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タダでピザが食べられる!?下心をくすぐる貧困撲滅キャンペーン

primise

2000年9月、新しい世紀を迎えるにあたって、
国連は世界の首脳を集め「国連ミレニアムサミット」を
開きました。そのサミットで設定された目標の一つに、
貧困の撲滅があります。

サミットでは2015年までに極度の貧困状態で
暮らす人を半減させるという約束が交わされたのですが、
金融危機や度重なる自然災害などにより、達成には
ほど遠いのが現実です。

そこでいまいちど、各国の首脳たちに
約束を守ることを呼びかけるキャンペーンが、
ハンガリーで行なわれました。

キャンペーンのタイトルは
PROMISE DON’T FEED.(約束は食べられない)」。

ただ約束するだけではだめで、
実行しなければ意味がないということですね。
このメッセージを伝えるためのアクションが
とてもアイデアとインサイトに満ちたものでした。

こちらの動画をご覧ください。

野外音楽フェスの会場で、無料のピザ券を配ります。
もらった人がおなかをすかせて教えられたブースに行くと、
紙のお皿を手渡されます。

そのお皿には「BLAH(たわごと)」という文字で
構成されたピザの絵と、こんなコピーが書かれています。

「口約束しか持っていないのは、あなただけではありません。
 2000年の国連ミレニアムサミットで交わされた約束を
 実行させるために、首脳たちに圧力をかけるのを
 手伝ってください。貧困を半減させると約束した
 期限となる日まで、5年ほどしかありません。
 でも、地球上ではまだ、およそ963,000,000人もの人が
 貧困にあえいでいます。私たちのブースで、
 自分に何ができるか考えてみてください。」
アムネスティインターナショナル

タダでピザが食べられると思ってきた人たちは、
思わぬ事実を突きつけられるんですね。
苦笑する人もいれば、怒る人もいます。
でも、大きな問題を認識せざるを得なくなります。

そのほか、
屋台で食べた後、お皿に
「あなたが食べ終わるまでの間、
 963,000,000人もの人は、
 口約束でしのぐしかありませんでした。」
と書かれたコピーがあらわれるというアクションも。

無関心な人に社会的な問題を伝え、
書名してもらうという高いハードルを、
このキャンペーンは下心をくすぐる
クリエイティビティで見事にクリアしました。

日本のアムネスティのHPを見てみる。