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地元のためにあなたも支援ができる、地域のためのクラウドファンディング「FAAVO」。宮崎をはじめ他の地域にも展開中!

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CAMPFIREやReadyforなど、クラウドファンディングが何かと話題です。クラウドファンディングとは、志を持った人や団体に対して、ネットを通じて支援金を集める仕組みのこと。これを地域活性の活動に生かしたのが、今日ご紹介する「FAAVO」です。

企画した齋藤隆太さんは宮崎の出身で、自分が地元に直接関わることはできないけれど、地元のことは気になるし何かできる仕組みがつくれないか、とこのサイトを立ちあげました。同じような気持を地元に対して持っている人は多いはず。宮崎版をはじめ、次は新潟と他の県にも展開中です。

「FAAVO」とは?

「FAAVO」は、各地域のために活動する団体や個人を、遠方に住む人でも支援金を提供する形で応援できるサービスです。今年の6月に第一弾として公開された宮崎版「FAAVO宮崎」には、宮崎を元気にするためのプロジェクトがずらり。これまでに8件のプロジェクトが掲載されていて、これまでのところ全てのプロジェクトが目標額を達成して支援金を得ています。

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プロジェクトには「青島の海で、次世代を担っていく子供たちを育むプロジェクト」や「宮崎のレンガ道をアートで彩る!第一回みやざきアートマーケット」など、若い人が中心になって主催するものが多く、これまでに支援した人の数は計205名。

実際始まってみると、FAAVOはお金の面だけでなく、さまざまな相乗効果があることがわかってきました。

宮崎県日向市美々津町で「古事記」をテーマにしたフェスイベントを行おうと「古事記×フェス」のプロジェクトを立ち上げたチームCome Yamatoは、FAAVOで支援が成立して大きな励みになったと話します。それまではメンバーだけで話し合いを重ねていて、果たしてどれくらいの人たちから支持が得られるか不安だったのが、FAAVOに寄せられた多くの応援メッセージを見て、身近に沢山の支援者がいることを知ったのです。

come yamatoのミーティング風景

come yamatoのミーティング風景

また、もともとFAAVOは、地元のために何かしたい県外在住の人たちに、お金で支援できる仕組みを提供しようとつくられた仕組み。ところが意外と多かったのが、いま宮崎に住む地元の人々からの支援でした。今まで、地元にいても知りようがなかった活性化の活動に、地元の人が改めて気付くきっかけとなったのかもしれません。

日本のどこから支援をいただいたが一目でわかる。

日本のどこから支援をいただいたが一目でわかる。

FAAVOをつくった理由

サーチフィールドの齋藤さんは、このサービスを企画した理由を、こう語ります。

僕も宮崎出身で地元のことが好きだし気になるけれど、すぐにUターンできる訳ではないし、地元のために自分が率先して活動ができるわけじゃない。

まず、地元との関わり方は、人によって3つの層に分けられると考えたんです。一番積極的な人は、プロジェクトなどを自ら立ち上げて周りを巻き込んで活動する人たち。僕から見ると、ほんとに凄いなと思う人たちです。そして、その周りに彼らをサポートする支援者がいます。自分で何かを立ち上げるところまではいかないけれど、地元のために何かしたいと思っていて、実際に手を貸す人たち。

そしてその周りに、僕のように気にはなっているけど遠くに住んでいるとか、今は多忙だったり、家族があるとかで何もできない人たちがいます。でも、そんな僕らも何もしていないことへの罪悪感を感じていて。その罪悪感を、このサービスで解消できないかと思ったのが始まりです。

サーチフィールドの齋藤隆太さん

サーチフィールドの齋藤隆太さん

「FAAVO」とは、地方生まれの人が持つFAVORITE(好き、好意)やFAVOR(えこひいき)という気持ちから「FAVO」をとり、その真ん中に、ACTION(行動)を足す意味で、「A」を入れてつくられた名前です。

CAMPFIREやReadyforと比べると、まだ各プロジェクトの目標金額は低めですが、まずは成功体験を増やすことが大切、と齋藤さんは言います。

宮崎でクラウドファンディングのことを説明しても、まだほとんどの人がその仕組みを知らなかったんです。だからまずは、認知してもらうことが大事だと思いました。

今は「FAAVO宮崎」のみ公開中ですが、これからほかの県にも展開していく予定。次は新潟版が9月半ばにアップされます。将来的には、各地域版を、地元のNPOや企業と連携して運営したいと考えていますが、今はまだ自社で主体的に運営を進めることで認知と定着をはかります。

5.FAAVO

地元に友達ができたら帰りやすい

もともと、齋藤さんが所属するサーチフィールドは、ウェブやゲームなどソーシャルアプリのイラスト制作を行う会社で、ウェブサービスの開発を手がけるのはこれが初めてなのだとか。一見クラウドファンディングや地域とは無関係の企業が、なぜ?

僕らもイラストを描いているだけでいいとは思っていなくて、新規事業を立ち上げようという際に、役員のなかで一致したのが、中途半端に儲かりそうなことを考えるのではなく、本気でやりたいことをやろうという意見でした。それで僕がやりたかったこのサービスを提案したんです。

もちろん、企業なので営利の視点はもっていますが、最終的に考えているのは、多くの都市で働く人たちが地元に帰るとなった時に、帰りやすい魅力的な地元をつくること。入口はクラウドファンディングですが、その先に考えているのは、不動産かもしれないし、人材かもしれない。

帰りやすい魅力的な地元、にちなんで齋藤さんは、こんなことも。

大学に入る時や、社会人になるタイミングで地元を離れると、その後なかなか地元の交友関係って広がらないですよね。お正月やお盆に帰っても、中学や高校の時の友達と会うだけで、新しい人と出会う機会がない。だからFAAVOでつながりをつくることもできたらと思っているんです。

これはgreen drinksにも似ているかもしれませんが、交流する場をつくることで、新しい宮崎の知り会いが増えたら地元に帰る楽しみが増えるし、将来Uターンを検討する時にも大きなプラスの要素になると思います。

FAAVO宮崎でつながったメンバーで

FAAVO宮崎でつながったメンバーで

今話題のクラウドファンディングの仕組みを、地域活動限定のツールとして活用するFAAVO。宮崎からスタートし、他の地域にも広がる中で、ますます、地元を盛り上げる活動が増えることが期待されます。