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ワインのように味わうタオル?オーガニック本来の毎年の違いを愉しむ「コットン・ヌーボー」

cottonnouveau

池内タオル」は今治市にあるタオルメーカーです。
グリーンエネルギーを使用するなど環境に徹底的に配慮したタオル・メーカーとして、その思想、製品共に国内外で評価されており、特に100%の風力発電で製造する「風で織るタオル」は世界に知られています。

今回、その池内タオルが、日本で初めてタンザニアのオーガニック・コットンを使用した、新しいタオルのブランド「コットン・ヌーボー」を発表しました。

今までのオーガニック・コットン製品は、品質のばらつきを抑えるため、収穫年度の違うものをミックスして使用するのが普通でしたが、このブランドでは、指定された畑でその年に収穫された綿で作るタオルです。毎年、決められた時期に発売することで、ヴォジョレーヌーヴォーのように“今年のタオル”の肌触りや性質を味わう贅沢を感じられる、という趣向。

2月1日にアーツ千代田3331で行われた同ブランドの発表記者会見では、池内タオル代表取締役社長の池内氏と、本プロジェクトの総合ディレクションを行った佐藤利樹さんが、同ブランド立ち上げについてのそれぞれの思いを語りました。

「オーガニック・コットンはその自然に基づく栽培過程ゆえに品質が安定しない。工場製品としては致命的。けれど、それを欠点と捉えず、それならば毎年の違いを楽しもうよ、という発想でこのブランドを立ち上げました。」

(プロジェクトデザイナー 佐藤利樹)

オーガニックはブームだが、耳障りのいい概念として取り入れるだけでは定着しない。まずは、製品に触れ、「オーガニックとはこういうものだ」というのを直に肌で感じてもらった上で、改めて選択する事で、文化として個人の中に定着するのではないか。

佐藤氏はそのような考えから、日本では今まで未知であったタンザニア産のコットンを、「オーガニックであること」そのものを体現する素材として採用し、製品化まで辿り着いたのです。

更に、同ブランドが特徴的なのは「風で織るタオルファンド」を通し、支援者が直接このプロジェクトを応援できること。

ミュージックセキュリティーズ株式会社が手がけるファンドは一口五万円から。

ファンドへの出資を通じ、オーガニックコットンの生産・消費を支えることができ、プロジェクトの応援者として参加表明することができます。

「今まで私たち池内タオルは、“オーガニックのタオルを選択してくださる消費者の方は環境にやさしいかもしれないけれど、タオルの商売している会社はちっとも環境にやさしくないのではないか”という考えのもと、製造における環境負荷をゼロに近づける事を目標にしていました。

しかし本ブランドは、製品自体が環境に優しいもの。今年の製品で包まれた赤ちゃんが成人する2030年まで続けたい。一人でも応援してくださる人がいれば、きっと続くだろう。」

(池内社長)

サンプルの手ざわりは、ざっくりとして素朴な味わい。これが毎年どのように変わるか、今から来年のタオルが楽しみになります。

本製品は、4月29日前後に発売予定。
毎春、その年のタオルを予約して待ち望む―そんな、商品との新しい付き合い方が生まれそうです。