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ソーシャルビジネス55が発表。元気な村づくりを進めているのはココ!

photo by 秋津野塾

photo by 秋津野塾

経済産業省から、全国から先進的事例を公募し、日本を代表する「ソーシャルビジネス」55が選定された。

ソーシャルビジネスとは、町おこし・村おこし、少子高齢化、環境、貧困問題といった社会的課題をビジネスとして事業性を確保しながら自ら解決しようとする活動のこと。

社会的・地域的課題の解決とビジネスを両立させることで、結果的に地域の安定的・継続的な雇用創出にもつながる取組として有望視される一方で、知名度・認知度が低いのが現状。ソーシャルビジネスが各地域に広まり、大きく成長することを期待して、各地域で取り組む際のお手本となる事例が選定されたのだ。いったいどんな事例が選ばれたのか。

そのひとつが、農業法人株式会社 秋津野による「秋津野塾」
こちらは、和歌山県田辺市の住民で構成し、廃校を活用した農業体験プログラム「秋津野ガルデン」(上写真)、地域産品を活かした商品開発など、農業を基本とした地域作りと経済活動の両立を継続・発展させている。

評価されたのは、快適で暮らしやすく、活気あるまちづくりを、住民自らが積極的に進めている点。1996年には、農林水産祭むらづくり部門で、近畿地方で初めて天皇杯を受賞した。さらに、市町村合併が進む中、「合併前の町村でできるコミュニティづくりを学びたい」と全国各地から視察や講演依頼が相次いでいるという。

その活動の主軸となっているのは、新たに事業をしたり生活課題の解決に取り組んだりする時には組織をつくって話し合い、ものごとを決めるといった「むらづくり」活動と、山林などの村の共有財産を保有管理することで、地域で使える「共有財産」にある。とくに、共有財産があることにより、地域づくりが円滑に進んでいる。

秋津野塾の魅力は、ただ新しいものを取り入れるだけでなく、独特の地域事情をいかすことで、取り組みが実現できたところにあるといえる。しかし、課題もある。秋津野氏はミカン産地でもあるのだが、近年のミカンの価格下落や新興住宅地の急増による住民交流など。これからが正念場といえよう。

このような好例を国で選定するのは、いいことだと思う。だが、選定したところでその効果はどれだけあるのか。ソーシャルビジネスには、取り組みを行う農家の人々などの高齢化や、都会への若者の流出など、まだまだ問題は残っている。認識を広めるのはもちろんだが、問題解決にたいする具体策も打ち出してほしいと思う。

つまもので有名な(株)いろどりも選定されました