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1等は竹の食器とiPhoneアプリ!世界を変えるE-ideaコンペ受賞者インタビュー【その3】

greenz/グリーンズ BCコンペ

世界を良い場所に変えたい!

そんな想いを持った先見性のある若手のエコ社会起業家など応援するブリティッシュ・カウンシル主催の「E-ideaコンペティション」。これまで、3等、2等と受賞者をご紹介してきましたが、今回はいよいよ見事1等の栄冠に輝いた2組の受賞者の登場です。

40組の応募の中から見事1等(賞金80万円)を手にした受賞者のアイデアとプロジェクトにかける意気込みをたっぷりとご紹介しましょう!

「Green Edutainment Program FUNFAM」藤岡恒行さん

環境問題には、習慣による解決策しかない。竹という資源を使う生活を習慣化させることが、もっとも現実的な処方箋と考えました。

1等「Green Edutainment Program FUNFAM」藤岡恒行さん

1等「Green Edutainment Program FUNFAM」藤岡恒行さん

まず1等を受賞したのは、「FUNFAM」という、竹でできた食器ブランドの食育プロジェクトです。竹は、木材の15倍~20倍ほどのスピードで成長し、加工方法によってはプラスティック樹脂や建材などスチールの代替材にもなる貴重で豊富な資源。地球温暖化の原因となる森林の減少が進む中、まさに注目すべき素材と言えるこの竹の良さを見直し、身近な所から普及させようという趣旨で生まれたのがFUNFAMです。E-ideaコンペティションは、既存プロジェクトの新展開も対象となっています。今回は、この竹食器の、食育という新たな切り口でのプロモーション展開に対し、助成金が与えられました。

授賞式会場では、竹食器の実物を見せていただくことができました。実際に手に取った時のぬくもりある感触と、食器としての丈夫さ、完成度の高さはとても好評で、私自身も強く印象に残っています。

会場でも好評だったFUNFAMの食器

会場でも好評だったFUNFAMの食器

受賞者の藤岡恒行さんは、家具会社の創業者のお孫さんで、デザイナーとして活躍されています。仕事を積み重ねていく中で、竹という素材のすばらしさに着目し、食器という形で毎日の食卓に取り入れることはできないかと考えたことがこのプロジェクトの始まりとなりました。

藤岡さんによると、プラスティック樹脂が普及する前の日本では多くの竹製品が使われていたのだそうです。しかし、その堅さ故の加工の難しさなどの理由から、現在ではあまり見かけなくなってしまいました。FUNFAMは、その有用性に着目した藤岡さん自らが職人さんたちの説得にあたり、熱意が伝わった結果、ようやく誕生した商品なのです。

「テーブルマナーセット」などオリジナル商品も豊富

「テーブルマナーセット」などオリジナル商品も豊富

ホームページを見ると、FUNFAMは、主に出産祝いギフトとして紹介されています。子どもが最初に使う食器として、化石燃料素材を使わず、強度に優れ、さらに落としても割れにくい竹製品は最適といえるでしょう。今後、社会的に注目されている食育という分野を通してメッセージを発信していくことで、さらに注目が高まることも予想できます。

藤岡さんは、竹という資源を使う生活を習慣化させることが「環境問題のもっとも現実的な処方箋」であると言い、このプロジェクトを通し、環境問題と食育というふたつのメッセージを発信しています。日常の食卓に竹の食器がすんなりと違和感なく入り込むようなスタイルを世界中に広げていきたいという大きな構想も持っているのです。

greenz/グリーンズ BCコンペ

今回獲得した助成金は、8月~9月に行う海外の展示会でパートナー企業を募り、販売網を構築することに使用する予定とのこと。そして9月以降は日本の有名百貨店におけるイベントやトークショー、ワークショップが多数予定されており、さらに海外展開も視野に入れていると言います。今後、次々にプロジェクトは展開していきそうです。

大忙しのスケジュールの合間を縫って快くインタビューにお答えいただいた藤岡さんの、世界を見据えた飛躍を、期待を持って見守りたいと思います。

「ECO QUOTIENT」川口才文さん

ただのクイズアプリではなく、ひとりひとりが環境との関係性の中で生きていることを認識し、行動を起こすことを目指しています。

1等「ECO QUOTIENT」川口才文さん

1等「ECO QUOTIENT」川口才文さん

そしてもうひとつ、1等を受賞したのは、iPhoneアプリの開発プロジェクトです。「ECO QUOTIENT」と名付けられたこのアプリは、ゲームをしながらクイズ形式で環境に関する知識を学ぶことができるもの。単なる環境の知識学習で終わらず、ユーザーが様々な角度から環境や社会に関する考え方を見つめなおし、行動へ結び付けることを目的としています。

会場のプレゼンテーションでは、開発途中のアプリの画面イメージを見せていただきました。シンプルでありながら、独特の雰囲気を持ったデザインは、感度の高いiPhoneユーザーにも高く評価されそうです。

「ECO QUOTIENT」画面イメージ

「ECO QUOTIENT」画面イメージ

ゲームは「エコシティを実現する」ことを課題とし、水、交通、ゴミ、エネルギーに関する各クイズを解いていくもの。iPhoneならではのインタラクティブ性を活かし、ユーザー側からのコンテンツ提供、環境活動への寄付、NGOや企業との連携なども視野に入れて開発を進めているそうです。

受賞者の川口才文さんは、国際機関での経験を通じて、持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)に興味を持ちました。その概念を実現するため、個人でアプリ開発をプロジェクト化し、今回のコンペに応募したとのことです。まずは配布が容易でマーケットが大きいiPhoneから始めますが、今後、環境に興味のある人からゲーム好き、研究者まで幅広い層に向けたESDを実現するための環境教育のプラットフォームとなることを目指していくという構想も聞かせてくれました。

greenz/グリーンズ BCコンペ

そして、川口さんがインタビューの中で何度も強調して口にしていたのが、「行動につなげる」ということ。このアプリを通して、ひとりひとりが世界の人々や将来世代、また環境との関係性の中で生きていることを認識し、行動を起こすことを目指していると言います。そのための仕掛けについては、3〜6ヶ月後を予定しているアプリの完成を待って、また紹介したいと思います。

このアプリは一方的に知識を押し付けるものではありません。完成した暁には、インストールして使い、みんなで育てていきたいですね。これからは、IQではなくエコ指数“EQ”が生きるチカラとなる時代かも!?完成がとても楽しみです。

みんなが必要としているのは、「未来に対するポジティブなアイデア」

これまで、3等2等、1等と合計9名の受賞者とプロジェクトを紹介してきました。既にビジネスとして稼働しているものから、構想段階のものまで、幅広いアイデアを見てきましたが、どれも読んでいて「あ、それいい!」と思わず口走ってしまうものばかりだったのではないでしょうか。

E-ideaコンペティション受賞者のみなさん

E-ideaコンペティション受賞者のみなさん

「E-ideaコンペティション」をサポートしているLRQA(ロイド レジスター クオリティアシュアランス )ジャパンのサイモン・バターズ氏は、

若手のプロジェクトをサポートし、何か還元したい。それは、皆が未来に対するポジティブなアイデアを必要としているから。

と言います。

グッドアイデアは、実践する人、サポートする人だけじゃなく、社会に対してもポジティブなエネルギーを与えてくれます。私もインタビューの過程で、彼らのアイデアはもちろん、その言葉や笑顔からたくさんのパワーや勇気をもらいました。

greenzでは、受賞者の皆さんの想いが実現していく課程を今後も見守り続けて行きたいと思います。そして彼らのグッドアイデアが実を結ぶ頃、改めてその様子をご紹介します。

アイデアが人々を、そして社会を変えるチカラになることを願って……。

授賞式当日の様子と受賞プロジェクト紹介映像

「E-ideaコンペティション」は、LRQA(ロイド レジスター クオリティアシュアランス )ジャパンがサポートしています。
LRQA [ http://www.lrqa.or.jp/ ]