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高速道路が発電所に!カリフォルニアで画期的な発電インフラが計画中

Creative Commons: Some Rights Reserved. Photo by FontFont.

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米国は、世界でも代表的な“クルマ社会”。もちろん、温暖化防止には、過度な自動車依存から脱却するといったことも課題ですが、広大な国土の移動手段として、自動車をゼロにするのはあまり現実的ではないかも…。それでは、自動車の交通量を発電に利用するというのはどうでしょう?こんな画期的な取り組みが、カリフォルニアで始まっています。

カリフォルニア州議会は、このほど、州の家庭向けのエネルギーを高速道路で発電するという試験プロジェクト法案を可決。このプロジェクトは、道路にピエゾ電気デバイスを埋め込み、道路の表面を移動する自動車の振動で発電しようという取り組みです。専門家によると、この発電デバイスを6マイル(約9.6キロ)埋め込むと、44メガワット発電でき、30,800世帯分のエネルギーをまかなえるとか。また、このコンセプトの利点は、エネルギー需要のピーク時と交通のラッシュアワーが一致すること。つまり、需要の高いタイミングに、再生可能エネルギーを発電でき、これを供給できるというわけです。

この発電技術は、すでにイスラエル企業「Innowattech」が実証済みで、設置のために必要なセンサーもそれほど高価なものではないそう。比較的低いコストで、再生可能エネルギーを発電することが可能です。

自動車の振動を電力エネルギーに変換した事例としては、日本でも、2007年、東京の首都高速道路で、自動車の振動エネルギーから発電し、橋のイルミネーションに活用した例があります。また、類似の取り組みとして、人の移動による振動エネルギーから発電する例も…。たとえば、渋谷駅に「発電床」が設置され、通行人の振動でLED照明を点灯させる実験が行われたり、Jリーグチーム「ヴィッセル神戸」では、ホームグラウンドに床発電システムが導入され、サッカーゲームに熱狂するサポーターの振動で発電するという新しい試みも始まっています。

振動エネルギーは、ヒトや自動車はもちろん、電車などでも発生させることが可能。太陽光や風力に比べて天候や季節にも左右されにくく、安定的な供給が見込める選択肢のひとつかもしれません。再生可能エネルギーの「ダークホース」になるかも!?

[via EcoFriend]