greenz.jpの連載「暮らしの変人」をともにつくりませんか→

greenz people ロゴ

がれきの山から希望の明日へ。ハイチの衣食住を支える”縁の下の力持ち”たち

Haiti after Earthquake: Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by United Nations Development Programme

Haiti after Earthquake: Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by United Nations Development Programme

1月12日に発生し、地震で甚大な被害を受けたハイチでは、1ヶ月以上たった今も多くの人々が家を追われ、水や食糧が不足した状況で、不安な日々を送っている。水道・電力などのライフラインを復旧させるとともに、必要な物資を行き届かせるなどして、彼らの「衣食住」を支えることが急務だ。そこで、世界各地から続々と支援の手が差し伸べられ、具体的なアクションへと展開しはじめている。

1. 衣

この大地震により首都ポルトープランス周辺では建物の約30%が倒壊。崩れた瓦礫や割れたガラスが散乱する道では、靴がなく、裸足で歩く人々が多くみられるそうだ。そこで、米靴メーカー「TOMS」では、2月中に3万足の靴をハイチの子供たちに届けることを決定した。また、店舗の在庫品や家庭で不要となった靴を貧困国に寄付している米チャリティ団体「Soles4Souls」は、米国内で75万足を超える靴を回収し、既に10万足以上をハイチに届けている。また、ハイチ支援のための”50日間で5万足を届けよう”という寄付キャンペーン「50000shoes.com」を展開しており、米シンガーソングライターのジェシカ・シンプソン(Jessica Simpson)らが以下の動画で協力を呼びかけている。

2. 食

現地では、日が経つにつれ、飲料水や食糧の不足がより深刻な問題になっている。以下の動画で伝えているとおり、国際人道支援団体「Concern Worldwide」では、政府や国連世界食糧計画(WFP)と連携し、首都ポルトープランスのスラム地区St Martinを中心に、飲料水の供給を開始した。今後、5万人分の飲料水を確実に届けることを目指している。

また、食糧の供給も少しづつ進んでいる。以下の動画は、地震発生から4日後に国連の平和維持活動軍がポルトープランスで実施した食糧配給の様子だ。また、米ソーラーメーカー「Sun Ovens International」は、現地NGO「Bright Hope International」と協力し、テントで生活する被災者に向けて、太陽光で調理できる「Solar Oven」を寄付する方針で、このように中長期的な視点から被災者をサポートしようという動きも現れている。

3. 住

今回のハイチ地震における復旧活動では、太陽光を活用する例が多くみられる。たとえば、米NPO「EarthSpark International」は、5万個のソーラー式懐中電灯を被災者に提供するとともに、1.8キロワットのソーラー照明を医療支援団体「Partners in Health」の病院に設置した。また、米ソーラー企業「Sol Inc」は40万ドルを投じ、40台のソーラー式街灯の設置を完了させた。今後さらに90台を設置する予定だそうだ。

一方、行き場を失った被災者にとって、当面の住居を整備することも課題のひとつ。米Clemson Universityの研究チーム「SEED」では、貨物用コンテナを活用し、以下の図のような簡易住宅の設置を検討している。地震により損壊したポルトープランスの港が再開次第、具体的に動き出す方針だ。

Container Housing: Copyright(C)2010 Seed at Clemson University, All rights reserved.

Container Housing: Copyright(C)2010 Seed at Clemson University, All rights reserved.

ハイチの復興にはまだまだ課題が山積している。具体的な復興支援に向け、3月にニューヨークでの国際会議開催が決定するなど、国際社会が協力してこれに取り組んでいく構えだ。また、ここで紹介したとおり、多くNPOやNGO・企業も、この課題の解決に具体的に動き出している。私たちも、これからの動向を見守りつつ、今できることを考え、アクションしていこう。

こちらの記事もおすすめ

50日間で50,000足の靴をハイチに送るキャンペーン「50000shoes」に参加しよう。