石油文明を「水に流す」?“水”に秘められた可能性を見逃すな!

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by -sel

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by -sel

再生可能エネルギーが世界で注目を集めている。気候変動ピーク・オイルへの対策と、雇用や新しい産業を創出する可能性を期待されてのことだ。その主役と目されているのは、太陽光発電風力発電。中にはダークホースとして、太陽熱発電というものもある。

だが、忘れてならないものがある。それが“水”だ。

従来型の水力発電の欠点(※)を克服すると期待されているマイクロ水力発電や、水からも生成可能な水素を使った燃料電池水素自動車など、“水”の可能性にも期待が集まっている。

※従来の水力発電は、巨大なダムを必要とし、莫大なコストがかかる上に、周辺環境に与える影響が大きいことが欠点とされてきた。マイクロ水力発電は、水力発電のそうした欠点を克服するとともに、山が多く急流の河川が多い日本に適した発電方法の一つとして期待されている。

こうした“水”の持つ可能性に触発されてか、多くの企業や個人が、「水火も辞せず」に水を使ったさまざまなものづくりに励んでいる。中には泡沫(うたかた)の如く「水泡に帰し」てしまったものもあるようだが、アイディア商品からアッと驚く技術を駆使した商品まで、多くの人の挑戦と発想に敬意を表しつつ、ここでいくつかを紹介したい。

マイクロ水力発電型

まずは、「水が流れるところであれば電気を作り出せる」という、マイクロ水力発電と通ずる発想の商品からご紹介。「どうせ水を使うなら発電してしまえ」という執念が何だか爽快です。

蛇口をひねって出てくるのは水だけではありません。

greenz/グリーンズ Mini Hydro Turbin
Photo by Jii Woo Han. All rights reserved.

写真に見えているのは浄水器ではありません。発電機です。水を出すと電気も得られます。電動歯ブラシやシェーバーなど、水回りの電気製品を動かす電源に使うことを想定したコンセプト品。浄水器も兼ねれば一石二鳥?

洗車しながら?!

greenz/グリーンズ POWA Water Generator
Photo: via Ecofriend

洗車に水は欠かせないものの、水を大量に使うことに罪悪感を抱いていたあなたに朗報です。これを使えば洗車しながら発電できます。こちらもコンセプト品です。実用化されても、発電できるからといって、水の使い過ぎには要注意です。

まさか、トイレでも?!

greenz/グリーンズ Benkatine Turbine
Photo: via Inhabitant

「使える水は何でも使う」という極めつけ。これを使えば、トイレを流す水やシャワーの排水溝、雨どいを流れる水まで発電に利用できます。家庭だけでなく大規模な下水処理場でも使える拡張性を備えています。見上げた根性です。

行く川の流れは絶えずして…

greenz/グリーンズ Micro Hydro Turbines
Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by sarahpetherbridge

こちらは上の3つと比べれば“常識的”。穏やかながらも川の流れを利用した発電です。橋のライトアップに使っているLEDを灯します。

不思議な原理で水を使って発電

続いては、水を使った不思議な発電をご紹介します。水を化学反応させて発電したり、水から水素を作って水素で発電したり、原理はさまざまですが、何だか不思議な印象を受けます。

水とレモン果汁でどこでも安心

greenz/グリーンズ Water-Powered Alarm Clock
Photo by bedol. All Rights Reserved

タンク状になった時計の蓋を外して水とレモン果汁を入れるとあら不思議、時計が動き出します。内部の電極が電気を作り出すそうな。旅のお供に持っていけば便利なことこの上なし!

電池の中身は?水銀ではなくて水なんです

greenz/グリーンズ NoPoPo
Photo: via weird asia

災害で停電発生!懐中電灯を灯けようとしたが電池切れ…。そんなときに役立つのがこの水を入れて使う電池です。液体であれば何でもよいみたいで、お酒でも、いざとなれば、おしっこでも大丈夫なようです。災害時の強い味方であること間違いなし。

太陽電池の電卓はもう古い?!

greenz/グリーンズ Water-Powered Calculator
Photo by Computer Gear. All Rights Reserved.

電卓の電源と言えば太陽電池が主流。そんな“常識”に挑んだのがこの商品。携帯電話さながらのデザインで、電卓業界に旋風を巻き起こす?!

  • 商品名:Water Powered Calculator  http://www.computergear.com/waca.html
  • 提供元:ComputerGear  http://www.computergear.com/index.html

原料は水だけ、夢の水素電気自動車!

水素で発電した電気でモーターを動かす電気自動車です。水素は水から取り出す優れもの。日本のメーカーすごいぞ!と思いきや、コストが膨れ上がり、今は開発を中止しているそうです。残念…。

水素自動車

水素をそのまま燃焼させるタイプの水素自動車です。GENEPAX社は、水素から発電した電気で動かしていましたが、こちらは水素を燃料として使っています。

水から水素を取り出す水素自動車

水素は水から取り出しています。開発者の死後、遺志を受け継いだ人たちが完成させたというから、その執念たるや凄まじいものがあります。

番外編

水や水素がエネルギー源というよりは、水で遊ぶことを主眼に置いている面白グッズを紹介します。

ジェームズ・ボンドもびっくり!?どこか滑稽なジェット・パック

ジェット・パックを背負って楽しげに空を舞う男性の姿。ですが、何かがおかしい。そう、後ろのチューブです。そして、噴煙のように見えるものは、実は水です。水を吸い上げ、水圧で飛んでいます。確かに浮力は水圧によるものかもしれませんが、水を吸い上げるために他の燃料を使っているはず。だとすると、“水の力”というにはちょっと無理があるような…。ジェット・スキーの親戚だと思って大目に見ておきましょう。

怪人二十面水。刻々と表情を変える水の姿にうっとり。

greenz/グリーンズ Aqua Drop
Photo: via Brand Toys

撥水性の高い素材に水を垂らすと、水の玉がコロコロと転がります。そして、仕切り板にぶつかっては水が次々と姿を変えます。その様子が何だか神秘的です。ちなみにこのゲーム、遊ぶのに電気は不要ですが、根気は必要なようです。

農耕文明が興りし頃、水は河川の氾濫とともに肥沃な土を流域に運び、それが豊かな実りをもたらしてくれた。

21世紀の今、水は人間に何をもたらしてくれるのか?20世紀の石油文明が産み落とした負の遺産を「水に流す」がごとく洗い流してくれるのか?はたまた、「水と油」の関係と同じように、水は石油に太刀打ちできないものなのか?

マイクロ水力発電も水素も、もちろん万能ではないし課題もある。だが、今回紹介したように、人間の豊かな発想とそれを実現する強い意志があれば、これまで想像していなかったような使い方も可能になるはずだ。大きな可能性を秘めた資源として、“水”のこれからに期待したい。

水素の急先鋒、燃料電池のあれこれ