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世界のアートが「トトロの森」を守る! 「トトロの森プロジェクト・アート展覧会」サンフランシスコで開催

Totoro Forest Project at Cartoon Art Museum: Copyright(C)2009

Totoro Forest Project at Cartoon Art Museum: Copyright(C)2009

映画「となりのトトロ」は、田舎に引っ越してきた姉妹と“トトロ”という不思議な生き物との交流を描いた映画。このたび、この映画から環境保護への新たな動きが、日本を飛び出し、世界で始まっている。米国・サンフランシスコで「トトロの森プロジェクト・アート展覧会」(Totoro Forest Project Art Exhibition)が開催されたのだ。

「トトロの森プロジェクト・アート展覧会」は、映画「となりのトトロ」に影響を受けたアニメーター・アニメアーティスト・デザイナーなど、世界中のアーティスト200人が参加したチャリティーオークション。「あなたにとってのトトロ」をテーマにアーティストたちが作品を創作し、オークションに出品するというものだ。2008年12月中旬から2ヶ月間サンフランシスコ「漫画アート美術館」(Cartoon Art Museum)でも公開され、これらのイベントを通じて集まった収益金は「トトロの森」の自然保護のために寄付される。
以下の動画は、このイベントのキャンペーンビデオのひとつである。

東京都と埼玉県の県境にある狭山丘陵は、映画「となりのトトロ」の舞台のひとつとして知られ、「トトロの森」と呼ばれている。高度経済成長期以降、森林伐採や宅地開発が進むこの丘陵の自然を守るため、1990年「トトロのふるさと基金委員会」(現「トトロのふるさと財団」)が設立され、この財団を通じて、寄付金を募り、土地購入と自然保護活動が進められてきた。現在までに3億円以上の募金を集め、9カ所・16,900㎡の土地を取得。宮崎駿監督は設立当時から顧問に就任し、この基金を全面的にサポートしている。

ご存知のとおり、宮崎監督は、世界中のアーティストから尊敬され、世界の映画監督に多大な影響を与えるアニメの巨匠。特に、自然と生きる幸せをシンプルに描いた映画「となりのトトロ」は多くのアーティストたちの共感を得ている。「トトロの森プロジェクト・アート展覧会」は、そんなアーティストたちが世界中から集まり、おそらく一度も訪れたことのないであろうこの日本の森を守るために立ち上がったイベントだ。2009年1月末時点で、オークションや博覧会を通じて得た収益金は185,221ドル(約1,800万円)にのぼる。

自然や文化財を寄付金により買い取り、保護しようというナショナルトラスト運動は、1895年イギリスで生まれ、現在は「トトロのふるさと財団」をはじめとして日本各地でも実施されている。「トトロの森プロジェクト・アート展覧会」は、自然保護への思いを、言葉だけでなくアート作品を介して発信している点で、一般的なナショナルトラスト運動を一歩進めた運動であると感じる。自由なカタチで思いを表現することで、理屈だけでなくココロに響くメッセージを発信し、人々を行動に突き動かすという力は、アートならではの偉大なパワーだ。

Treehugger

この週末、トトロの森に出かける!

エコツーリズムで自然に触れる!