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エネルギーはどこへ行く?日本のスマートグリッド導入について考えてみた

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by woodleywonderworks

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スマートグリッド
greenz読者には説明不要かもしれないけれど、何となく聞いたことあるけどよく分からないという人も多いと思うので、簡単にご説明を。

スマートグリッドとは、IT技術を活用してエネルギーを効率良く供給・管理する、次世代型のエネルギー網のこと。オバマ大統領は、グリーンニューディール政策の一部として、アメリカ国内でのスマートグリッドの導入を推進している。そして、マルタ島では国全体でスマートグリッドの導入に踏み切り、世界初のスマートグリッドアイランドになろうとしている。

IBMはマルタ島の公共電力と水道事業を行っているEMC(Enemalta Corporation)WSC(Water Services Corporation)と、2012年までにマルタ島にスマートグリッドユーティリティを導入する契約を締結した。

スマートグリッドは、マルタ島全体の家に設置される約25万ものスマートメーターで構成される。これが完成すれば、国中の電気や水道は、遠隔モニタリング・管理、メーターの読み込み、メーター機能の停止などが簡単に効率良くできるようになる。

電気や水道の消費パターンがトータルで把握できるようになると、需要と供給のバランスをコントロールできるようになり、コスト削減と同時にエネルギー効率を上げることができるようになる。その結果、無駄なエネルギー資源を減らすことができ、環境にも良いというわけだ。

そんなに良いものであれば、日本でも早く導入すればいいと思うのだが、そこには色々と問題がある。

電気に限って言うと、日本の送電線網というのは、災害時以外はほとんど停電もしないし、常に安定した電力供給が行われているし、世界的に見ても非常に優れているのだ。
オバマ大統領がスマートグリッドの導入を推進しているのは、一部にはアメリカの送電線網がつぎはぎで停電を起こしやすいからとも言われている。

ただし、日本の電力会社は発電から送電まですべてを管理しており、エリア毎に9つに分かれた電力会社がそれぞれ完結して機能しているため、風力発電などの新しい再生可能エネルギーを送電線網に取り入れ難いという問題がある。

風力発電などで大量に発電しても、その電力を送電線網に入れると電力の質が下がるなどの理由から、せっかくの再生可能エネルギーがきちんと生かしきれていないというのが現状。火力や原子力など既存のエネルギーでも十分まかなえているため、その問題を解決しようとする動きが少ないのかもしれない。

しかし、近い将来エネルギー資源が枯渇していくのは目に見えている訳で、今のうちから再生可能エネルギーを効率良く取り入れる策を打っておいた方がいいのは自明の理。日本で再生可能エネルギーを有効に使うためには、技術やコストの問題に加えて、電力会社間の相互連携という問題もあったりして、どうにも一筋縄ではいかなそうな気配である。スマートグリッド導入なんて夢のまた夢なのか!?

インターネットが普及する時にも、インフラ会社の新規参入には大きなハードルがあった。結局は時代の流れに抗えず、今では競争が発生するまでの状況に変わってきた。スマートグリッドに関しても同じような流れで変わってくれることを期待したいところ。

世界の流れに取り残されないように、日本でもマルタ島と同じくらいの面積の島で、実験的に日本のスマートグリッドアイランドを作るというのはどうだろう?
何か新しいものを取り入れる時は、その良さを実感した方が手っ取り早いこともある。それに、何か大きなものを変えていくには、試行錯誤しながら少しずつでも前に進んでいかなきゃね。

知名度の高い知事も沢山出てきたことだし、今ホットな地方自治体の皆さん、そちらの島でいかがですか?

これからもスマートグリッドのニュースを追っかけてみる(英語で)