greenz.jpの連載「暮らしの変人」をともにつくりませんか→

greenz people ロゴ

都市でサヴァイヴするために、ただで食べる、住む、つながる

TOKYO 0円ハウス0円生活

都市でサヴァイヴするとはどういうことだろうか? サヴァイヴとは文字通りの意味でいえば生き残るということ。たとえば災害、あるいは不慮の災難で無一文になったとき、必要なものを自分で手に入れ、生き残っていくということだ。つまり、都市でサヴァイヴするということはお金を使わずに生きていくということではないか?

まったくお金を使わずに生きていくことは難しいけれど、お金を使わずにできることはたくさんある、都市でサヴァイヴするための第一歩として、そんなただでできるいろいろなことを紹介していこう。

具体的な「ただで○○」を紹介する前に、ただ生活の究極の形とも言える0円ハウスを紹介しよう。0円ハウスは建築家の坂口恭平さんが行っているプロジェクト。0円ハウスとはつまりはホームレスが作る廃材などで建てた家だが、そこには都市でサヴァイヴするためのアイデアが本当にたくさんある。

ただで食事する。

食べることは何よりも生きるために必要なこと、しかしそれだけにただでやるのが難しいところでもある。軽食なら献血ルームで献血すれば食べられるが、3ヶ月に1度しかいけない。後はデパ地下で試食をするとか、播磨屋ステーションのように無料でサンプル商品を食べられるカフェなどに行くという方法、本格的な食事とは行かない。
川の近くなら、野草を取ったり、魚を釣ったりして、それを調理するという方法もある。薪となる木切れも拾えるから、ライターひとつあればお金を使わず食事にありつけるわけだ。
それも難しいなら、コミュニティ・ランチと呼ばれるものに参加する方法もある。コミュニティ・ランチは欧米などで盛んなボランティアの給食サービス、日本で言えばホームレス向けの“炊き出し”などがこれに当たるが、ホームレスに限らず貧しい人々、お年寄りなどに暖かい食事を提供するというサービスだ。日本でもお年より向けにはこのようなサービスが行われているところが結構ある(たとえば、全国食事サポートサービスセンター)。これにボランティアとして参加すれば、ホームレスやお年寄りのためにもなり、ご飯も食べられて一石二鳥だ!

ただで住む。

住むのは食べるのよりさらにハードルが高い。独力でやるならば0円ハウスしか方法はないのかもしれない。これを見ているとなかなか快適そうだが、つまりはホームレス、いきなり飛び込むのはかなりハードルが高い。ならば、給食ボランティアと同様に労働力と交換する形で手に入れればいい!それを可能にするのがWWOOFだ。WWOOFは「食事・宿泊場所」と「力」を交換するしくみ、農家や民宿などに家と食事を提供してもらい、その代わりに農作業の手伝いなどを行う。年会費が必要だが、それ以外はすべて無料、タダで食事や住む場所を得られるだけでなく、人の役にも立つ、これこそがサステナブルなサヴァイヴァルの方法ではないだろうか。

ただで移動する。

WWOOFのホストは全国にあるので、旅行気分でも利用できる。WWOOFのホストは全国にあるのも魅力で、さまざまな土地でさまざまな人とコミュニケーションを取り、色々な経験をすることができる。手伝いたいと思うようなホストが行ったこともないような土地で見つかれば、それは素敵なことだ。(2010.04.28修正:旅行気分で利用することは「WWOOFの意義をゆがめる」可能性があるというご指摘がありましたので、一部修正させていただきました。実際に、WWOOFer(WWOOF利用者)が旅行気分で来て、肉体労働のキツさからすぐに去ってしまう、などホスト側に迷惑がかかるような問題も出てきているようです) しかし、「ただ」という観点からすると、その場合は移動手段が問題になる。体力があれば自転車でもいいかもしれないが、なかなか難しい。ヒッチハイクはハードルが高い、そんなあなたには「のってこ」というサイトをオススメしたい。これは少人数でどこかに行く人が同乗者を募集するサイト、ガソリン代割り勘などの出費が必要な場合もあるが、会話の相手をしてくれればタダでいいなんて人もいる。そしてこれも新たに人とつながる手段でもある。

都内なら移動はメトロリンクパンダバスという無料バスを利用するのも手だ。

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by Zacky Ma

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by Zacky Ma

ただで楽しむ!

ここまで来てもまだハードルが高いと思う人も多いはず。そう人はまずは無料で休日を楽しんで、ただであることのありがたさを味わってみよう!
たとえば、東京の風景を上から眺めようとしたら、東京タワーや六本木ヒルズの有料展望台に上る人が多いと思うが、都庁ならただ。
東京にはたくさんの博物館や美術館があり、さまざまな展覧会が行われているが、中には無料のものも多い、東大の総合研究博物館電力館旧新橋停車場鉄道歴史展示室アド・ミュージアム東京などは入場が無料、逓信総合博物館は有料だが、郵便局によく無料招待券がおいてある。さらに、台東区の公園では雑技団が練習していて無料で見られるという情報も…
子供とただで過ごすなら国際子ども図書館がオススメ!赤ちゃんがいると休んだり授乳したりする場所が見つからなくて大変!という方は「withママ:育サポ」で授乳室の場所をチェック!

ただより高いものはないと昔は言ったけれど、今は「ただ」にはすごく可能性があるように思える。給食ボランティアやWWOOFもそうだけれど、Twitterなどのソーシャルメディアで「ただ情報」を交換したり、不用品をあげたりもらったり交換したり、「ただ」から色々なつながりが生まれて行く。人は一人では生きられない、「ただ」で色々な活動をすることで得られるそんなつながりこそが、都市でサヴァイヴするために一番大事なものなのかもしれない。