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「フェアトレード」はもはや当たり前。その中で注目されるカギは“下着”と“デザイン”!? スラムに住む女性を救うソーシャルベンチャー「undo3」

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“エコ、エシカル”

こうした単語に敏感なー例えばgreenzの読者のようなー人々にとって、「フェアトレード」は決して新しい運動ではないでしょう。

単にフェアトレードであるだけでは、注目してもらえない、そんなフェーズに市場が入ってきています。

正直、「フェアトレード」に飽き始めている人たち。

そんな、フェアトレード商品に好意は寄せるものの、目が肥えてきた消費者たちに対し、説得力のある裏付け、そして、デザイン、商品、もしくは支援の仕組みのどれかでエッジが効いていることーが、支援ビジネスを行う人々に要求され始めているのではないでしょうか。

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undo3は、フェアトレードと、現地での下着ビジネス援助、2つのビジネスモデルでバングラデシュのスラムに暮らす女性を支援するソーシャルベンチャー。

彼らは、着目点、デザインセンス、そして2つのビジネスモデルで多角的に援助を行なっている、という3点で、従来のフェアトレードビジネスとは一味違った路線を行っています。

どうして下着ビジネスなの?

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バングラデシュは、女性の立場が非常に弱く、女性の貧困が問題となっている国です。 

女性の識字率の低さや、スラムへの強い偏見などから、首都ダッカのスラムに暮らす女性たちの貧困は国内でも特に深刻です。
「農村部の貧困女性」を支援するNGO団体は数多く存在するのですが、とりわけ「都市部の貧困女性」を対象とするとなると、未だ数が限られます。

中でも、バングラデシュの女性差別が如実に現れているのが「下着」。

* 多くの女性が下着を着用していない
* 下着屋の店員は、ほとんどが男性である
* 女性の代わりに、男性が下着を購入する
(主に女性の父親や夫)

など、現地の女性たちの下着事情が彼女たちの置かれている状況を象徴しているとも言えます。

これが原因で、生理の時期になると仕事を欠勤したり、作業効率が落ちてしまいます。特に、貧困層の女性は経済的な余裕がないため、自分で下着を購入することができません。

undo3は、この事に注目し、

スラム女性に下着を広く普及させ、女性が「快適で、働きやすい環境」を提案することにより、仕事での経済的自立を果たし、貧困解消へと導く

をミッションとし、2つの下着にまつわるビジネスモデルによって現地の貧困を打破しようと挑戦しています。

事業モデル [A]:スラム女性の支援

仕組み

現地NGOを通じて、彼らが管轄するスラムの女性にミシン・生地の提供を行い、女性たちの下着の生産を助けます。彼女たちはスラム内で下着を生産し、自ら販売。

スラム・マーケット内のマーケティングをすべてスラム女性自身に委任し、ビジネスとして循環させる事を目的としています。

中でも良くできた商品は、undo3が買い取り、提携縫製工場の経営者に販売。縫製工場で働くワーカーは、市場より安い値段で下着を買う事ができます。縫製工場ワーカーにも広く下着普及が見込めます。

事業モデル [B]:フェアトレード

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田舎の貧困女性支援の現地NGOとの協力モデル。 undo3は現地NGOにオリジナル商品の発注を行い、NGOを通して田舎の貧困女性が商品を生産する仕組みです。 こちらはマザーハウス的な従来のフェアトレードビジネスモデルです。

単なるフェアトレードだけで終わるのではなく、現地で切実に必要とされているものを、当事者によって生産できるようにする事で、よりダイレクトに対象を支援しています。

エッジの効いたデザインが鍵

商品が買えるオンラインショッピングサイトはこちら。ファッショナブルなスカーフやシャツなどを販売しています。

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中でも無農薬のオーガニックコットンから作られた布ナプキンは、オンラインストアの中でも目を引くほどおしゃれ。

代表であり、ファッションディレクターである冨川典子さんは、イギリスのLondon college of fashion を卒業後フランスのファッション誌で働いた経験を持つ、ファッションのプロ。

フェアトレードのプロダクトには珍しい、ビビッドなカラーを多用した、ちょっと尖ったデザインセンスや、WEBサイトのおしゃれさにも納得。

現在undo3は、下着生産・販売をスタートさせるため、早急に生地やゴム、資金の寄付を必要としています。詳細はこちらから。

支援ビジネスを行う人々は、彼らのエッジの効いた打ち出し方やデザインから、学ぶことが多いかもしれません。