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教育現場でひっぱりダコ! な買い物ゲーム

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by colorblindpicaso

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今夜のおかずは何にしよう…?

こんなよく見る買い物シーンを用いた「買い物ゲーム」が今、教育の場でひっぱりダコ! なのだ。

これは、大阪の西淀川という公害地域の再生をめざして活動するNPOの「あおぞら財団」が開発・普及したゲーム。食材の写真カードで買い物を疑似体験しながら、「フードマイレージ」を通して、そこにかかる環境負荷やエネルギー問題、自動車社会化によるライフスタイルの変化など、さまざまな問題について考えるというものである。

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photo by フードマイレージ教材化研究会

実はこのフードマイレージ、日本が世界で一番高い。2000年における日本全体のフードマイレージは、約5,000億t・kmで韓国の3.4倍、アメリカの3.7倍。国民1人当たりでは約4,000t・kmになり、韓国の約1.2倍、アメリカの約8倍になる。これは、日本の食糧輸入が多いため、輸送時にCO2が多く排出されるからだ。

そんな環境負荷を、身近なものと感じとるためのお助けツールがこの買い物ゲーム。何気なくとったカードの裏には、「環境負荷=フードマイレージ」がどのくらいかかっているのかを理解するために、食材の輸送にかかるCO2を★印(=CO2:20g)で表示されている。

このゲームの大きなポイントはもう1つ。1970年チームと現代チームに分かれて、買い物後の食事を比べるところにある。

1970年は、物価が安く、季節によって手に入らない食材があり、買い物する店が大型スーパーではなく個人店だった。また、マイカーは普及されていなく、東京と大阪を結ぶ高速道路が1本あるだけ。それが今では編み目のように道路が張り巡らされていて、交通量が増えるとともに廃棄ガスやCO2の排出量が増加した。

比べることで、旬がなくなっていること、農業や交通の問題など、多くを学ぶことができる。ゲームだったら、子どもから大人まで楽しみながら理解できる。また、フードマイレージの理屈を分かっていても具体的な実践のできなかった人にも、日々の買い物から見直すという気づきを与えてくれるだろう。

最近では、フードマイレージをすすめる動きが活発だ。例えば「POCO(ポコ)」。以前greenzでも紹介した、有機野菜を宅配する大地宅配から提供されているフィードマイレージ・キャンペーンだ。これは、私たちが普段食べている食事、この食事を作る野菜や肉がどこからやってきて、どのように私たちの口に入っているのかがWebサイトで簡単に分かる。

取り組みはいろいろあるが、だからといって急に、車に乗るなだとかお取り寄せをするな、といっているわけではない。このフードマイレージを知ることで、自転車で行けるなら自転車で、同じ食材を買うなら近郊でとれたもの…とちょっとした行動が変わることが大切なのだ。

さあ、教育現場のみなさん。買い物ゲームをぜひ授業に取り入れてみませんか?