立ち上げる


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ワタベさん 今回、ドミニクさんが理事を務める特定非営利活動法人(NPO)であるクリエイティブ・コモンズ・ジャパンにもコミュニティを開設していただくことになったんですが、同様にNPO団体がGrow!でコミュニティを運営して、支援者を集めていくというのは非常に良い組み合わせなのではないかと思います。

クリエイティブ・コモンズ・ジャパン含め多くのNPO団体では、今までも寄付や賛助会員を募っていましたが、これらの手段と比較してGrow!には2つの特徴があります。ひとつは「支援者が可視化される」ということ、もうひとつは「運営者・支援者を含めたコミュニティとして機能する」ということです。

これにより、より参加意識が強い人が集まったり、継続的なコミュニケーションによって活動が良い方向に向かう効果を期待しています。

ドミニクさん Grow!がボタンだった時期にクリエイティブ・コモンズ・ジャパンが連携を開始した時は、機能だけではなくその思想哲学に共鳴したという理由も半分ぐらいありました。なので今回、継続サポート形式に生まれ変わったGrow!と引き続き刺激的なフリーカルチャーを作るために連携を続けるのは自然な流れだと思っています。

クリエイティブ・コモンズ・ジャパンは現代のクリエイターが創造的な仕事に集中できるためのお手伝いを今後とも行っていければと考えていますが、Grow!を通してサポーターの方たちと新しいクリエイターの生き方を一緒に模索したいとおもいます。あと、サポーターがたくさん集まれば、ネットと連動したライブイベント企画をもっと実施したいと思っていますので、コミュニティのサポートをぜひよろしくお願いします

(インタビュー終わり)

サポーターコミュニティが必要なのはクリエイターだけではありません。自分のプロジェクトを進めていきたい人は、その活動やプロジェクトにかける自分の想いを誰かに応援してもらえるだけで、活動を継続するためのエネルギーを受け取ることができます。

継続していきたい自分の活動がある方は、サポーターコミュニティをたちあげてみてはいかがでしょうか。

サポーターコミュニティについて調べてみよう。

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