多様なユーザが参加する社会変革のためのデザイン!「インクルーシブデザイン」って知ってる?

photo by Yukiko Matsuoka

photo by Yukiko Matsuoka

「インクルーシブデザイン(Inclusive Design)」って、知っていますか?
年齢、性別、障がいの有無によって区別することなく、多様なユーザのニーズや思いをデザインに反映させるというデザインプロセスのことです。この代表的な取り組みとして、英国では、年次コンペティション「DBAインクルーシブデザインチャレンジ(DBA Inclusive Design Challenge)」が開催されています。

「DBAインクルーシブデザインチャレンジ」は、英ロンドン王立芸術学院のヘレン・ハムリン・センター・フォー・デザイン(Helen Hamlyn Centre for Design)の上席特別研究員であるジュリア・カセム(Julia Cassim)さんが企画し、英国デザインビジネス協会(DBA)と共同で2000年から毎年開催されている、デザインコンペティション。障がい者や高齢者なども含め、ユーザの様々なニーズと向き合い、デザインを通じて、より多くの人々の生活の質の向上に寄与する作品を表彰しています。

2011年10月、東京で開催された展示会「共感するイノベーション インクルーシブデザイン - 10年の歩み」

2011年10月、東京で開催された展示会「共感するイノベーション インクルーシブデザイン - 10年の歩み」

たとえば、「Milkman」は、2000年に受賞した作品。牛乳パックなど、液状の食品の多くはカートン包装されていますが、開けづらいのが難点。そこで、手の力が弱い人でも安心して開けられ、既存の生産工場でも製造しやすいパッケージを開発しました。

2000年の受賞作品「MIlkman」

2000年の受賞作品「MIlkman」 photo by Yukiko Matsuoka

このほか、「DBAインクルーシブデザインチャレンジ」では、片手でも貼れる絆創膏「Clevername」といった日用品から、高齢者や障がい者に使いやすい携帯電話「ello」のようなデジタルデバイス、障がいを持つ人々も安心して自然環境と親しめる、全天候対応型の公園「インスピレーション・パーク(Inspiration Park)」まで、幅広いジャンルを対象に、インクルーシブデザインの概念をカタチにしたプロジェクトが表彰されています。

インクルーシブデザインは、ユニバーサルデザインを実現するアプローチのひとつ。多様なニーズを持つユーザ、デザイナーやクリエイター、そして企業が協力し、ユーザの視点から製品やサービス、プラットフォームなどを作っていくデザインプロセスです。また、「DBAインクルーシブデザインチャレンジ」を通じて研究機関とデザイン業界とが共同し、その普及や啓発に努めているのも特徴です。

多様な個性が共存しあい、より多くの人々がよりよい生活をエンジョイできる社会へと変革するための有効な方策としても、これからますます期待したいですね。

インクルーシブデザインの展示会「INCLUSIVE DESIGN NOW 2011」に行ってみよう。