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ヨコがだめならタテがあるさ! ビル型農場にみる発想の転換

Vertical Farm: Copyright(C)2009 The Vertical Farm Project All rights reserved. (The Vertical Farm Projectホームページより抜粋)

Vertical Farm: Copyright(C)2009 The Vertical Farm Project All rights reserved. (The Vertical Farm Projectホームページより抜粋)

このビルは、現在ニューヨークで計画中のVertical Farm(垂直農場)。透明の壁でできた30階建てのこのビル型農場を、ニューヨークのオフィス街に建設する計画だという。建物が密集する都市部で、「ヨコがダメならタテを使え!」とばかりに空へ伸びる夢の畑について、みてみよう。

Vertical Farmは、果物や野菜を栽培する高層ビルだ。屋内農業の技術を応用し、透明の壁から必要な日光を取り入れ、土を使用しない水耕栽培を行う。屋内で栽培するため天災による被害を受けることがなく、害虫や疫病から隔離できるため、農薬や化学肥料が必要ない。有機作物を安定的に栽培できるのだ。

このプロジェクトは、環境研究に携わる米国コロンビア大学(Columbia University)のDickson Despommier教授が、研究室の学生とともに2007年から行われている。
将来の人口増に伴う食糧確保は世界的な課題。2050年には現在に比べて20億人も増加するという予想もある。Despommier教授は、食糧確保のための抜本的な解決策として、このプロジェクトを思いついた。「垂直農場」では、5万人分の食糧の生産を目指している。

Despommier教授がVertical Farmについて語った米CNNのインタビューをこちらの動画でどうぞ。

この農場の最大の利点は、広大な土地が必要ないということ。都市部はもちろん、作物の栽培に適さない砂漠や寒冷地でも、このビルがあれば、野菜・果物を栽培できる。また、市場に近い場所で栽培すれば、新鮮な有機野菜を地元の消費者に早く届けることができる。さらには、都市部ならではの課題の解決にもつなげられる。たとえば、余剰オフィスビルを有効活用でき、緑化推進にも役立つ。新しい雇用の創出にも一役買うだろう。

Vertical Farmと同様の取り組みは、米国・テキサス州の技術開発会社「Valcent」でも進められている。Vertical Farmと同様、水耕温室栽培の技術を応用し、High Density Vertical Growth system(高密度垂直栽培システム)という農法を開発した。コンピュータ制御により、十分な日光と栄養を作物に与え、紫外線とフィルターを活用して、害虫を寄せ付けない仕組みだ。彼らの実験によると、既存の農業技術に比べ、たった5%の水量で、20倍もの作物を生産できたという。

Despommier教授のVertical FarmやValcent社のHigh Density Vertical Growth systemは、「農業には広い土地が必要」という既存の概念を打ち破る“発想の転換“から生まれた。現在、日本は、食糧自給率の低さや食の安全性への不安など、食に関する様々な課題を抱えている。「国土が狭い」「人口が都市部に過度に集中している」という事実も踏まえ、これらの課題を解決するには、大胆な発想の転換が必要だ。そういう意味でも、柔軟な発想で果敢なチャレンジを続ける彼らの取り組みから、学ぶべきものは多い。

Valcent社「高密度垂直栽培システム」の紹介ニュースを見る

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