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人のつながりをもう一度。石巻市桃浦で”お祭り”を開催するプロジェクト [CAMPFIRE]

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6月に入り、早いところではもう祭りや花火大会が開催され始めました。各地での祭りや花火大会の開催予定が発表されるなど、少しずつ夏の空気が感じられるようになってきています。昨年は震災の直後ということもあり、開催を自粛するところも多かった夏のお祭り。今年は開催するところが多いようです。

昨年震災にあった宮城県石巻市桃浦でも、夏にお祭りを開催しようという動きがあります。

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もともと桃浦には150人の方が住んでいたそうですが、いまでは3世帯4人を残してほとんどが離ればなれになってしまいました。人が離れてしまい、震災の後最後に残された人のつながりまで失われてしまう、そう考えた区長の甲谷さんは、なんとか桃浦の力になりたいと考えたそうです。

瓦礫撤去などの作業を行いながら、桃浦の人たちの触れ合う中で生まれたアイデアが、「お祭り」を開催しようというもの。桃浦でも以前は、お祭りが団結と活気をもたらしていたそうです。その祭りをまた桃浦の地で開催することで、その土地に住まう人が団結し、人が集まってきます。

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お祭りは開催日当日だけのものではありません。お祭りを開催しようという人たちで、開催する前には準備のために。開催した後は振り返りのために。お祭りの前後も含めて、何度も集まることができます。何度も顔を合わせて祭りを開催するという目的に向かって、団結していきます。

お祭りの当日はお祭りという日常とは少し異なる雰囲気の中、近所に住んでいる人たち、地元の友達、一緒になってみんなで盛り上がり、自分がいる場所、所属するコミュニティを実感する良い機会になるのではないでしょうか。

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今、この桃浦での夏祭りを開催するための費用をクラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」で集めています。募集する費用の内訳は「夏祭りの開催費用」「御神輿の飾り費用」「獅子頭の修繕費」など。

この内訳に含まれている獅子頭は、震災の折、神社の蔵に仕舞われていたものが津波で流されてしまったもの。一度流されてしまった獅子頭が、約20日を経て対岸の瓦礫の中から奇跡的に見つかったのだそうです。

この獅子頭に起こった奇跡を桃浦復興のシンボルに掲げ、夏祭りを開催するための準備をしています。今回、このお祭りの開催を支援し、CAMPFIREで一万円以上のパトロンとなった人は、桃浦五十鈴神社に納める奉銘板への名入れが行われます。

奉銘板(はるか昔から続く寄付台帳)

奉銘板(はるか昔から続く寄付台帳)

今回お祭りを中心に集まった人々、桃浦をなんとか支えたい、元気にしたいと思った仲間の名前が100年以上も残るような場所に残されていくのです。これにより、孫の世代、ひ孫の世代までも交流のきっかけを生み出します。

「お祭り」を機に、一度離れてしまいそうになった人のつながりを再度集め、さらに未来までにわたってつなげていこうというプロジェクトです。このプロジェクトに共感する方はぜひプロジェクトページをチェックしてみてください!