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アメリカ地方政府のこんなモノまで手に入る!GovDeals.comがもたらすプラスα効果

Creative Commons, Some Rights Reserved, Photo by macwagen

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消防車、ペット用ケージ、専門書、音楽CD、ヘリコプター、アンティック家具、ポロシャツ、ダイヤの指輪・・・。どうにも統一感に欠ける品ぞろえだが、いずれも、アメリカのオークションサイトGovDeals.comが取り扱う中古品だ。こんな中古品を抱える出品者は?そのヒントは、このサイトのネーミングにある。

正解は、地方政府!

そう、GovDeals.comは、出品者を州政府や地方自治体に限定したオークションサイトなのだ。

greenz/グリーンズ govdeals_top
GovDeals.comのトップ画面

地方政府が不要品や押収品を競売にかけること自体は、新しい試みではない。ただ、これまでは近所の駐車場などを利用して実施するローカルな活動で、当然、売値もあまり上がらなかった。

その点、インターネット上でのオークションの競売効果は高い。GovDeals.comには、事業者から個人、自治体から学校、研究機関など、アメリカ各地から競売の参加者が集まるからだ。たとえば、昨年最も高価な値段(約8千万円!)で落札された1993年製のヘリコプターは、ケンタッキー州から出品されて、ハワイのツアー会社が落札した

Reuterニュースによると、アラバマ州政府の場合、今年2ヶ月間で、GovDeals.com経由で約3億円の収入を得た。同州政府が2007年から2008年にかけて従来の方法で不要品を競売して得た収入は、2年間で9億円だった。単純計算すると、不用品の処理による収入が4倍も増えたことになる。

GovDeals.comの創立メンバーの目的は、地方政府が不要資産から最大限の利益を得るためのお手伝いをすること。事例を見るかぎり、その目的はきちんと果たされているようだ。

現在、2000以上の地方政府がGovDeals.comに登録している。登録や出品には一切の費用はかからず、落札時に落札金額の7.5%を請求されるのみ。出品頻度は自由。しかも、従来の競売に必要となる広報活動や物品輸送なども不要になるので、地方政府は負担を感じずにネットオークションに出品できる。

ということで、GovDeals.comは、財政難に悩むアメリカの地方政府にとって力強いパートナーだ。

さらに、不要品という「資源」を効率的に「循環」させてしまうGovDeals.comのしくみは、サステナブルな社会づくりにも貢献していると言っても過言ではないだろう。

GovDeals.comに出品されるのは、誰から見ても価値がある物ばかりではない。たとえば、無造作に放置された鉄くず古い自転車も出品される。鉄くずには、ちょっとびっくりするような高値が付けられている。

greenz/グリーンズ antiquefurnitures
GovDeals.comの出品リストには、古い郵便局のアンティックな家具も。

There is a lot of joy in selling what we think as “old” and somebody takes it as their “value”, their “gold.
(自分たちにとっては「古い」物でも、誰かにとっての「価値ある」物、「大切な」物になる。そういう物を売るという行為に、大きな喜びを感じるのよ。

ABCワールド・ニュースのインタビューに対して、そう話すのは、ジョージア州マリエッタ市役所の購買部長を勤めるNancy Cheshireさん。同市役所では、今年に入ってからすでに約2千万円を得た。高値で落札されたのは、中古の消防車だった。


GovDeals.comを紹介するABCワールド・ニュースのクリップ

いくら不要品だとしても、やっぱり物を廃棄するのは、罪悪感がともなうものだ。できれば、それに価値を見出してくれる人に、引き取ってほしい。でも、そういう人を探すのは手間もコストもかかるし……。

そんなジレンマを解消してくれるからこそ、GovDeals.comは、注目を集めるのではないだろうか。そして、Nancyさんが感じているような喜びを知った人はきっと、むやみに物を捨てることをやめて、有効利用の手段を考えることができるはずだ。

ところで、日本では、自治体が抱える不要品や押収物は、どのように処理されているのだろう?気になったので、ネット検索してみたところ、Yahoo!オークション内に「官公庁オークション」というサイトを見つけた。2004年に開設されたこのサイトも、年々利用率が増えている。4年間で年間落札総額が約85倍も増加し、参加する自治体や中央省庁の数も、公売(差押財産の売却)は540、公有財産売却は93あるという。

この「官公庁オークション」はGovDeals.comとは違って、いつも開設されているわけではない。残念ながら現在はちょうど閉設中。売却される物の中には、廃校の校舎や霊柩車など、びっくりしてしまう物もあるようなので、オークションカレンダーをチェックして、ぜひ一度、開設しているときにのぞいてみよう。

「官公庁オークション」に参加して、「不要品」に新しい価値を与えよう。