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グリーンズが考える究極のソーシャルデザインはコレ!今こそ知っておきたい「R水素(再生可能水素)」をおさらいしよう [R水素アクションNOW]

photo by Bilal Kamoon  some rights reserved

こんにちは!R水素ジャーナリストの浅倉彩です。

少し前から、greenz.jpにバナーが掲載されている「R水素」。どんなものなのか、いわゆる「自然エネルギー」とどう違うのか、不思議に思っている人も多いのではないでしょうか。

今回は、これまでにgreenz.jpに掲載された関連記事を振り返りつつ、あらためてその正体を整理してみたいと思います。初めての人も、知ってるつもりの人も、Check it out!

誰が始めたの?

「R水素(再生可能水素)」の活動は、ほかでもないgreenz.jpのファウンダーのひとり江原春義氏(以下、ハルさん)のマイプロジェクトから始まりました。ハルさんは、オバマ大統領をはじめ世界のセレブや映画俳優が愛用する自然化粧品「KoGenDo(江原道)」の創業者でもあります。

ビジネスで成功をおさめた起業家が、なぜR水素に注目したのか。日本環境法律家連盟の機関誌「環境と正義」への寄稿文に、その思いをしたためています。なお、ハルさんがR水素という言葉を広め始めるずっと前から、専門家の間では「再生可能エネルギーでつくる水素(つまりR水素!)は究極のクリーンエネルギー」と言われてきました。ただ、その知恵は一部の科学者や業界内に留まり、大衆化する動きが弱かったのです。

左がハルさん。ハワイ大学自然エネルギー研究所名誉教授のパトリック・タカハシさんと。

左がハルさん。ハワイ大学自然エネルギー研究所名誉教授のパトリック・タカハシさんと。

photo by Bilal Kamoon some rights reserved

つまりは、エネルギーの新ジャンル

さて、R水素の情報領域は広く、理系の話と文系の話が混在するので、なかなか全体像がとらえきれない、という声がよく聞かれます。

事実、「人工光合成が究極のR水素」といった具合に、技術を説明する言葉として使われる一方で、「巨大すぎる設備はR水素的じゃない」というように、コンセプトワードとして使われる場合も。

つまり「R水素」とは、流通・小売り業界の構造を一変させた「コンビニ」と同じように、コンセプトとそれを可能にする技術・ノウハウ、法規制や普及政策、消費者の意識と行動などもひっくるめた“新しいジャンル”といえます。まだこの世に存在しないジャンルのものごとを理解するには、読解力だけでなく想像&創造力が必要かもしれません。

水=H2O。身の回りに豊富にあるこの資源を使います。

水=H2O。身の回りに豊富にあるこの資源を使います。

メリットは「貯める」と「動かす」

では、R水素という新ジャンルがどう新しく、どんな価値をもたらすかというと、技術面では主に2つ。

1つは、R(再生可能)エネルギー電力を、水素にすることで、バッテリーを使わずに貯められること。2つめは、電気にし、さらに水素にすることで、Rエネルギーを車やバスを動かせるまでに、濃く凝縮できることです。

Rエネルギーは、電気は貯められない、ということを大前提に、秒単位で消費量にぴったり合わせて発電量をコントロールしてきた人たちに、不安定すぎて迷惑だよ、と言われています。(実際に不安定なのは太陽光や風力で、地熱や小水力は不安定ではありませんが。)ということは、電気を貯める技術は、この、Rエネルギーが置かれた現状の大前提を覆す力を持っているのです。

さらには、それが車をゼロエミッションで動かすのにも使えるとなると、Rエネルギーの価値がグンと上がるわけです。

水を電気で分解すると水素と酸素ができる。「貯める」と「動かす」は、この超シンプルな原理の応用です。

水を電気で分解すると水素と酸素ができる。「貯める」と「動かす」は、この超シンプルな原理の応用です。

1つめの「貯める」に注目したR水素技術は、カナダのベラクーラ地区、オーストラリアのグリフィス大学、日本ではFC R&D社(神奈川県相模原市)バンテック社(栃木県那須塩原市)米倉山メガソーラープラント(山梨県甲府市)などに実例があります。

2つめの「動かす」に注目した技術は、HONDAのソーラー水素ステーション(@埼玉県庁)が代表例。同社の環境安全企画室の方々はgreenz.jpのインタビューで、「ゼロウェイスト」と「エネルギー・セキュリティの向上」というR水素の価値について語っています。

また、オレンジカウンティ(米国カリフォルニア州)のように、「貯める」と「動かす」を両方やっているところもあります。

「エネルギーの獲得」をみんなで手分け

さて、水素により、Rエネルギーを「貯める」&「動かす」ことができるようになると、ありあまるRエネルギーを地域で加工して地域で使い、必要なエネルギーを(電気だけでなく!)すべてまかなえるようになります。これが、R水素のメインコンセプト。

これにより、これまでのエネルギーが抱えてきた、長距離輸送のためのロス・廃棄物汚染・自給率の低迷・権益獲得→採掘→運搬→精製にかかる調達コスト・枯渇リスクといった、数々のリスクや副作用から、社会全体みんなが解放される、という考えです。

これまで国や大企業にまかせきりにしてきた「エネルギーの獲得」という仕事を、地域単位で手わけして進めることで、財政にも地球にも負荷が大きかったやり方を、ぐっとシンプルにできるというわけ。

国のお財布から”永遠の金食い虫”がいなくなることで、台所事情はラクになり、将来浮く分を、医療・教育・福祉などみんなの心がハッピーになる世の中づくりに使えます。今まで集中しすぎていたエネルギービジネスの利益が分散し、地域に今までとは違う新しい仕事が生まれます。資源獲得のための戦争などのかたちで、目の届かないところで知らない間に外国の人々に迷惑をかけることもなくなります。

エネルギーが変われば、世界が変わる。そういう意味で、究極のソーシャルデザインだと考えています。
※そのかわり、「石油王になって贅沢三昧に暮らす」という夢は見られなくなってしまいますが…。

広まるのに必要なのは?

こんなにいいことづくめなのに、なんでまだ実現していないの?

最もよくある質問ですが、実はR水素には、この質問と関係の深い裏コンセプトがあるのです。それは、「自分たちが、自分たちの手でとりに行くものだ」ということ。

原子力はもちろん、石油も石炭も天然ガスも、公共のお金と人を注ぎ続けているからこそ、成り立っているビジネスです。そのお金と人が、R水素にこそ必要です。特に、初期の研究開発とインフラ整備において。ということはキーパーソンは、私たち自身なのです。

政府が何に公共のお金(つまり私たちの税金ですね)を使うのか。税金の使い道にもっとコミットして、責任を持って自分たちや未来の人たちがハッピーになる方向に使うようにと働きかけること。主体的にハッピーな世の中を想像し、志向し、とる行動が政府を動かします。このプロセスもR水素で、これがなければ実現しません。

R水素はみんなのエネルギー

R水素はみんなのエネルギー

最後におさらい。これだけは覚えていってね、R水素legend10。

その1 R水素の言い出しっぺはgreenz.jpのファウンダーのひとり
その2 R水素はエネルギー界の「コンビニ」
その3 R(再生可能)エネルギー電力は、水素にすると貯められる
その4 Rエネルギーは、水素にすると車を走らせられるぐらい濃くなる
その5 R水素は、地域でやるもの
その6 R水素は、CO2も放射能も出さない
その7 R水素は、やがて国のお財布に優しい
その8 R水素は、新しい ”めしの種”
その9 R水素は、取りに行こうとする人々の行動そのもの
その10 R水素は ○○○○

その10は、R水素を知ったあなたが考えて下さい。そのアクションもR水素です!

これまで、映像作家旅人の方、Tシャツ屋さんなど、多くの方が、それぞれのクリエイティビティを発揮してオンリーワンのアクションを繰り広げています。もちろん、R水素を広める活動を行うR水素ネットワークも。

R水素についての最新ニュースは、ブログ「everyday+R水素」で更新中。ワールドワイド&ワープスピードで進行するR水素の世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。

おまけ:「greenz.jp ×R水素」人気記事ランキング!

HONDAsolarhydrogen

1位 太陽と水がエネルギー源。冷蔵庫サイズで家やオフィスをR水素化できちゃう機械を開発したベンチャー企業を紹介!(540RT)

2位 日本初!水と太陽の光でクルマを走らせる「R水素ステーション」がいよいよ埼玉県庁に!(430RT)

3位 世界初!下水から電気と燃料をつくる水素ステーションの実証実験がスタート(147RT)

4位 「脱原発世界会議」に参加するあなたにも知ってほしい具体策!30分でわかる”これからのエネルギー”のかたち「R水素」(122RT)

5位 R(Renewable)水素社会実現のために必要なたった一つのこと(86RT)

6位 「日本一周チャリの旅」でR水素&エネルギーシフト!JustGivingでチャレンジ中の鈴木隆之さんにインタビューしました。

7位 未来が来た! 埼玉県庁でソーラー水素ステーションと水素カーがデビュー!

8位 R水素で発電するなら3ドル/Wの助成金!カリフォルニア州で”R水素”燃料電池の優遇政策がスタート

9位 まさに“The Power of Dreams”!ホンダが埼玉県でソーラー水素ステーションの実証実験をスタート

10位 「水がエネルギーになるなんて、いいに決まってるでしょ?」映像作家・中野裕之監督の最新作『日月日』はR水素をフィーチャー!

11位 いよいよ”人工光合成”が実現!?「水+太陽光+粉=R水素」が、これからのエネルギーの方程式だ! 前編 中編後編

12位 R水素的キーカンパニー バンテックのポジティブ・テクノロジー