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ゴミを分解した熱で暖を取るグッドデザインなコンポスト茶室「コンポルー」

image by BAKOKO

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平原に浮かぶ宇宙船のようなこの物体は一体何でしょう?



答えはコンポスト茶室の「コンポルー」です。

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コンポストとは、オーガニック(有機)ゴミを堆肥にリサイクルする生ゴミ堆肥化容器のことです。図のように、コンポストに落ち葉や野菜などの有機ゴミを投入すると、ゴミは内部で堆肥へと分解されます。ゴミが堆肥に分解される過程で熱が発生するため、その熱を利用して暖を取れるようにとデザインされたコミュニティルームがコンポルーなのです。分解された堆肥ももちろん取り出して使うことができます。

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コンポルーは、複数のコンポストを円型につなぎ合わせて作られています。日本庭園によくある小さな茶室をヒントにして作られたそうで、内部には壁面に沿ってベンチがあり、中心にテーブルが備え付けられています。テーブルの下から温風がコンポルー内部に噴き出し、室内を温める仕組みになっています。天井には透明のフッ素樹脂ETFEを使用しているので、昼は明るい青空を、夜にはきれいな星空を眺めることができます。なんともロマンチックですね。

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この近未来的でありながらオーガニックなデザインのコンポルーは、大槻香代子とAlastair Townsendの建築家デュオ「BAKOKO」によるプロジェクトの1つです。ロンドンのArchitectual Association出身の二人は、2009年東京を拠点にBAKOKOを設立。規模の大小に関わらず、デザインによって建物に付加価値が生まれることを目的としたプロジェクトの完成を目指しているそう。

コンポルーの仕組みやデザインを見るだけでも、BAKOKOの二人が目指すものが分かるような気がします。ゴミをリサイクルしながら発生する熱を利用して暖を取るという無駄のない発想に、スタイリッシュなビジュアルを兼ね備えたコンポルーは、あらゆる意味でグッドデザインだと言えます。BAKOKOのWebサイトでは、他にもユニークな発想とデザインが生かされたプロジェクトを多数見ることができますよ。

このコンポルー、実物をぜひ見てみたいところですが、現在はまだ開発中とのこと。オーガニックな農法を実践している農家の畑や、朝晩は冷え込む野外キャンプ場なんかにあるとよさそうですよね。興味のある団体や企業の方は、BAKOKOと一緒にこのサステイナブルなプロジェクトを完成させてみてはいかがでしょうか。

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