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『ベイブ』の故郷がペットボトル入りの水を禁止!過激な政策でエコ実現。

Copyright (c) Bundy On Tap Working Group / Karen Gray

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ペットボトル入りの飲料水の環境負荷が大きいことはgreenzでも取り上げてきた。代わりにマイ水筒を持ち歩くというエコハックやボルビックの「1L for 10Lプログラム」のように慈善活動につなげるという方法がある種の解決策として提案されてきた。でもそれは根本的な解決にはならない。そこで、ペットボトル入りの水を禁止してしまおうという町が現れたのだ。

2009年7月のはじめにペットボトル入り飲料水の販売禁止を決めたのはオーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州サザンハイランドにある人口約2500人のバンダヌーン町。住民集会に355人が参加し、反対はわずか1人という圧倒的多数で販売禁止を決議した。それを受けて町は無料の給水ポイントの設置などの施策を行う。

今回禁止されるのは水のみでジュースや炭酸飲料(炭酸入りミネラルウォータを含む)は今までどおりペットボトルでの販売が可能だ。もちろんメーカーなどは反対するだろうが住民の選択だからそれを企業の論理で覆すのは難しい。

安全でおいしい水が飲めるなら、ペットボトル入りの飲料水を買う必要などないというのはまったくその通りだ。このバンダヌーン町があるサザンハイランド地方は映画『ベイブ』のロケ地にもなった自然豊かな田園地帯で、水もきれいなのだという。日本でも2、30年前までは水を買う習慣などなく、みんな駅や公園の水のみ場で水を飲んでいたはずだ。

それが今では自治体が水道水をペットボトルに詰めて安全性をアピールする時代だ。私はこの自治体の戦略に大きな疑問を感じる。水道水がミネラルウォーターと同じくらい安全でおいしいということをアピールしたいという気持ちはわかるが、誰が好んでペットボトル入りの水道水を買うだろうか。しかも水道水をわざわざペットボトルに入れることで新たな環境負荷が生じる。

水を持ち歩くという習慣が出来た今は、それよりも水道水を浄水し冷却したものを汲めるスポットを数多く作ったほうが皆に水道水を飲んでもらうという方向性には合致すると思う。スーパーマーケットなどでは専用の容器を買えば無料で浄水された水を汲むことができるサービスを行っているところもある。私が思うのは、それを水筒などの持ち運び容器にあう量で行って欲しいということだ。もちろん無料のほうがいいが、有料でもいいと思う。

要は昔から行われてきた“量り売り”のようなシステムを復活させることだ。昔は酒も油も醤油も米も味噌も量り売りだった。水は行く先々で井戸から汲んでのどを潤すものだった。それと同じことを今やるのは難しいが、飲料水を量り売りすることは出来るはずだ。10円入れると500ml入りの水筒を冷たくておいしい水で満たしてくれる自動販売機がコンビニに設置される、そんなイメージが私の頭の中にはすでに出来ているのだが……。

無駄なペットボトル飲料を駆逐するためには量り売りの復活!バンダヌーン町の決断を日本で生かすために私が考えたのはそんなアイデア。ぜひ実現を。