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デザイン思考で社会的課題を解決!アート・デザイン学生に向けたプログラム「Design Ignites Change」のクリエイティブな受賞作たち

greenz/グリーンズdesignigniteschange

デザインを通じて、社会を変える ―。
米ソフトウェア企業「アドビシステムズ(Adobe Systems)」とマーケティングファーム「Worldstudio」は、アートやデザインを学ぶ高校生・大学生を対象に、デザイン思考や革新的アプローチのソーシャルチェンジへの活用を促すプログラム「Design Ignites Change」を2年前から共同で運営。このほど、中でも秀逸なプロジェクトについて、2010年の受賞者が発表されました。

2010年の受賞プロジェクトは、移民問題や子どもの肥満、ホームレスの自立支援など、多分野にわたり、各地域が抱える、複雑な社会的課題の解決に取り組んでいます。そのうちの一部を、ご紹介しましょう。

First Person American

School of Visual Artsの大学院生Irina Leeさんは、米国に移民してきた人々の人生や人となりを紹介するインタラクティブなウェブサイト「First Person American」の開設に取り組んでいます。動画インタビューを交え、現代の移民のアイデンティティを、広く世の中に知ってもらおうというのが狙い。今回の受賞では、サイト構築費用として、8,300ドルが授与されました。

First Person American Promo Video from First Person American on Vimeo.

I Need a Sidewalk

「Kansas City Art Institute」の3名の学生による「I Need a Sidewalk」は、カンザスシティにおける歩道の整備を訴えるプロジェクトです。歩道がないために、住民の憩いの場である公園に、交通量の多い車道を横切らなければならないなど、歩行者の安全を確保するためのインフラが不足しているという現状…。そこで、このプロジェクトでは、グラフィックデザインを用いて標識を作り、車道に表示したり、ウェブサイトを開設したり、地元のお店に募金箱を設置するなど、地域住民に対して、この課題を広く啓発するとともに、その解決を地元政府に強く促しています。今回の受賞では、プロジェクト費用として、4,700ドルが授与されました。

where the sidewalk ends from tammy shell on Vimeo.

このほか、高校でグラフィックを学ぶベン君による著書「Ben’s Book: Little Red Flying Hood」も受賞プロジェクトのひとつ。自閉症を克服した自らの体験にベースに創作されたストーリーはもちろん、力強く、創造的な彼のイラストが印象的です。また、「Austin Center for Design」のRuby Ku氏とAlex Pappas氏が取り組んでいる「Teach, Learn and Earn」は、地元オースティンに1万人はいるといわれるホームレスの自立を支援するためのプラットフォーム。ホームレスの人々に、自身が持つスキルや知識を用いて“先生”になってもらい、受講生から収入を得ることで、経済的自立をサポートしようと考えています。

いずれのプロジェクトも、地元の学生だからこそ、気づき、発見できる、社会的課題を採り上げ、デザイン思考や創造性をフル活用して、その解決につなげようと取り組んでいることが感じられますね。デザイナー・クリエイターの卵さんたちが、具体的なソーシャルチェンジに積極的にかかわることで、デザインが持つ可能性をも、無限に広げています。

[via GOOD]

「Design Ignites Change」の2010年受賞プロジェクトをチェックしよう。