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「必要なエネルギーをいつでもどこでも誰にでも」。英国Freeplay Energyのサステナブルな取り組みに注目!

People with Lifeline: Copyright(C)2008 Freeplay Foundation. All rights reserved.

People with Lifeline: Copyright(C)2008 Freeplay Foundation. All rights reserved.

電源にコンセントを差せば電気が使える。こんな恵まれた環境に慣れてしまった私たち。しかし、今もなお、世界では電気の普及していない地域が多く存在する。ここ日本ですら、ひとたび災害が発生すれば、電気が止まり、電化製品も携帯電話もただの箱になってしまう。

必要なエネルギーを、いつでも、どこでも、誰にでも。

英国企業・フリープレイエナジー(Freeplay Energy)は、このようなミッションを掲げ、”エネルギー自給自足型”製品を開発してきた。彼らのサステナビリティ溢れる取り組みを見てみよう。

電力に依存せず「いつでもどこでも使える」製品を作りたい!

Rory Stear(フリープレイエナジー現会長)とChris Stainesは、イギリスの発明家・Trevor Baylisによって開発された手巻き式ラジオ「The Clockwork Radio」に事業可能性を見出し、1994年フリープレイエナジー(Freeplay Energy)を設立した。イギリス政府から補助金を得て、1996年にこの製品化を実現。以降も”エネルギー自給自足型”製品の開発に取り組み、現在、懐中電灯、ラジオ、手提げランプ、携帯電話の充電器など、多くの製品を製造・販売している。どの商品にも独自の”自給自足型”エネルギー技術・Eco-Charge™が搭載され、防災グッズやアウトドア用品として使えるのはもちろん、普段使いにも適している。

greenz/グリーンズFreeplayEnergy

Freeplay Energy’s New Product ML-1 Mini Lantern: Copyright(C)2008 Freeplay Energy. All rights reserved.

「いつでもどこでも誰にでも」を一歩進めるアフリカでの活動

現在、世界人口の35%にあたる約20億人の人々が、電気の普及していない地域で生活している。特に、アフリカ・サハラ砂漠の周辺地域は世界で最も電気普及率の低い地域であり、この地域の電気普及率は10%にも満たない。そもそも、Trevor Baylisが「The Clockwork Radio」を開発したのも貧困国の課題を解決したいとの思いからだ。アフリカにおけるエイズの蔓延を知り衝撃を受けたTrevorは、放送通信メディアを通じた情報や知識、教育の提供こそ、彼らを救う唯一の手段だと考え、電気が普及していない国でもラジオを自由に使えるようにしようと、手巻き式ラジオの開発に取り組んだのである。

フリープレイエナジー(Freeplay Energy)もこの精神を受け継ぎ、社会貢献活動に力を入れている。彼らは自らのミッションである「必要なエネルギーをいつでもどこでも誰にでも」を発展途上国でも実現すべく1998年フリープレイ財団(Freeplay Foundation)を設立。2003年に初の開発途上国向け手巻き式ラジオ「Lifeline」を製品化。国際赤十字(Red Cross)、国際連合(The United Nations)、国際協力機関・CAREWarchildなどの団体と協力し、40万台を超えるラジオを40カ国以上の発展途上国に提供。ラジオを通じて、この地域で生活する600万人を超える人々の情報や知識の共有に役立てている。(以下の動画参照)

世界の優秀な社会起業家たちに授与されるPrincipal Voicesに2007年受賞したフリープレイエナジー現会長・Rory Stearは、受賞記念白書でこう綴っている。

私たちフリープレイエネジーのミッションは明確です。責務を感じ、チャンスがある限り、「必要なエネルギーを、いつでも、どこでも、誰にでも」というミッションを追求し続けていきます。

彼らの活動に共感する企業や団体は多く、ボディショップ(Body Shop)の創業者・Roddick夫妻やアフリカの投資会社・Liberty Lifeなどもフリープレイエナジー(Freeplay Energy)に出資している。

省エネルギーの観点からも、”エネルギー自給自足型”製品の需要は、日本のみならず世界中でますます高まるだろう。”エネルギー自給自足型”製品メーカーの先駆者的存在・フリープレイエナジー(Freeplay Energy)の活動から、今後も目が離せない。